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こんばんは、セカコンです。
今日から3年生としての登校が始まりました、最後の一年間です。

クラス替えもなく、係は2年と同じ仕事になったので、
何だか新鮮みの欠けるスタートとなりましたww


明日からはさっそく授業が2時間入ってきて、
何だか最初からきつい体育とか・・・ありえねえってw

球技でもう明日はゲームだったら良いんだけどなぁ・・・。
たぶんそうなることを信じて、重い荷物を持っていきます。


さて、SSのお話。


SSの執筆が終わりまして、今日と明日でこのSSは完結です。
いよいよヒナギクの決断が迫られるときになってきました。

今回の目線は意外にも(?)雪路からでありまして、
姉から見たヒナギクを中心に今回は感じ取ってもらえれば良いなと思います。


ヒナギクと雪路・・・百合になるのかどうか。
・・・まあ、微笑ましい姉妹関係も同時に味わってくださいな。


それでは、vol.7をどうぞ。

~SELL 6 赤~


 ―――妹が誰かに恋してるなんて、分かっていた。


 (The Yukiji Side)


 春休みだから、平日でも休みが取れる日が続いた。だからか、私も実家に戻ってゆっくりとしていた。補習とかのことも考えなきゃいけないけど。
 といっても、ただ実家に帰ったわけじゃなくて。本当の両親が見つかって……今日、ヒナが会いに行ってきた。
 夕飯の時、私はそれについて訊こうと思ったけど……やっぱり、何だか顔色が思わしくないから聴き出すことは止めた。かわいそうだしね。


 「……そうですか、分かりました。ヒナに伝えておきます。」


 お父さんとお母さんから電話がかかってきた。……どうやら、ヒナには早めに決断しなければならないそうね。
 何だか今日はお酒が飲みたくない。……こんなこと、20歳以降で初めてかもしれないな……私。地球でも滅びるかもしれないわね。
 「ねえ、お姉ちゃん。」
 「……なあに、ヒナ。」
 後ろから私に話しかけてくる。ヒナだ。
 「今日はお酒飲まないんだ。」
 「……ちょっとね。一年に一回の……休肝日かな?」
 「なによ、一年に一回って。」
 「ちょっとお酒を最近飲み過ぎてるせいなのかね、最近二日酔いが激しくてさ……酷いと三日酔い? みたいな感じで。」
 「三日酔い……それはひどいわね。」
 「だから、今日は休肝日。たまには健康的な夜も過ごしたいからね。」
 「そう、なの……。」
 そう言うと、ヒナは後ろに組んでいただろう手を少し力を入れたことが分かった。何か持っているのか、でも聞かない。
 「紅茶でも入れようか?」
 「……うううん、いいよ。今日飲んできたから。」
 「じゃ、じゃあ……冷たい麦茶でも入れようか?」
 「うん。おねがい。」
 私は冷蔵庫で麦茶が入っているボトルを取る。ヒナがこちらを向いていないのを見計らって、手の方を見る。やっぱり何かを握っている。
 「そういえば、どうかしたの? 何か取りに来たの?」
 「うううん、そうじゃない。」
 「……そっか。」
 私は2つ、コップに麦茶を注ぐとキッチンのテーブルの方ではなく、ソファーの近くのテーブルの方にコップを置いた。
 「ちょっとくつろぎたくなっちゃったからね。補習で疲れちゃってさ……。」
 「補習……泉たちの補習の担当、お姉ちゃんなの?」
 「言わなかったっけ? 担任ってこともあるし……一応、3人組みたっての希望らしいから、仕方なく引き受けてあげたわよ。」
 「大変ね……変わった人に人望を持たれて。」
 「……これじゃ、夏休みみたいな倦怠ライフが送れないじゃない。」
 「でも、私はお姉ちゃんには……倦怠ライフなんて送らなくたって良いと思うけどな、ずっとね。」
 「それじゃあ、何だか今まで私がとても怠けてたみたいに感じるじゃん!」
 「……昔はそんなこと無かったのにね。」
 「……」
 途端に思い出した。たしかに……昔はギターとかもやってたし、今同僚だけどあいつとも何かと絡んでて、活発に毎日過ごしてた気がする。
 麦茶を飲んではあっ……とため息をつくと、ヒナギクも急に思わしくない表情になった。ヘタすれば覚えのないことで雷が落ちるかもしれない。


