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こんばんは、セカコンです。
甲子園の決勝戦、最後まで全部観てました。

興南 vs 日大三。
1点を争う好試合は5対5で延長に入りました。

延長12回表、興南が5点を勝ち越してゲームセット。
日大三高もかなり強かったのですが・・・一歩及びませんでした。

やはり高校野球は良いですね。点を取られてもすぐに点を取り返す。
そんな展開が2,3回あって本当に目の離せない試合だった気がします。


今日は咲夜の誕生日でありまして。
去年のように誕生日記念SSでも書ければいいと思っていたのですが、

今年は今作の執筆や色々とリアルな方でありまして、
今日はSS『虹』vol.6をお送りしたいと思います。


この場をお借りして、お誕生日おめでとうございます。


さて、SSのお話。


ヒナギクの両親・・・基本、父親しかセリフはありません。
口調も悩んだのですが、最終的にこんな風に仕上げました。

また連れていなかった理由も、まだ原作では明かされていないのですが、
色々と考えて、こんな風にしておきました。


色々と「こんな風」がありますが、
全ては今回の部分にちゃんとありますので楽しんでください。


それでは、vol.6をどうぞ。

~SELL 5 橙~


 ―――真実はあっけなかった。


 (The Hinagiku Side)


 明日、私は10年前に私を捨てた両親に会う。私はまだ会うかどうか決めていなかった。でも、三千院家でのあの出来事で私は会う決心がついた。
 「ただいま。」
 「おかえり、ヒナ。答えは見つかった?」
 「う、うん……。」
 お姉ちゃんが出迎えてくれた。ナギに相談してみると言って出かけたので、お姉ちゃんはそう勘違いしている。
 「明日、お父さんとお母さんに会ってみることに……してみる。」
 「そう。きっと喜ぶと思うわよ。」
 「……お姉ちゃんは会いに行かないの?」
 「……私は仕事があってね。それに……ヒナ一人の方が、甘えることができるんじゃない?」
 「甘える……って、明日はただ会って話すだけよ。」
 「ごめんごめん。」
 「……お父さんとお母さんの顔、ちょっと忘れちゃってるから……明日見つかるかしらね?」
 「そうね……でも、見れば案外思い出せるものよ。」
 「そうかな?」
 笑顔を作ろうとして必死だった。会う理由というのは……ハヤテくんにもう会わないっていうことなのに。本当は泣きたい、今すぐ。


 「部屋で本でも読むわ。」


 何て言って……その場を離れようか必死に考えて。挙げ句の果てに出たのがその言葉だった。お姉ちゃんは「あっ、そう」と言ってリビングに戻った。
 「……はあっ。」
 やっとつけるため息は、少し気が楽になった。私は自分の部屋に戻る。夕日が差していて、とても部屋の中は橙色に染まっていた。
 「綺麗ね……。」
 もはや、私の心を落ち着かせてくれるのは……こうした綺麗な空や、何気ない空気の清々しさしかなかった。
 窓を少し開けると、少し涼しげな空気が入ってくる。とても気持ちよくて……全てを忘れられそうな気がした。携帯電話が震えていた。』
 「えっと、泉からだ。」
 携帯電話を開いてメールを見る。すると、何だか焦っているような顔文字が一番最初に目に飛び込んだ。中身を読むとどうやら補習のことらしい。


 『ヒナちゃん、勉強教えて~ 補習大変なんだよ~(><)』


 顔文字を入れるところが泉らしいと言ったら泉らしい。そういえば去年も補習をやっていたような気がした。
 あっ、お姉ちゃんの明日ある仕事って……泉たちの補習のことだったのね。大変ね、お姉ちゃんも。でも、お酒ばっかり飲んでるんだからいいんじゃないの。


 『色々と用事あるからごめんね! 頑張って!』


 シンプルにそう返信しておいた。すると、そんなときの返信もまた早くて……かわいい叫びが返ってきた。微笑ましい。
 「……まったく、ちゃんと勉強しなさいよね。」
 届くはずもないのに、そんなことを言ってみたり。でも、今の言葉は言えて……何であの時、私は言えなかったんだろう。
 遠くに見える夕陽が揺れ始めた。……あれっ、また……泣いてるの? 私って、こんなに泣き虫だったかな?
 「ハヤテ、くん……。」
 昔……6年間一緒に過ごした本当の両親と、1年間ちょっと一緒に過ごしたハヤテくん。どっちかなんて……選べないよ。
 そして、私はその後……何をしたのか。はっきり覚えていない。でも、時間だけが去っていき、翌日……ついに会う日になった。



