日記と音楽感想、アニメ感想を中心に更新しています。リンク&トラックバックなどはフリーです。

2017/07 |  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 | 2017/09

こんばんは、セカコンです。
連日の暑さには萎えてきます。

でも、広い範囲で見ると本当の暑さのピークは越えたらしいです。
そのピークの気温が分からないのですが、この先も30度は軽く超えます。

・・・まあ、32,3度くらいですね。
外とかにいても大丈夫な温度は。

昨日アキバに行ったときも直射日光がすごかったですよ。
コミケの入場までの時間はつらそうだ・・・。


さて、本日は鍼灸院さんから寄贈してもらったSSを公開します。


久しぶりのSSが寄贈SSです。
題名は『ヒナギクと小さな恋人』。

私もそろそろ創作小説の方公開しなきゃな・・・。
文章物とかがこの3,4ヶ月無かったのでそういう意味でもありがたかったです。

題名通り、ヒナギクと「小さな」ある人との2日間のお話。
時間をかけて作ったらしく、とても丁寧に作られたお話です。


それでは、続きからどうぞ。


『ヒナギクと小さな恋人』


Part0「イタズラ」

神。それは聖なる存在。この世界を創造し、我々人間が決して手を出すことの出来ない未知の存在。

または常人には無い特別な能力を持つ人間の事を言う。

そして、その神と呼ばれる人間の中には、他人の被害をかえりみずに己の事ばかりを優先して考える神と呼べないような人もいると言われる。

その人神様が他人にささいなイタズラと称した実験を仕掛けた時。その周りの人は一体どうすればいいのだろうか?


そして、自分の想い人が幼くなって目の前に現れた時、貴方は一体どうするべきなのでしょうか?


これは……自分の想い人であるハヤテが幼くなり、元の姿に戻るまで傍に付き添った少女の物語……。



Part1「ハヤテ君?」

此処は白皇学院の教室の一つ‥‥。

「きりーつ!‥‥‥礼!」

学級委員(男子)の号令でその日の授業が全て終わった時、私はいつもなら主人のいる座席を見つめて呟いた‥‥。


「ハヤテ君……、一体どうしたのかしら?」


今年も暑かった夏が終わり、紅葉も見頃になった12月のある日のこと。白皇学院にそびえ立つ、ガーデンゲートの最上階にある生徒会室に、そのあとヒナギクは今日の仕事をするために向かっていた。


さっき言った『ハヤテ君』て言うのは、今年の一月に編入で白皇学院にやってきた同い年の男子生徒でナギの家の執事をやっている。


彼と出会ってからはいろいろと遭ったけど、私の十六歳の誕生日の夜に彼が言ってくれた一言で、私の本当の気持ちがようやくわかったの。


(私……、ハヤテ君のことが好きなんだ‥‥‥。)


それからしばらく経ったGWに、歩や三人組と行ったミコノス島でハヤテ君達と出会い、王玉やら遺産やらでいろいろ大変だったけど何とか無事解決したみたいだし、本当に良かったわ。


(だって‥‥。好きになると居なくなってしまう……。そんなのはもう嫌だから……。)


それから半年が過ぎたある日、そんな彼が今日は珍しく欠席だった。彼の主人のナギは『HIKIKOMORI』と言う名の最先端の流行病(本当に病気なのかしら?)を理由に今日も学校を休んだけど、彼も一緒に休んだのはその日が初めてのことだった‥‥‥。


もっとも、三千院家の事情でもあるのだろうと思い、その時はそれ以上深く考えなかったわ。


そして時計塔に入り、気の遠くなる程の時間をエレベーターに揺られながら、いつも通りに生徒会室に入ると、ソファーに横たわって寝息をたてている小さな男の子を見つけた時は驚いたわ。


「‥‥‥ハヤテ君?」


だって‥‥、それは私がさっき言ったように想いを寄せている少年。『綾崎ハヤテ』くんそっくりの三、四歳くらいの男の子だったのだから‥‥‥。


(‥‥可愛いわね。しかもハヤテ君そっくり。でも何でこんな所でこんな小さな子が寝ているのかしら?)


此処には初等部の生徒で何らかの生徒会役員であっても、安全の為に此処には入れない、更にこの子は制服や執事服は着ておらず、歳相応の可愛らしい服を身につけていた。


「んっ‥‥‥」


(どうやら起こしちゃったようだから私はその子の名前を聞くことにしたのよね)


「あなたのお名前は?」


「あやしゃきはやて。おねえちゃんは? ‥‥ここはどこなの? おとうさんとおかあさんは?」


その子の返事を聞いた時。私は暫くどうしたらいいのか見当もつかなかったわ‥‥‥。


Part2「ヒナギクおねえちゃん」

(やっぱりハヤテ君なんだ‥‥。可愛い///‥‥‥でも一体どうしたのかしら?)

