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こんばんは、セカコンです。
金曜ロードショーで『ごくせん THE MOVIE』を見ていました。

ごくせんは連続ドラマの時はよく見ていましたね。
一番好きなのは松潤が出ている第1シリーズですね。

ヤンクミは久しぶりに見ました。
相変わらずの熱血っぷりは自分の高校時代の担任を思い出します。

といっても一応まだ高校生ですけどね。
既に制服自体が懐かしい物になってしまっています・・・。

大学へ行く途中までの駅が一緒なので、
何かあれば高校に寄るのもありかもしれませんね。


今日はvol.7ですね。夏コミ終了、その夜の話。


それでは、vol.7をどうぞ。

~SELL 6 友達~


 ――気づけば、君との距離はここまで縮まっていたのか。


 夏コミは大成功で終わった。
 色々と片付けを済ませてビッグサイトを出る時に時計を見たら午後五時を回っていた。そろそろ日が傾き始めていた。
 「綺麗だな、海が」
 ゆりかもめ国際展示場正門駅の近くからは海が見える。日が傾き始めたこともあって、海もあかね色に染まり始めている。
 「何だか寂しいものだな」
 「……私も同じだよ、ナギ。昨日までの夕陽は……単に綺麗だなって思ってたんだけど、今日の夕陽は何だか違う」
 「今日は長かったからな……でも、あっという間だったな」
 「楽しみがある時っていうのは、もちろんその時も面白いけど……それまでの日々も意外と楽しい物でさ。それで、一番寂しいのは終わって少し立ってから何だよ、な……。」
 「こんな気持ちになったのは初めてだ」
 終わってから一時間。もちろん、コミケは二日目なので行こうと思えば明日一般参加者として参加はできる。しかし、サークル参加はもちろん今日しかない。
 今まで準備してきて、それを一日で消化して……今思うと、苦労もあったがあの時が少し恋しくなってしまう。きっと、ナギもそう感じているはずだ。
 「とりあえず改札を通ろう」
 お金のことは気にせず、今は夕陽が綺麗なので海のよく見えるゆりかもめに乗って帰ることにした。
 コミケに行くときには切符ではなくて、あらかじめ電子マネー……某果物の名前のICカードを買いそれにお金をチャージしておいた。そのICカードを使い改札を通る。
 ちょうど良いときに新橋行きの電車がやってきた。幸い、一般参加の時間が終わってから一時間経っているので、それほど乗客はいない。難なく座ることができた。
 「この電車はどこに行くのだ?」
 「そうだな……途中、サ○エさんを放送している放送局や……コ○ンを放送している放送局の最寄り駅は通り過ぎるな」
 「なんだその豪華ラインナップはっ!!」
 「まあ、平たく言えばお台場や汐留を通るって事だよ」
 「ということは、レインボーブリッジは! 某刑事が封鎖しちゃうところも目撃できるのか!?」
 「映画と現実を混同するな!」
 「ちぇ、見たかったのにな……」
 「まあ、レインボーブリッジを通るけどな」
 普通、それは映画だからこそ見たいのであって……実際にそんな事件があったらその現場、目撃したくもないぞ。あと、レインボーブリッジ封鎖するってことはお台場を通れないようにしてるんだから。
 そんなうちにお台場が近くなってきた。球体が眼につく……某放送局の前もちゃんと通った。その時のナギのはしゃぎぶりは凄かった。疲れてないのか?
 「つか、少し静かにしてろ。他の人もいるんだから」
 「……むっ、いつになくはしゃいでしまった」
 と冷静を取り戻そうとしている。まあ、いつになくというのは余計だな。コミケの時も近所のサークルさんと話しているときも、自分の知っているアニメのことになると妙に熱を込めて喋っていた。
 「家に帰るまでがコミケだからな」
 「……それ、よく小学校の遠足の時に言う言葉ではないか」
 「それと同じだ」
 その後、ゆりかもめに乗った私たちはJR線を乗り継ぎ……練馬にあるムラサキノヤカタに帰ってきた。