 その日もとてもよく晴れていた。



 こういう私生活で会いに行って話すことはあまり多くない。学校関係なら制服を着ればそれで済んだ。でも、今回はプライベート。何を着ようか迷っていた。
 久しぶりに会うんだから、少し高い服を着ても良いかもしれないし……あえて、普段通りのカジュアルな格好でもいい気がする。
 「まあ、これでいいかしらね。」
 私はカジュアルな格好の方を選んだ。一応、大人の人と会うから少し抑えめな感じに着こなしてみた。
 それに、会う場所が場所だったから。


 「いらっしゃいませー!」


 と、かわいらしい女性の声がする。私が良く親しんでいる友人の声。軽いツインテールの女の子が私の側に駆け寄ってくる。
 「ヒナさんじゃないですか。」
 「うん。」
 「……今日はどこかへお出かけですか?」
 「うううん、ちょっとね……今日、ここで人と会うことになっているの。」
 「ハヤテくんかな?」
 「違うわよ。」
 「……あれっ、ケンカでもしちゃったのかな?」
 「……まあ、そうしておいて。」
 目を少し嫌らしくして、私が席に座っても側に寄ってくる。ちなみに歩は私とハヤテくんが付き合い始めたことを知っている。
 「へえ、不仲になっちゃったんですか。」
 「……何で面白そうに聞くのよ。」
 「そうしたら、私がハヤテくんにアプローチしちゃおうかな……なんちゃって。」
 「もう先客がいるから、そっちに聞いてよ。」
 「……な、何でそんな言葉が飛び出るのかな。分かんないよ。」
 「……いや、ちょっとハヤテくんにきつく言っちゃったから、もう……他の人と付き合っているかもしれないって、暗く考えてただけ。」
 実際は……私の方からもう会えないかもしれないなんて、誰にも言えない。どっちも知っているのは、ナギとハヤテくんとハル子だけ。
 「いくら何でもそれはないと思うよ。ハヤテくんから他の女の子と付き合うことなんて、たぶんないから安心して。」
 「うん……そうだよ、ね?」
 でも、ハヤテくんの隣には……ハル子が立っていた。ナギと張り合っていたんだから、ハヤテくんのことをそれだけ……。
 「……ところで、誰と会うのかな?」
 「えっと、その……好きだった幼稚園の先生、かな?」
 「へえ……良いですね。」
 「別にそんなことないわよ。でも、会えるって……お姉ちゃんに言われて。それで、嬉しくなっちゃって……。」
 「そうなんですか……それじゃ、私はお邪魔かな?」
 「……」
 実際はいなくなってほしい。でも、そんなことを言えるはずがない。だけど、そんなときに……マスターが意外な一言を歩に呟いた。


 「ごめんね、歩ちゃん。これから貸し切りにするの。それで、歩ちゃんなしでも大丈夫だと思うから帰って良いわよ。」


 こんな話し方だけど、一応「マスター」と呼ぶから男性ね。そう、そんな一言を歩に言ったの。
 「貸し切り……ですか?」
 「ええ、いつもお客が入らないんだけど……今日は珍しく、ここを貸し切りにしたいって言ってきたの。たぶん、ヒナギクちゃんと会う人だと思うんだけど。」
 「へえ……そうなんですか。」
 「その人達、静かな場所でお話がしたいらしいから。だから、歩ちゃんも今日だけは早めに帰ってもらうけど、いいかしら?」
 「全然構いませんよ。」
 「それじゃ、今日はお疲れ様ね。」
 「はい、お疲れ様です。じゃあね、ヒナさん。」
 歩は素直に納得したようで、更衣室の方に入っていく。マスターは私に水を差しだした。
 「わざとあんな嘘を……?」
 「……まあ、本当は他の誰にも聞かせたくないそうだけど。」
 「そう、なんですか……。」
 「でも、私は聞き耳を立てるわけじゃないし……安心して話してもらっても大丈夫。一応、歩ちゃんには帰ってもらうけど……。」
 「そっちの方が私も気が楽になると思います。その……ありがとうございます。」
 「……じゃあ、私は厨房の方にいるから……。」
 マスターは厨房に戻って、その後すぐに歩は店を出て行った。私一人の時間が10分ぐらい続いただろうか。
 一切、携帯が鳴るわけでもない。何かを作る物音すらしない。ただ時計の長針が動く音が鳴り響くだけ。