ひょいっ。

「おねえちゃん。どうしたの?」

「!!?」


なんて私が考えてる時にハヤテ君が私を覗き込んだもんだから、私は顔が真っ赤になっちゃったのよね。

「なっな何でもないわよ!// 私はヒナギク。そして此処は白皇学院よ//」

「ヒナギクおねえちゃん?‥‥はくおうがくいん?」

(ヒナギクお姉ちゃん!? う、うれしいけど恥ずかしい…///)

「そっ‥‥そうよ//。それとねぇ、ハヤテ君のお父さんとお母さんは今お出掛けしているの」


「そんなんだ‥‥‥」


ハヤテ君はそう言うと顔をうつむけて暗い表情になっちゃったの。以前マリアさんから聞いたけど、ハヤテ君は幼い頃に家族や周りからの愛情を殆ど受けないで育ったのよね‥‥‥。


「ハヤテ君。ちょっとだけ待っててね」

「?‥‥うん(どうしたんだろう?)」


ヒナギクは疑問符を浮かべるハヤテをよそに、生徒会室を出て携帯で『ある所』に連絡を入れた‥‥‥。


Part3「交渉」

「‥‥‥事情はわかりました。とにかくハヤテ君が小さくなっちゃっているんですね?」


ヒナギクは三千院家のメイドであるマリアに電話をかけて事の次第を伝えていた。

「はい。それでその‥‥私が預かってもいいですか?」

「えっ? ヒナギクさんがですか!?」

「駄目ですか?」


この時。ヒナギクの真剣さがマリアに伝わった。


「いっいえ! ではハヤテ君をよろしくお願いします」

「あっありがとうございます!! ではこれで失礼します」

ヒナギクとマリアはこうして互いに電話を切った。


「ヒナギクおねえちゃん。どうしたの?」

生徒会室に戻った私にこうたずねてきたハヤテにヒナギクは笑顔で応えた。

「何でもないわよ。それよりそろそろ暗くなってきたし、帰ろうか?」

「うん!」

こうしてハヤテはヒナギクと手をつないで桂邸へと向かって行った。


一方で三千院家では‥‥。


「‥‥と言う訳でハヤテ君が小さくなっちゃったみたいで、取り敢えずヒナギクさんに預かってもらうことにしたんです」

この日、珍しく出張が無くてお屋敷にいたクラウスがなかなか戻らないハヤテのことをマリアに問い掛けていた。

そして先程のマリアの返答に対してクラウスは‥‥‥。


「う~ん‥‥‥にわかには到底信じられんが、マリアの言うことだし‥‥‥。 取り敢えずお嬢様には『綾崎には緊急の出張に行って貰った』と伝えておきましょう」

「わかりました。ありがとうございますクラウスさん」

‥‥ということでマリアの言うことを信用し、ナギに対する対応を提言していた。


Part4「桂邸へ」

「たたいま~」

「お帰り~ヒナちゃん♪ あらその子は? 綾崎君にそっくりね。もしかして綾崎君とヒナちゃんの隠し子?」


「なっ!?//……何言ってるのよお義母さん!///」

「あらあら、冗談よ冗談♪」

「も~~お義母さんったら!//」


そんな会話をしていたらハヤテ君が私の後ろに隠れるようにして質問してきたの。

「ここは?」


その顔は不安で脅えているように見えたので私はふと気がついたわ。


(そっか。このハヤテ君は以前来た記憶が無いのね‥‥‥。だったら)