 「ねえ、お姉ちゃん。肩たたき券……使って良いかな?」


 そう言われて渡されたのは、しわくちゃな肩たたき券。そうか……さっき持っていたのはこの私が作った肩たたき券だったのか。
 「はい、いいですよ。」
 「……うん。」
 「……お客さん、どこら辺が痛かったり凝っていたりするんですか?」
 「よく分からない。まずは肩の部分を揉んで欲しいわ。」
 「かしこまりました。」
 私はヒナの後ろに回って、ゆっくりと肩を揉み始める。少し肩が凝っているように思えた。念入りに揉んでいく。
 「でも、お姉ちゃんの誕生日プレゼントを使ってくれるなんて、すごく嬉しいわよ。来年も肩たたき券で決定ね。」
 「えええっ、もう少し華のある物にしてくれたって良いじゃない。」
 「そう言ってるけど、本当は内心喜んでるんじゃないの? お姉ちゃんには何でもお見通しなんだからね。」
 「何でも、お見通し……?」
 リラックスしているように感じた肩は、更に力が抜けていくのが分かった。何かある……私はそう思った。


 「じゃあ、お姉ちゃんに……話すね。」


 何だかドラマチックな感じになっているんですけど、「えっ、何かあるの?」と非常に返事したい気分。でも空気的にそれは否定された。
 「今日、お父さんとお母さんに会ってきたんだ。」
 「うん……どうだった? 自分の思い出の中と同じだった?」
 「……うん。同じだった。」
 「そっか……。」
 「お父さんから全部聞いたの。私とお姉ちゃんを置いていった理由……。」
 「……そうなんだ。」
 「全部、私たちのためだったんだね。連れて行っても同じ目を二度遭わせることになる……だから、連れて行かなかった。」
 正直、私も当時……それを信じていたかったけど、あの借金取りの荒さはかなりのものだったことは、私はよく覚えている。
 何とかはなって、桂家に住んで……今の生活ができるのは奇跡的だと思った。あの時、親はこんなにひどい奴らから子供を置いて逃げた、そう思うほどだった。
 「ヒナは何も分からなかったもんね。」
 「えっ?」
 「私、桂家に引き取られるまでは……本当にこのまま生きていけるのかなって、すごく未来に絶望を感じたの。」
 「お姉ちゃん……。」
 「でも、お姉ちゃんは……未来に目をそらすことはしなかったわ。妹であるヒナ、あなたがいたから。」
 「……」
 「お姉ちゃんはいつでもヒナのことを見守ってるわよ。もうこっちから聞くけど、お父さんとお母さんが理由で何か悩み事でもあるんじゃない?」
 「……う、うん。」
 素直に返事をした。やっぱり……お父さんとお母さんが絡んでいるのね。
 「どうかしたの?」
 「……私、好きな人がいるの。」
 「……は?」
 「だ、だから! 私……今、好きな人がいるんだって!」
 「……今年最大の衝撃を受けたわね。」
 まさかとは思ってはいたけど、ヒナには好きな人がいる……時代はどんどん変わってゆくものなのね。今、改めてそう感じたわっ!
 「ちなみに、だれ?」
 「……あ、綾崎ハヤテくん!」
 「……あの少年がヒナギクに手を出しちゃったのかぁ。」
 「出してないわよ! それに……そ、その……告白したのは私だし、それで付き合ってるっていうか、なんていうか……。」
 「へえ……気づかないところでヒナもそういうことしてたんだ。」
 「う、うん……。」
 ヒナは力なくそう答える。本当なら嬉しいはずなのに……なんで、少し残念そうなんだろう? 私だったら嬉しいはずなのに。


 「……本当に悩んでいることは綾崎くんに関係しているんじゃない?」


 肩を揉む手を止めた。そうするとすぐにヒナギクの体が、僅かではあるがぴくっと震えた。私の予想は見事に当たっていた。
 「……だって、だって……。」
 「……?」
 「お父さんとお母さんとハヤテくんは……同じぐらいに大切な人だから。どっちからも離れたくないんだもん……。」
 「離れたくない、か……。」
 「も、もちろんお姉ちゃんも同じだよ。お姉ちゃんも同じぐらい大事だから……もう一緒に住んでないけど。」
 「……ちょっと抱かせてもらうわ。」
 「えっ?」
 私はヒナを後ろからそっと抱いた。いつしか抱いたときよりも……ずっと大きくなっていた。
 「私はこんな風に抱いて欲しい人がいないんだよね。」
 「どういうこと?」
 「……そこまで深く好きでいられる人がいないってこと。そばにいてほしい人が……特別にいないってこと。」
 「……」
 「もちろん、ヒナは特別。」
 「お姉ちゃん……。」
 「私なんて……そんな男がいたらどれだけ良いと思うか、しみじみ思うわよ。もう29だし……。」
 「もうすぐで三十路なのね。」
 ぐさっ! あぁ……何だか久しぶりに痛い言葉を食らった気がしたわ。アラサーと言ってもらった方が少しオシャレな感じがした。
 「そ、その言葉は止めてほしいわ……。」
 「ふふふっ、でも……どっちとも離れたくない。……どうすればいいのかな。」
 「……私だったらもう、好きな人の方をとるわね。」
 「えっ?」
 「あくまでも私だったらの話ね。別に無理に今の生活から変える必要もないし、せっかく仲良くやってきた友達と離れるのも嫌だしね。ましてや……好きな人がいるなら、私は絶対にここを離れたくない。」
 「……」
 「好きな人ができたことは、きっとお父さんもお母さんも喜んでくれると……私は思うんだけどな。」
 「どうして?」
 どうして……私もはっきりと言ってその答えなんて知らない。恋愛経験皆無の人間の私が考えたその答えはこう。