 「いらっしゃいませ。」


 マスターの一言で、私は振り返った。ちゃんとした服を着た男女が、店にやってきた。この2人が私の本当の両親なのか。
 「こちらの席で……ヒナギクさんもお待ちしています。」
 男性……いや、お父さんが丁寧に礼をして私の向かいに男女が並んで座って、私たちはお互いをしっかりと見た。
 「あなたたちが……私の父親と母親ですよね?」
 「……ああ、そうだよ。」
 「……大きくなったわね、ヒナ。」
 10年間の時を経て……両親はどんな心境の変化だったのだろう。それに、今更何で会いたがったのか、真っ先に聞きたいのがそれ。
 「紅茶と洋菓子のケーキをお持ちしました。」
 マスターのおかげなのか、私はとりあえず落ち着く余裕が生まれた。紅茶の香りが私の心を幾分、落ち着かれてくれる。


 「10年前……本当に雪路とヒナギクには悪いことをした。」


 お父さんが口を開いた。10年前……私は今会っている両親に8000万円という大きな額の借金を押しつけられた。一応、お姉ちゃんのおかげで何とかなったけど。
 「私の情けなさばかりで、な。」
 「……別に良いですよ。あの後……お姉ちゃんと少しの間、2人だけの生活をしました。でも、それなりに楽しかったですから。」
 「楽しかった……?」
 「お姉ちゃんのおかげで借金は何とかなったことは覚えていますね?」
 「……ああ。」
 「色々と苦労して、桂家に引き取られて……今、私は楽しく高校生活が送れています。」
 「そうか、それは良かった。嬉しくて何よりだよ。」
 「お姉ちゃんは白皇学院の教師をしてて、私も……白皇学院で生徒会長やってるんです。色々と面白い人たちと。」
 「それは知っているよ、色々と耳にしてるからな。」
 「そうですか……。」
 何でだろう、話すことが楽しい。これも……本当の両親が相手だからなのだろうか。お父さんは嬉しそうな顔をしている、お母さんも同じだった。
 「あの時……母さんと2人で逃げているときは、雪路とヒナギクの2人も連れてくれば良かったと後悔ばかりしたよ。」
 「えっ……?」
 「雪路がもう18歳だから大丈夫だろう……そう思って、2人を置いていったんだ。」
 「……な、なんですって?」
 「それに……新しい場所を開いても、娘2人を養っていける自信がなかったから、あえて2人を連れて行けなかった。」
 「新しい場所……?」
 お父さんは紅茶に角砂糖を1個入れ、一口飲んだ。合わせで置いてあるケーキも一口食べて、お父さんは話し始める。お母さんは全てお父さんに任せてあるように、ただ少し下を向いているばかりだった。
 「覚えているだろ、この店みたいに……喫茶店をやっていたことを。」
 「覚えています。幼稚園から帰ってくると、いつもあなたはここにいたこと。お客さんと語らっていたことも。」
 「ああ。あの時は実に楽しかったよ。」
 「でも……それなのに、どうして……8000万円ものの借金を貯めることになったんですか! 覚えている限りでは、そんな表情すらなかったのに……!」
 お父さんは黙り込んだ。私は一口紅茶を飲んで、お父さんの答えを待つ。お母さんが何か答えたがっていたように思えた。
 「……私はお客さん重視に営業を進めてきた。」
 「えっ?」
 「普通は少なくても、営業をしていくために利益を考えるものだろ?」
 「そう……ですね。」
 「でも、私と母さんの目指していた喫茶店は……お客さんがいかにして喜んでもらえるか、そればかりを考えていた。」
 「でも、それなら……普通に良い方法はたくさんあったでしょう!」
 「……今ならその方法が分かった。でも、当時の私と母さんは未熟だったのか……『低価格』という答えしか見つからなかったんだよ。」
 「……! ま、まさか……それで利益がとれなくなって……。」
 「ああ、お客さんの量は多かった。でも、利益が生まれなければ話にならない。お客さんの量が多くなるほど、店側の負担が積もっていくだけだったのさ。」
 「……」
 何も答えが出ない。「私たちは情けなかった」というのはこういうことだったのね……今思うと、夢ばかり見ていたんだと分かった。
 「そこで、私たちは……いわゆる、闇金にお金を借りた。営業方針を変えていくためだけの最低限の資金だ。でも、闇金というばかりだから……利子率が大きかった。すぐに……8000万円の借金が出来上がったんだ。」
 「……たしかに、お姉ちゃんは危険な目に遭っている……そう言っていました。闇金……相手がそこだったからですね。」
 「……私たちは怖くなった。このままだと、2人は……もしかしたら利用されるかもしれない。それが怖くて、私たちは逃げ出した……。」
 「……! でも、何とかしたのは……お姉ちゃんなんですよ! あなたたちは……自分自身に結局決着をつけなかった!」
 「……だから、10年経った今……謝りたくて、会いに来たんだよ。本当に……申し訳なかった。」
 お父さんとお母さんは深く頭を下げる。たぶん、これが……今できる精一杯のことだったんだろう。