「ここは私の家だから大丈夫よ。だから安心しなさい」

「うん‥‥」

ハヤテ君はまだ少し不安そうな顔をしていたけど少しほっとしたようだった‥‥。


「そうそう、雪ちゃんは今日は宿直で帰らないからね。それと夕飯出来てるから着替えてらっしゃい」

「は~い。ハヤテ君ついてきてね」

ハヤテは静かに頷くとヒナギクに続いて彼女の部屋に入って行った。


~ヒナギクの部屋~

「取り敢えずこれに着替えてくれる? 私の小さい頃の服だから女の子用だけど‥‥」

ヒナギクはそう言ってハヤテに小さな洋服を渡した。

「おきがえするの?」

「うん」

私がそう答えるとハヤテ君はその場で着替え始めたの。幸いにも適当に選んだ服が結構似合っていて良かったわ。

「うんピッタリね。それじゃお姉ちゃんも着替えるから、先に下に戻っていてね」

「は~い」

ハヤテ君はそう言ってリビングに向かって行ったの。

「さてと! 私も着替えないと!」

そう言って私も私服に着替えてリビングに向かったわ。


Part5「Dinner time」

「今日はヒナちゃんの好物のカレーよ♪」


今日の夕食はおおいに盛り上がった。普段は静かだけど、一人増えるだけでこんなに違うなんて思ってもみなかったから‥‥。

「ごちそうさまさまでした!」

「あっ! ハヤテ君口にたくさん付いちゃってるよ」

私はそう言ってハヤテ君の口を拭いてあげた。

「はい出来たわよ」

「ありがとう おねえちゃん!」

「ふふっヒナちゃんはいいお母さんになるわね~♪」

「お義母さん!///」

「冗談よ冗談! フフ♪ 本気になっちゃってカワイイわね♪」

(お義母さんが言うと本気にしか見えないんだけど‥‥)

「ヒナギクおねえちゃん! なにかしてあそぼうよ!」

「いいわよ。何したい?」

「え~っとねぇ~‥‥‥」

それからは二人でトランプ遊びなどをしたわ。何かハヤテ君が本当の弟に見えちゃったのが少し恥ずかしかったけどね//


Part6「お風呂」

「そろそろお風呂に入りなさーい」

「「はーい」」

「じゃ! ヒナちゃんはハヤテ君をお願いね♪」

「えっ!? ち、ちょっとお義母さん!?///」

(いきなり何言ってるの!?)

「いいじゃない。ハヤテ君小さいんだし」

「で、でも‥‥//」

「それじゃ私がハヤテ君と入ろうかしら?」

「うっ‥‥わかったわよ。ハヤテ君、おいで‥‥//」

私は顔を真っ赤にしてハヤテ君を連れて風呂場に向かった。


チャポーン‥‥‥。


今、私はハヤテ君と一緒に湯船につかっている‥‥。ハヤテ君は小さくなって記憶が無くなっていても、私にとっては好きな人と一緒に入っているのだからかなり恥ずかしかった。


「やっぱり明日からはお義母さんにして貰おうかしら?//」

「ごめんなさい‥‥」

「なんでハヤテ君が謝るの?」

「だって‥‥めいわくでしょ?」

「違うわよ‥‥//。ただ恥ずかしいだけ‥‥// 明日も一緒に入る?」


「‥‥いいの?」

「いいに決まっているじゃない//」


私がそう言うとハヤテ君は笑顔で喜んでいた‥‥。


Part7「事態急変」

その頃の三千院家ではマリアがハヤテが幼くなってしまった原因を考えていたのだが‥‥‥。


「もしかしたら‥‥‥」


マリアはおもむろにそう呟くとある人に聞くためにダイヤルを回した。

(こういうことをするのは『あの人』以外にはいないですしね‥‥)