 「それだけヒナが大人になったってことなんじゃないかな……。」


 皆無……と言っても、付き合うことに関しては。実は、少しだけ気になっているヤツがいる。そう思い始めたのは自分が大人になってからなの。
 「大人になった……?」
 「10年前に捨てられてずっと会いたかった両親よりも、好きな人と一緒にいたい。それはとても強い気持ちがなければいけないと思う。」
 「……」
 「大人……って言葉がおかしいかもしれないけど、私はそういう強い気持ちを持った人の気持ちを聞けば、もう否定なんてできないな。」
 「でも、ハヤテくんにもう……さようならって言っちゃったよ。」
 「……そんなの言葉の上だけでしょ?」
 「どういうこと?」
 「今だって変わってないんでしょ? 綾崎くんのことが好きな気持ちは。」
 「……うん。でも、お父さんとお母さんとこれっきり……もう永遠に会えなくなっちゃうって思ったら、どっちを選べばいいのか分からなくなっちゃって……。」
 「そう、か……。」
 どうやら、ヒナの選択できる2つの選択肢は……どっちも大切に違いない。それを私が強要してどちらかに進めることは決してしちゃいけない。
 でも、ヒナはその苦しみから解き放たれたい……だから、私に話をしてきた。私は、次にどんな言葉をかけてあげればいいんだろう?


 「明日、お父さんとお母さんに返事をしなきゃいけなくなったの。」


 それは良い言葉だったのか。私は悩んだ。ヒナはそれ以降……何も言えなくなった。私はヒナを抱きしめていることしかできていない。
 「早すぎるよね。ヒナ。」
 「……」
 「……ごめんね、頼りないお姉ちゃんで。」
 「……うううん。いいよ。」
 「決められなかったら、その……お姉ちゃんと2人でまた暮らしてもいいんだからねっ!!」
 「……」
 しまった……何てことを言っちゃったんだろう。給料はお酒とかで消えてるし……絶対にヒナに苦労をかけてしまう!
 「ありがとう、お姉ちゃん。」
 「……ヒナ、その、ね……。」
 「私、お姉ちゃんがお姉ちゃんで本当に良かったわ。……私、もう……お父さんとお母さんと一緒に暮らすことに決めた。」
 「本当にそれで良いの?」
 「ハヤテくんにも……ナギやハル子にも言っちゃったから。それに、4月からだなんて新生活にはもってこいの季節じゃない。」
 「まあ、そうね。3月は別れ……4月は出会いって言うもんね。」
 「うん。」
 「……ヒナの答えなら、私は否定しないよ。」
 「ありがと。少しは顔出してよね。」
 「……うん。」
 そう言うと、ヒナは私の抱きしめる手を解いて静かに立った。私にかすかな微笑みを見せると、リビングから出て行った。
 その背中は……絶対に決断したって感じじゃなかった。きっと綾崎くん達にも今みたいに言っただけで本当は……。


 「……本当に頼りないお姉ちゃんだな。」


 否定したかった。……綾崎くんのことを話しているヒナの声はとても元気そうだったから。その気持ちをねじ伏せて欲しくないから……。
 その瞬間、家の電話が鳴った。私がすぐさまに取った。……その電話で、どうやらヒナの決断をはっきりさせる舞台ができたようだ。


 私にできることは、ただ一つだけ。ヒナにそのことを知らせることだけだった。


最終vol.8に続く。ついに自分の気持ちをはっきりさせるときが来る。
思いを伝えた先にヒナギクが見た物とは・・・。



☆コラム☆


今回の色は赤。
赤・・・もうこれはヒナギクの髪の色じゃないですか!?

赤と黒ってけっこう会うんですよね。
灼眼のシャナの中でたしか悠二がそんなセリフを言っていたような、いなかったようなw


ついに、次回で最終回。
本当の両親かハヤテか・・・どちらを選ぶのか。

何だかムリヤリ感もあるんですが、
そんな最終回もぜひ楽しみにしてもらえると幸いでございます。


それでは、失礼します。
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