 「あら、おかえりなさい。楽しむことはできましたか?」


 玄関を入ると出迎えてくれたのはマリアさんだった。私はすぐにバッグから弁当袋を取り出しマリアさんに渡す。
 「ええ、楽しめました。一応、持っていった同人誌は全て売ることができました」
 「まあ! それは良かったですね」
 「あと……お弁当、ありがとうございました。もし無かったら、混んでいる所で昼食を買わなければいけなくなっていたので」
 「うふふっ、ハヤテくんと考えて作って正解でしたね」
 と、素敵な笑みを浮かべている。
 「ナギもどうでしたか?」
 「ああ、最高に楽しかったよ!」
 「そうですか。あと、ハルミさんには迷惑をかけることはありませんでしたか?」
 「そんなことはない!」
 胸を張って答える。もちろん、ナギは迷惑をかけることはなかった。逆にあの少年のおかげで、私がナギに不快感を与えてしまったかどうか不安だったくらいだ。
 「ナギも頑張ってくれましたよ。少し暑いのに辛そうでしたが」
 「まあ、このアパートの生活になってからも涼しい部屋の中での生活は続いていましたからね……熱中症になるかどうか心配だったんですよ」
 「日中は室内だったので、水分もこまめにとらせましたし……何とか大丈夫でした」
 「そうですか。色々とありがとうございました」
 「いえいえ、私はナギと今日一緒に参加できて……私の方がお礼を言いたいくらいですよ。ありがとうな、ナギ」
 私が例を言うと、ナギは頬を赤くして、
 「……そ、そうか。まあ、私も……今日、ハルミと一緒に参加できて、う、嬉しかったぞ」
 「そうか」
 やはりこういう所が可愛いから、普段の少しきつい言葉も許せてしまうんだろうな。
 「どうしますか? お風呂にしますか?」
 「……私は少し片付けて時間が経ってから入りたいと思います」
 「分かりました、ナギはどうします?」
 「私もその……ハルミの部屋で休む。ちょっと歩き疲れて……まずは休みたい気分なのだ」
 「そうですか、では失礼します」
 マリアさんは一礼して部屋に戻った。私とナギは行きに比べると信じられないくらいに軽くなった荷物を持って私の部屋に入った。
 「疲れたあっ……」
 ナギはそう囁いてベッドの上に仰向けとなった。私のベッドなんだが……。まあ、今日は頑張ったから何も言わないが。
 「私も疲れた」
 私は畳の上に仰向けになり、目をつむる。そうすると今日のコミケのことが走馬燈のように映像で蘇ってくる。まるで死ぬ前のように。
 正直、同人誌が売り切れるとは思わなかった。ペーパーの力を借りても半分かまあ多くて三十冊ちょっとかと思っていた。何事もやってみないと分からないな。
 「すぅ……」
 ん? 寝息が聞こえるぞ。
 「ナギ……?」
 身体を起こしてベッドの方に視線をやると、そこにはナギの寝顔があった。少しどころか凄く疲れていたんじゃないか。
 「……ご苦労様、ナギ」
 私はそっとナギの頭を撫でてやる。そうすると、少しナギの寝顔に笑みが浮かんだ。何て幸せそうな寝顔でしょう。でも、本当に幸せだったりして。
 「もうこれ以上は売れないのだ……」
 おっ、何かを売っているのか?
 「残念ながら一万冊売り切れてしまったぞ……。次回のコミケはもっと用意しなくちゃだな……。」
 壁サークルでも一万冊の同人誌を売ったところは聞いたことはない。せいぜい多くても数千冊だろう。ナギの夢の中ではこのサークルは壁サークルの中でもトップだろうな。
 「ハルミ、次はもっと売ってやるぞおっ……にゅうっ」
 「にゅうってな、可愛すぎるだろ」
 まあ、寝言言うくらいだから……少しの間は起きないだろう。私は今日の持ち物を整理して片付ける。
 普段なら戦利品でいっぱいなのだが……今回はサークル参加。戦利品を獲得する時間もなく、もらえたのは隣の薫先生のサークルの同人誌と雪路似のフィギュアだけだった。
 「このフィギュア……どうすればいいんだ?」
 どうもちょうど良い飾る場所も見あたらず、かと言って押し入れとかにしまっておくと何だか縁起が悪そうでしまえない。片付けで一番悩んだ。
 「……綾崎くんにでもあげようか?」
 まあ、フィギュアの件はとりあえず置いておくか。スーツケースを押し入れにしまい、冷蔵庫の中にある麦茶を飲みゆっくりと休んだ。
 テレビを点けても面白そうな番組もないし、DVDでアニメを観る元気もない。ただ、何も考えずにぼうっと過ごすかぎり。