PPPP‥‥‥。


「はいもしも~し」

「あっもしもし牧村さんですか? お久しぶりです。マリアです」

マリアのかけた相手。それは自分と同級生であり、現在は白皇学院でハヤテ達の学年の学年主任をしている牧村詩織であった。


「マリアちゃん!? 久しぶりだねぇ~どうしたの~?」

「いえちょっと牧村さんにお聞きしたいことがありまして‥‥」


「それでどうしたの?」

「‥‥では単刀直入に伺いますが綾崎ハヤテ君が小さくなってしまったのですが、何か心当たりはありませんか?」


「小さくなったの!?」
「はい」

「やった~!実験大成功~♪」

「‥‥‥実験大成功ですか?(やっぱりあなたが犯人でしたか)」

「うん! その名も『リバースバディ』! その名の通り体が昔の若い頃の状態に戻るんだよ。マリアちゃんも一回使ってみる?」

「いえ遠慮しておきます。それよりもハヤテ君を元に戻す方法を教えて下さい」

「え~折角成功したのにー。ケチ」

「ケチじゃありません! それにハヤテ君体だけじゃなくて記憶まで小さい頃に戻っているんですよ! 一体これのどこが成功なんですか!?」

「記憶まで!?」

「そうですよ。だからハヤテ君を元に戻す方法を教えて下さい!」


「そ、それが‥‥元に戻す薬がまだ出来てなくて‥‥」

「何ですかそれは!? 冗談では済まされませんよ!?」


今のマリアは牧村への怒りで震えていた。そしてその殺気は電話越しの牧村にも十分に感じ取れていた。


「お、落ち着いてよマリアちゃん! 今から急いで元に戻す薬を造るから!」


その言葉を聞いたマリアは落ち着きを取り戻した。

「それでその薬はいつ出来ますか?」

「最低でもあと二、三日くらいかかるわね~」

「それじゃその間ハヤテ君はどうしたらいいですか?」

「う~ん申し訳ないけど、暫くはあの姿のままということになるわね~」

「‥‥‥わかりました。では一刻も早く造って下さい。お願いしますね!」


マリアはそう言って電話を切った後、この事をヒナギクに伝える為に今後は桂邸に電話を掛けた‥‥。


Part8「お姉ちゃんといっしょ」


~桂邸~

「‥‥はい。わかりました。では失礼しますね」


ヒナギクはマリアからの電話でハヤテが最低でもあと二日は幼いままと知り、不謹慎ながらも少し嬉しそうな表情になった‥‥‥。


『後二日間は一緒に居れる‥‥』

その想いで一杯だった。


それから数十分後。

ハヤテは今ヒナギクのベッドでスヤスヤと眠っている‥‥。

その横ではヒナギクがハヤテの寝顔に顔を赤くしながらも、嬉しそうな表情で自分も夢の世界へと旅立って行った‥‥‥。


~翌朝~

いつも通りの早い時間帯に起床したヒナギクは、隣でまだ寝ている幼いハヤテの寝顔に顔を微笑ませながらも、日課である朝のジョギングに出掛けた‥‥‥。


それから数十分後。


ジョギングから戻ったヒナギクはリビングを見て驚いた。なんせそこには‥‥‥。

「やっぱり可愛いわね~~♪」

「‥‥‥‥////」

そう。
可愛い物に目がないヒナ母により、猫耳をつけられ、更に恥ずかしいコスプレをさせれたハヤテがヒナ母のカメラの被写体となっていたのだから‥‥‥。

ちなみにハヤテの表情はと言うと‥‥‥。「これでもか!」と思えるくらいの恥ずかしさと羞恥心に耐えきれず、まるで完熟トマトのように顔が真っ赤になっていましたとさ♪


「なっ//!? ‥‥‥何してるのよお義母さん!?」

「だってぇ~~。ハヤテ君小さい頃のヒナちゃんと同じくらいとっても可愛いんだもん~♪」

「もうー!ハヤテ君大丈夫?」


そう言うとヒナギクはハヤテに近づいて行った。するとハヤテはヒナギクの姿を見て安心したのか、勢いよく彼女の胸元に飛び込んできた。


ヒナギクはハヤテを受け止めると、まるで本当の母親か姉のようにハヤテをあやした‥‥‥。

無論。その様子をヒナ母がビデオカメラで撮影していたということは言うまでもないことである‥‥‥。


このあと朝食を食べた後、今日が土曜日ということもあり、ヒナギクの提案で二人仲良く街へ出掛けることになった‥‥‥。



Part9「喫茶どんぐり」


さて、仲良く出掛けた二人は手をつないで楽しく会話をしながら街に向かって歩いていた。

その姿はまるで本当の仲のいい姉弟のように見えていて、「可愛い弟さんね」とか、「優しいお姉さんね」等の温かい言葉が周囲の人達から浴びせられた。


ヒナギクはその言葉の一つ一つに顔を赤くしながらも内心は嬉しさで満たされていた‥‥。

そうこうしている内にお昼頃になり、二人はヒナギクや歩、ナギ、そして元の状態のハヤテがバイト先としている 「喫茶 どんぐり」の店内へと入って行った‥‥。

「あらヒナちゃんいらっしゃ~い。いつものブレンド?」

二人を迎えたのは此処のマスターである〈加賀北斗〉と、


「あれ? ヒナさんどうしたのかな? ‥‥‥それにその小さいハヤテ君みたいな子は誰なのかな?」


たまたま今日シフトが入っていた〈西沢歩〉だった‥‥。


~~数分後~~


「ハイ! 私特製のお子さまハンバーグランチよ」


「いっただきま~す!」

そう言うとハヤテはナイフとフォークを両手に持ち、その料理を笑顔で食べ始めた。


「しっかし小さいハヤテ君てこんなに可愛いのね」

「そうですね~。ハァー何か癒されるな~♪」


マスターの発言を歩が支持した。

「そうね。それに関しては同感よ」

ヒナギクも同意見なので自分もそれを肯定した。

「だけど小さいハヤテ君は可愛いからいいんだけど、一体どうしてこうなっちゃったのかな?」

「えっと~それはね‥‥‥」

ヒナギクは今までに起こったことを歩に話した。歩なら話しても大丈夫だろうと思ったからだ。‥‥これがもし生徒会三人組だったら格好の動画のネタにされていたであろう事は間違いない事実である。