 「それが連れて行けない理由なら、やっぱり連れて行ってほしかった! あの時の寂しい気持ち……今でもとてもつらかったんだからっ!」


 許せるわけがない。連れて行けない理由が……そんなことだったなんて、これだったら知らない方がよっぽどマシだった。
 そんな風に思っていた私だったが、お父さんはまた口を開いた。
 「……今、喫茶店をまた始めたんだ。」
 「えっ……?」
 「地方の方で……今度はちゃんと周りの力も借りて。……10年間かけて、やっと……ヒナギクを養える自信が出てきたんだよ。」
 「……」
 「逃げているときにも思ったことは、喫茶店はどこかでまた開きたい。それだけだった。でも、今のままでは……ヒナギクと雪路には再び同じ目に遭わせてしまうことになりかねない。だから、私は二人を連れて行かなかった。」
 「……」
 「その後、すぐに桂家に引き取られたことを知ったときは……安心したよ。私と母さんは新しい喫茶店を始めることに専念した。」
 「娘のことを放っておいて……ですか?」
 「それも……私たちの情けないところだ。でも、私たちは必死に努力して……今、また……昔みたいなお店が開けているんだ。」
 「それは何よりです。」
 「……勝手で申し訳ないんだが、4月から私たちと一緒に住む気はないか? この10年間を決して全て埋められないが、少しでも……ヒナギクと楽しい時間を過ごしたいんだ。」
 「……」
 突然言われても答えられるわけがない。確かに連れて行けなかった理由は、筋の通ること。私とお姉ちゃんの事を考えてくれることは分かっている。
 でも……私を養える自信ができたからって、急に「一緒に住んでくれ」と言うのは少し急すぎないか……私は意外と冷静にそう考えた。


 「少し考えさせてもらえませんか。」


 それが今の私の最良の返事であり、また……逃げ道でもあった。お父さんとお母さんは快く頷いてくれた。
 「突然なのに、話せることができてとても嬉しかったよ。」
 「……私も、久しぶりに会えて……正直二度と会えないかと思っていました。」
 「私もだよ。」
 「……」
 「また、連絡を桂家にするよ。近いうちに……答えを聞かせてもらうから。」
 「……はい。」
 「良い返事を……期待しているよ。」
 話している間に、紅茶とケーキは全て食べ終わっていた。お父さんとお母さんはマスターにお金を払うと、すぐに喫茶店を後にした。
 私はそのまま家に帰って……自分の部屋に入った。そのまま……ベッドに身を投げると、3人の表情が浮かんで止まない。


 「誰と一緒にいたいかなんて……分かんないよ。」


 お父さんとお母さんとも一緒にすみたい気持ちもある。でも、それより……ハヤテくんと一緒にいたい気持ちもそれと同じぐらいにある。
 人間って……何て欲の強い生き物なんだろう。私は2つの欲に揉まれて……気づけばずっと泣いていたのであった。


vol.7に続く。置き去りにされた理由は自分たちの安全を第一にしたこと。
2つの選択に悩むヒナギクのことを、雪路は後ろから見守る。


☆コラム☆


橙色ですね。
・・・だいだいって『橙』←こう書くんだね。


ヒナギクはついに本当の両親と会いまして、
自分が置き去りにされた理由が一応、このSSではこのようにしておきました。

本当のお母さんも大好きだったというセリフが、
原作にあったので、理由はヒナギクと雪路のことを第一に考えた設定にしました。


ちょっとこれ以降の部分は現在執筆&校正中なので、
もしかしたら明日、続きが公開できないかもしれません。

このSSも・・・色々と考えて、
ここまでこれて・・・ラストスパート頑張りたいと思います。


それでは、失礼します。
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