 『コンコン……』


 と、部屋の玄関からノック音がした。
 「どなたですか?」
 「綾崎です。あの……お嬢さまに頼まれた物を持ってきました」
 「そうですか」
 ゆっくりと扉を開けると、紙袋を持った執事服姿の綾崎くんが立っていた。
 「彼女は?」
 「ああ、歩き疲れて……今夜はゆっくりすると部屋に戻りました」
 「そうですか」
 「あの、お嬢さまは……?」
 「ナギも歩き疲れてしまったようで、今……私のベッドで寝ています」
 「そうですか、ご迷惑をかけてすみません」
 「いえいえ」
 まったくナギは。綾崎くんもマリアさんも心配してくれているじゃないか。まあ、それはそれで幸せ者なのかもしれないけど。
 「あの、これ……お嬢さまに頼まれたものです」
 「ああ、企業ブースで売っていたグッズですか」
 「けっこう買えたんですが……やはり全部は手に入りませんでした。お嬢さまに『すみませんでした』と言っておいてください、お願いします」
 「ナギ、そこら辺は考えていて……全部は手に入らないだろうって言っていました」
 「そ、そうなんですか……。」
 「でもこれだけあればきっと喜ぶと思います」
 紙袋の中身を少し見ると、下敷きセットや扇子などのコミケならではのグッズもあれば、とあるアニメの設定資料集などの本なども入っていた。
 「気に入ってくれるかは分かりませんが、同じ物が二つの物がいくつかあるんです。ハルミさんの分まで買ってきました」
 「私の分まで……? そんな……」
 「いえいえ、お嬢さまのことを毎日面倒見てくださっていましたし……ハルミさんのおかげでどうやらお嬢さまは、充実した日々を送れたみたいですから」
 「マリアさんにも言ったんですが……逆にナギに感謝したいくらいです。こっちは」
 「そうですか」
 「でも、ありがとうございます。思い出が増えました」
 「……喜んでいただけて嬉しいです」
 そう言う綾崎くんも嬉しそうだな。やはり綾崎くんは執事という職業に合う人間なのだと思った。
 「それでは、失礼します」
 「はい」
 紙袋を受け取って、扉を閉める。意外と重いな。
 紙袋を持って部屋に入るとナギが起きていた。
 「ハヤテが来たのか……?」
 「ああ、ナギの欲しがっていた物を持ってきてくれたぞ」
 「おっ!」
 「流石に全部買えなかったって。あっ、あとはちゃんと後で綾崎くんと千桜に礼を言っておけよ」
 「分かってるよ」
 ナギはさっそく紙袋の中身を取り出し、綾崎くんの持ってきてくれた『戦利品』を並べてみる。
 「結構あるんだな」
 「何か同じヤツがふたつあるだろ? この下敷きセットとか……。何か私にも買ってきてくれたらしい」
 「まったくハヤテは優しい奴だな」
 「だから、二つあるヤツは一つ私が貰うからな」
 「うむ、分かった」
 「あと何か一つだけのヤツも私にちょうだい」
 「うむ、分かった……ってそう簡単に渡せるわけがなかろう!」
 「ちっ、もう少しだったのに……」
 頑張ったんだから少しくらいくれたっていいのにな。しかし、この後……戦利品の仕分けがナギと私の二人で行われ、厳粛(?)な話し合いの結果、少しはナギのものを貰うことができた。
 戦利品も手に入ったところで、ようやく常連としての達成感も得ることができた。
 「今日は色々な事があったな」
 「ああ、もう二度と味わえない気がするけどな」
 「何を言っているのだ、冗談だろう?」
 「あははっ、こんなに面白いコミケをっていう意味だよ」
 「そうか……」
 「ん? どうしたんだよ、寂しい顔をして。今日、楽しくなかったのか?」
 「いや、楽しかったよ。でも……」
 ビッグサイトを去るときとは違う、少し寂しげな表情をしている。
 「やっぱり寂しいなって」
 「そうか」
 「……なあ、ハルミ」
 「なんだ?」
 「これからもずっと……ずっと私と一緒にサークル活動をしていかないか?」
 「えっ?」
 「今回はルカの同人誌を売ったけど……いずれは、私とハルミが一緒に作った同人誌を一緒に売りたいんだ」
 「……」
 何だ、この感覚……。何も、言えない……?
 懇願するナギの顔は真剣であった。そして、愛でたくなるような……避けてしまってはいけないような雰囲気だった。


 「だってもう、私たち友達だろう? ずっと一緒にいてほしい……」


 その言葉に何も答えることができなかった。
 そして、気づいた。私は三年後の未来から来て……いち早く元の時間に帰ることを考えるべきなのに、何でここまで自分を求める人間を作ってしまったのだと。


 再び私に罪悪感が……見えない闇が迫り始めた。


vol.8に続く。
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