Part10「泉の過去1」


「~~と言う訳で、今は私の家で預かっているの」

「へぇ~若返りの薬ですかぁ~~。でも薬事法なんかは大丈夫なのかな?」

「‥‥‥それは流石に分からないわ」


「‥‥‥そうですね」

歩はヒナギクの説明を受けて普通に納得していた。ちなみになんで「薬事法」と言う単語を知っているのかは、ドラマや映画の影響である。


そして一段落ついたその時。


カランコロン♪

「やほーー☆ ヒナちゃんやっとみっけたぁ~」

生徒会三人組の一員であり、「いいんちょさん」こと〈瀬川泉〉が入店してきた。

「いっ泉!? 貴女一人でどうしたのよ」


「私? にはは~美希ちゃんも理沙ちんも何か用事があるっていう言うしね~、虎鉄くんは『廃止される寝台特急〈北陸〉と定期運転最後になる夜行急行〈能登〉を撮影しに行って来ます』って書き置き一枚だけ残して一人で金沢駅(注:〈能登〉〈北陸〉共に上野~金沢を走っていました)に行っちゃったから‥‥暇なの‥‥‥」


最後の方は泉の声が小さくなっていたのでヒナギクは泉が此処に来た理由をなんとなく理解した。

「それで、寂しいから私の家に行ったけど留守で、私が居るかも知れない此処に来たって訳ね」

「うん。その通りなの‥‥‥」


一瞬だけだが店の中の空気‥‥‥いや体感温度が下がった。‥‥‥なぜ一瞬かと言うと、

「ごちそーさまでした!」


すぐにハヤテがハンバーグランチを食べ終えて笑顔で「ごちそうさまでした」と言ってその空気を払拭したからだ。


「ハーイお粗末様でした」

北斗はそういって食器を回収するとそれをキッチンで鼻歌を交えながら洗い始めた。



すると泉の顔が少し良くなり、ヒナギクにハヤテについて聞いてきた。

「ねぇねぇヒナちゃん。あの可愛いハヤ太君似の男の子は誰なの?」


「あー、あの子はね。牧村先生の薬のせいで小さくなったハヤテ君よ」


ヒナギクがそう説明すると泉はそうなんだ~と納得したと思ったら、トコトコとその足でハヤテに近づいて行った‥‥‥。


「‥‥‥‥?」

「(じぃ~~~)」


そしてハヤテに近づくと、どこか懐かしむような表情でハヤテの顔を凝視し始めた‥‥‥。


ハ「???」

泉「(じぃ~~~~~)」


もちろんこのハヤテは泉のことは誰だか分からない。だから次第に怯え始め、そして‥‥‥‥。


「ヒナおねえちゃぁ~~~ん!」



1分後。
遂に耐えきれなくなり、ハヤテは泣きながらヒナギクに抱きついた。



Part11「泉の過去2」


「ちょっと泉!アナタ何してるのよ!?」

泣き付いてる幼いハヤテ君を抱っこしてあやしながら、私は泉に対して怒りをあらわにした。

その姿は『大切な弟を守ろうとする姉のようなオーラをかもしだしていた』って後でマスターと歩に言われたわね。


それに気がついた泉は私に謝りながら必死で弁明をし始めたの。


「ごっ‥‥ゴメンヒナちゃん!ちょっと昔助けてくれた男の子にそっくりだったからつい見入っちゃって‥‥‥。その‥えと‥‥ホントにゴメン!!」


その言葉にいつもの無邪気さは一切感じられず、泉が真剣に謝ったと分かることが出来た。


「‥‥‥それってあの時にファーストキスをあげたって言ってた同い年位の男の子のこと?」

「うん。そうだ‥‥‥よ//」


今年のゴールデンウィークに皆で行ったギリシャで移動の為に乗車した夜行列車『アンカラエクスプレス』。

その車内での会話で泉は普段以上の思考回路を発揮した(生徒会でもそうなら助かるのにね)二人組により、ファーストキスの事を洗い浚い白状させられていた。


今更ながらその事を思い出して恥ずかしくなったのか、泉は顔を赤くしてさっきの返事も最後の字が聞き取れないくらいに声が小さくなっていたわ。


「理由はわかったわ。でもハヤテ君が怖い目に遭ったのは事実だから、ちゃんと謝りなさい」


私がそう告げると泉は私の腕の中で泣き止んでいたハヤテに近づいて、精一杯の誠意を込めてハヤテ君に謝っていた。


ハヤテ君はまた何かされるのかと最初は脅えていたみたいだけど、最後は泉や歩に私も交えてにらめっこをしたりして遊ぶまで仲良くなっていたわ。


Part12「午後の一時」


それから少し時間が過ぎて、二人は店を出て近所の散策を再開した。銀杏商店街を抜けてしばらく行くと、ハヤテは疲れてきてしまったのか次第に足取りが重くなり目はウトウトとし始めていた。


「眠いの?」

「‥‥‥うん」

「もう少し歩ける?」

「疲れたよぅ‥‥‥」

ハヤテがそう言うと、ヒナギクはハヤテの前に背を向けてしゃがみこんだ。


「ほらっ‥‥乗りなさい」

「ありがとうヒナおねえちゃん」

そう言ってヒナギクはハヤテをおんぶした。

「‥‥‥‥ZZzzz」

ヒナギクの背中が気持ちいいのか。ハヤテは直ぐに寝息をたてて眠りの国へと旅立ってしまった。


(このままずっと一緒に居たいなぁ)

ヒナギクは背中で眠る幼いハヤテを見て、微笑みながらふとそう呟いた。


しかし、そんな小さな願いも神の前には届くことはなかった‥‥‥。


自宅に戻るとヒナギクの義母が電話に応対していた。

そして会話が終わり、受話器を戻した彼女が帰宅したヒナギクとハヤテを見つけると駆け寄ってきた。

「ヒナちゃんヒナちゃん!」

「どうしたのよお義母さん?」

「さっきマリアさんから電話があってね。それで今すぐお屋敷に来て欲しいんですって。ハヤテ君も一緒に」

「ハヤテ君も一緒に? わかったわ今すぐ行くわ」


ヒナギクはそう言い残すと、ハヤテを背中におぶったまま三千院邸に向かって行った‥‥‥。


それは‥‥‥。別れと同時に、新たな物語の始まりでもあった。



Part13「お屋敷へ」


マリアさんからの電話で、私とハヤテ君は三千院邸に来ていた。客間に通された後、私はまだ寝ているハヤテ君を膝枕しながら椅子に座ってマリアさんを待っていた。


「お待たせしましたヒナギクさん」

そう言って部屋に入ってきたのは、このお屋敷で唯一のメイドさんでナギにハヤテ君共々仕えているマリアさんだった‥‥‥。


「いえ大丈夫です。それよりどうしたんですかいきなり来てほしいだなんて?」

「ええ、実は‥‥‥‥」


次にマリアさんの口から出た内容に、私は耳を疑った。



「先程ですが牧村さんから連絡があって、『元に戻る薬が出来たから今すぐ持っていくね』と言われてお呼びしたのです」


「え!? ちょっと待って下さい! いくらなんでも少し早過ぎるんじゃないですか!?」

「なんでも『小さくなった原因の成分を、反対の効果を持つ成分に入れ換えたら簡単に出来た』と言っていました」


マリアさんからの返事は、普通なら納得出来ないけど牧村先生が相手なら納得せざるを得なかった。


「それでいつハヤテ君に飲ませるのですか?」

「それを決める為に来てもらったんですよ」


マリアさんはそう言うと牧村先生の到着をもって私を含む三人で打合せを始めた‥‥‥。

因みにナギはと言うと、今後のマンガの展開と方針について、鷺ノ宮さんの家で泊まり込んで議論するみたい。

でも鷺ノ宮さんもすごいわね。あのナギのマンガを理解出来るのだから。私だったら全然分からないのに‥‥‥。


Part14「計画」


「‥‥‥ではこれでいくことにしましょう」

あれからしばらくして決まった結果は、ハヤテ君に『飲み薬』と称して寝る前に飲んでもらうことになった。

そして、私がそこに付き添うことになったけどこれは仕方ない事だと思う。

昨日からハヤテ君と一緒にいる私と違って、マリアさんや牧村先生は今のハヤテ君にとっては初対面の他人。ハヤテ君が怖がって飲まない可能性があったから。

それからまもなく、それは実行に移されたの。


~~数分後~~

「おとまりするの?」


打合せのあとに起きてきたハヤテ君が私にこう聞いてきた。

昨日いた私の家とは造りも大きさも全然違う部屋に居ることに気付いたのね。

「そうよ。でもハヤテ君は私と一緒だから安心してね?」

「うん!」

そう言うと、ハヤテ君は私に抱きついてきた。

そして私はハヤテ君を受け止めて抱きしめてあげる‥‥‥。


そしたらどこからか誰かの視線を感じたので、顔を上げてみると‥‥‥。


「(‥‥‥‥‥‥)」

「? マリアちゃん? どうしたの?」

どこか羨ましそうな表情で、マリアさんが私達を見つめていた‥‥‥。不審に思った牧村先生が声を掛けても何の反応も示さない。

「マリアさん?」

「え?‥‥‥はっはい何ですか!?」

「いえ、その‥‥私達をなんでそんなに見つめていたんですか?」

「いえなんでもありません。‥‥‥すみませんでした」


疑問点は残っていたけど、これ以上は聞かないことにしたわ。

誰にだって言いたくないことや秘密にしたいことは一つは絶対にある。それを聞くのは失礼に値するので私達はそれ以上は聞かなかった‥‥‥。


Part15「心の中の思い」


此処は三千院家の客室。
あの後、お義母さんに連絡を済ませてから私達は夕食をご馳走になり、そしてお風呂に入った。

昨日は一緒に入れた事に対する『嬉しさ』で一杯だったけど、今日はそんな明るい気分にはなれなかった‥‥‥。

そして私とハヤテ君は、今は寝室のベッドの中にいる。


懸案だった薬に関しては、ハヤテ君は何の疑いも無く薬を飲んでくれた‥‥‥。牧村先生によると、この薬は服用してしばらくすると徐々に眠くなり、完全に眠ってしまうと身体と記憶が自然と元に戻るらしい。

しかしその副作用で幼児化した時の記憶は消えてしまう。これはもし記憶が残った場合、服用者に同じ時期の記憶が2つ残ることになり、今後の生活に支障をきたす恐れがあるからだという‥‥‥。


その説明を聞いて、私は仕方ないことだと思った。本当ならこの二日間のことを覚えていてほしかった‥‥。

けどその為にハヤテ君の今後を棒に振るなんてことは許されない‥‥‥。だから現実を受け入れようと決意した。




その時だった。




「ヒナおねえちゃんどうしたの?」




Part16「溢れだす思い」


「!!?」

ハッ!としてハヤテ君を見てみると、ハヤテ君は不安そうな表情で私を見つめていた‥‥‥。


「何もないけど、どうしたのいきなり?」

「だってヒナおねえちゃんのお顔がね、さっきからかなしそうにしているんだもん」

「大丈夫よ。だから‥‥‥、気にしないでね?」


ホントは全然大丈夫なんかじゃない。けど負けたくないという思いからか、ついつい見栄を張ってしまった‥‥‥。

けどハヤテ君にそれは通用しなかった。

ハヤテ君は私を胸に抱きしめるように体を動かすと、耳元でささやくようにこう言ったの‥‥‥。


「ウソだよ。僕はヒナおねえちゃんのそんなかなしそうな顔をみたくないよ。それに‥‥‥‥、泣きたい時に泣かないとわらえなくなっちゃうよ?」



その言葉は、『私』の中の何かが壊れる音が聞こえてきた。そして、気が付いたら私は目に涙を浮かべてハヤテ君に泣き付いていた‥‥‥。

生徒会長だとかそういうのは関係ない。今は一人の恋する女の子として私はハヤテ君に接していた。



Part17「約束」


「ヒナおねえちゃん‥‥‥、くっ‥‥‥くるしいよぉぅ」

「あっ‥‥、ゴメンね大丈夫? 痛かった?」



そう言ってハヤテ君と離れてまた横に並んだ状態でいると、ハヤテ君が何か顔を赤くしてもじもじした後、私に向かってこう言ったわ‥‥‥。



「あのね、ヒナおねえちゃん。ぼくね‥‥‥、おっきくなったらヒナおねえちゃんのことお嫁さんにしてあげるからそれまで待ってて!//」


「‥‥‥‥ええっ!?//」

ハヤテ君は顔を更に赤くして微笑みながらて私を見つめていたの‥‥。

思ってもいなかった。そんなに私のことを思っててくれていたなんて‥‥‥。

「ありがとう。それじゃ約束ね」


ホントは叶わないことだとは分かっているけど、でも僅かな希望くらい‥‥‥。

‥‥‥願ってもいいよね?


「「指きりげんまんウソついたら針千本飲~~ます!指切った!!」」


そして、ハヤテ君は薬の効果が現れ始め、「おやすみなさい」の言葉を最後に眠りについていった‥‥‥。


そして私はハヤテ君のパジャマを元のサイズの奴に着替えさせて、彼を自身の部屋である屋根裏部屋にある彼のベッドに寝かせたの。


そして全ての作業が終わったことをマリアさんと牧村先生に伝えると、私はあてがわれた部屋で眠りに落ちて今日が。そして、楽しかった二日間が終わった‥‥‥。



Part18「元の日常?」


翌日。

私が起きてキッチンに行ってみると、そこにはマリアさんと一緒に朝食準備をしているハヤテ君の姿があった‥‥‥。

私の姿を見て彼は驚いていたけど、そこはマリアさんが上手くフォローしてくれたから『この時』は助かった。



‥‥‥のは良かったんだけど、その結果。私はハヤテ君の仕事をマリアさんとお揃いの『メイド服』で手伝っていた‥‥‥‥。


メイド服を渡す時のマリアさんの顔は、お義母さんのソレと同じだったと思う。

たとえ違っていたとしても、これだけは言えるわ。


『絶対楽しんでいる』


そう思いながらふとハヤテ君を見てみると偶然にも顔が会った‥‥‥‥。


「「‥‥‥‥‥////」」


私はこの姿を見られていることによる羞恥心で。

ハヤテ君は多分情緒が小学生並みだから私と二人っきりでいることによる恥ずかしさの所為かは分からないけど、とにかく二人とも無言で顔を真っ赤に染めていた。

やがて何かを決心したような顔でハヤテ君が私の近寄ってこう言った。

「少しお尋ねしたい事があるんですけど、いいですか?」


(どうしたんだろう?)

考えても何も分からないので取り敢えず申し出を受けることにした‥‥‥。

そして、これが私の半生の中で最大の転機だった。



Part19「改変」


「いいけど‥‥どうしたの?」

ヒナギクは疑問符を浮かべながらハヤテに何が聞きたいのか聞いてみた。

ハヤテは少し思い詰もいながらも、やがて決心したようにヒナギクに質問した‥‥。


「実は一昨日頃から今朝までの記憶が無くて‥‥‥、それでマリアさんに聞いてみたんですが結局何も教えてくれなくて‥‥‥」

ヒナギクは「私なら何か知っているのでは」という続きを予想し、先に釘を打っておこうとハヤテに言おうとした。

しかし、ハヤテの質問の続きはヒナギクの予想とは大きく違うものだった‥‥。

「その‥‥‥。変わりと言っては少し難がありますが、‥‥‥僕が小さい頃に交わした『ある約束』の事が頭から離れなくなっているんです」

その言葉にヒナギクは少し動揺した。昨日までの二日間の記憶はハヤテには無いはずだと‥‥‥。

きっと初めて理事長と出会った時の約束だろうと思い、そのことを先に述べた。

「それで? 理事長との仲はそれからどうなの?」

「え? 理事長? 何で天王洲理事長さんが出てくるんですか?」

「!?」


真実は、その考えとは全く違うものだった‥‥‥。

人神様によるイタズラは、ハヤテの幼い頃の記憶で最も大切な部分を書き換える結果となっていた‥‥‥。


そして、ハヤテのその後の生き方までその影響は及んでいた。

それは、ナギとハヤテの出会いまでも‥‥‥。だからナギはハヤテのことを『執事兼恋人』ではなく、住み込みの『執事兼ボディーガード』として雇っていた‥‥‥。

ハヤテにあった借金はクリスマスイブに誘拐犯からナギを助けた礼として帳消しに、そして遺産相続にも関係は無くなっていた。


ヒナギクは頬をつねってみたが返ってきたのはこれが現実だということを示す痛みだけだった‥‥‥‥。



Final Part「告白」



それから少し時間が経って、ハヤテは顔を赤くさせながらも、その瞳はヒナギクをじっと見つめていた‥‥‥‥。


そして‥‥‥。

「ヒナギクさんのことが好きです! 僕と付き合って下さい!!」

ヒナギクに自らの正直な思いを打ち明けた‥‥‥。

ヒナギクは突然の事に少々戸惑ったが、大好きな人からの告白に拒否するなんて選択肢は無かった‥‥‥‥。

「私も‥‥‥貴方のことが大好きです!!」


そして昼過ぎの心地よい陽が照らす廊下で、二つの影が一つに重なった‥‥‥‥。


その様子を、遠くから見守る影が三つ程と、廊下の曲がり角から見つめる視線があったが二人はそれに気づくことは無かった。


「ハヤテ‥‥ヒナギク‥‥‥。‥‥‥おめでとう」

「あらあら、ナギったらいいのですか? 二人の仲を認めても?」

「別にかまわん。だがハヤテの仕事に支障がでたら話は別だがな!」

「はいはい。わかりましたよナギ」

「まさかこんなことになるなんて‥‥‥。でも、二人が幸せならこれでも別にいいっか!」


ナギとマリア。そして運命を改変させた主犯である牧村博士も二人に祝福の言葉を後に伝えた‥‥‥‥。



そして二人は更に多くの人からの祝福を受け、これからの未来に向けて歩みを始めた。


二人のこれからの未来に幸おおからんことを‥‥‥‥。


~End~


鍼灸院さん、長い間の執筆お疲れ様でした。
そして、公開をを了承してくださりありがとうございました。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://2ndbutlershun.blog60.fc2.com/tb.php/822-87145d7c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック