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こんばんは、セカコンです。
昨日も今日も風がすごく強かったですね。

この季節の変わり目に、春の嵐がやってきて・・・。
幸いにも桜がたくさん散ってしまった所はなかったようです。


昨日と今日、「けんぷファー」というアニメを全部観まして、
漫画だけは持っていたのですが、やはり面白かったです。

生徒会長がやっぱりいい。
あのキャラがいるからまともなアニメになっている気がする。

ナツルの声がワタルの声と一緒で男の時はワタルとそっくり・・・。
ハラキリトラが昔のしずかちゃんだったことに、最初はめちゃくちゃ吹きましたw


それでは、SSのお話。


今回はこのSSでもっとも修羅場なところ。
それぞれの思いが強い気持ちに乗って飛び交っていきます。

実際にこういう部分が原作にあるのかなぁ。
・・・誰と誰がこういう言い争いをするのかが謎ですね、うん。


それでは、vol.5をどうぞ。

~SELL 4 黄~


 ―――何も気づくことができなかった。


 (The Hayate Side)


 あの後、僕は千桜さんのご厚意に甘えさせてもらって、夕飯をごちそうになった。そして、一緒に寝た。僕は抱かれる形になった。
 千桜さんは僕のことを好きだと言ってくれた。だから、千桜さんの思うように僕は応えたつもりだった。


 『おまえ、何で千桜の家にいるんだ?』


 肝心なことを忘れていた。自分を弁護するようにしか聞こえないかもしれないけど、あの時はヒナギクさんに振られたことと、千桜さんにキスされたことしか胸に残っていなかった。当然、お嬢さまのことは一つも考えていなかった。
 電話口の向こうのお嬢さまはすごく怒っていた。僕もそろそろ戻ろうかと思っていたのだが、どうにも戻りにくい状況となっている。
 「千桜と一緒に屋敷へ帰ってこい、いいな?」
 「……分かりました。」
 ただ低い声でそう言われる。電話が突然切られたときは、少し体が震えた。よく考えればそうだ、何も言わずに千桜さんの家に泊まったんだからお嬢さまが怒るのは無理ないんだ。

 「ということで、千桜さん……一緒に屋敷まで来てくれますか?」

 千桜さんは快く頷いた。これから、とてつもなく辛いことを言われるのを分かっているのかもしれない。その時の表情は真剣だった。



 三千院家。



 恐る恐る玄関を開けると、そこにはマリアさんが立っていた。マリアさんの表情も相当焦っているようで、僕の顔を見た瞬間に目の前まで来た。
 「良かった……無事だったんですね。」
 「は、はい……無事ですが、何か?」
 「いえ、お嬢さまも……今は相当怒っていますが、昨日の夜はとても心配されていて……とりあえずはケガもなくて私は安心しています。」
 「そうですか……すみませんでした。」
 「あなたが千桜さんですか?」
 「は、はい……。」
 マリアさんは僕の方を向かず、千桜さんの顔を見ていた。ちらりと僕のことを見ると、マリアさんは分かったような表情で話し続ける。
 「相当な覚悟でナギの部屋まで行ってきてくださいね。」
 「ど、どういうことですか?」
 「……それだけ、ナギはあなたたちのことを思っているからですよ。私は部屋まで案内しますので。」
 さすがのマリアさんでも、やはり何も言えないのだろう。そして、僕もそれだけの覚悟を持たなければいけないことは分かっていた。
 マリアさんに案内されて、ノックをするとお嬢さまの返事が聞こえる。今の声も相当低い声で正直恐い。ドアを開いた時点で僕は入らなければならない。

 「行きますか、千桜さん。」
 「……そうだな。」

 失礼しますと告げて、僕と千桜さんは部屋の中に入っていく。お嬢さまは僕の顔をすぐに見てくれた。でも、目つきは相当きつかった。
 「……昨日は楽しかったか?」
 「……」
 「ちょっといいか、ナギ。これは私に責任があって……。」
 「千桜は黙ってろ。」
 お嬢さまの気迫に千桜さんも完全に押されている。足を一歩引いてしまうほどである。お嬢さまの言葉は続く。
 「どうして、お前は千桜の家にいるんだ? どうして、お前は……私に何も言わなかったんだ?」
 「……そ、それは……何とも言えません。」
 「なんだって?」
 「ただあの時は……色々と気持ちの整理が付かなくて、お嬢さまに断りの連絡を入れるのを忘れてしまったんです。全て悪いのは僕です……本当に申し訳ありませんでした!」
 「……そんなことが理由になると思っているのかっ!」
 「で、でも僕は……!」
 「ふざけるな! おまえは私の執事なんだぞ! どれだけ……お前からの連絡がなくて心配したと思っているんだよ!」
 「本当に申し訳……ありませんでした。」
 僕は心から謝って……頭を深く下げた。千桜さんも僕と一緒に謝ってくれた。でも、ナギお嬢さまの怒りは治まることはない。
 「マリアまで心配かけさせやがって……本当に。……それについてはもういい、許してやる。」
 「……ありがとうございます。」
 「でも、これからが本当に怒りたいところだ。なんで……今、おまえは千桜を一緒に連れてきたんだ?」
 「……えっ?」
 何を訊いてくるんだろうか、お嬢さまは。お嬢さまは電話でそうしたから……ただ、それを守っただけなんですよ?


 「なんでヒナギクを連れてこないんだよ!」


 お嬢さまの怒りたい核の部分が分かった気がした。ヒナギクさんだ……きっとそれに関係しているんだ。
 「ヒナギクさんを連れてこない……どういうことですか?」
 「……おまえ、ヒナギクと付き合ってたんだろ?」
 「……」
 「何で千桜と一緒にいるんだよ。何で……千桜の家に電話したらお前がいて、それで一緒に来ることができたんだって訊いてるんだ、私は!」
 「そ、それは……。」
 「まさかお前は……浮気しているのか?」
 「……!」
 浮気……そんなこと絶対にするはずがない。僕も少しずつ頭の中で怒りが増してきた、そして僕も怒った。
 「浮気なんてするわけないじゃないですか! 僕は……ヒナギクさんに振られただけなんですよ!」
 「……」
 「僕がそれで悲しんでいるときに、千桜さんは……真摯に話を聞いてくれたんですよ、僕のことが好きだったから! そのことの……何が間違っているんですか!」
 「綾崎くん、落ち着いて……。」
 「落ち着けるわけないじゃないですか、いくらお嬢さまでも……そんな風に言うのは僕だって許せません!」
 でも、僕が怒っている本当の理由は? 自分を悪く言われたからか? 千桜さんを悪く言ったからか? 分からなかった。
 「僕はただ……その千桜さんの良心を受け取っただけなんですよ。」
 「……」
 「僕にだってある。悲しいときに……誰かにすがりたい気持ちが。千桜さんは僕に対して……すがっていいって優しく言ってくれたんです。」
 「……そうか。」
 小さくそう言う。お嬢さまに伝わったのか……でも、終わらない。
 「でも、ハヤテ。それは……ヒナギクも同じなんだよ。」
 「えっ?」
 「……それを感じているのはヒナギクなんだよ。……おまえはどういう風に言われて、ヒナギクに振られたんだ?」
 「……神経が細い人間、あなたみたいな人は嫌いだから付き合いたくないって。」
 「……納得だな。」
 「どういうことですか?」
 「目の前の言葉しか受け取らないで……何も考えられない。『嫌い』だって言われたら、それだけで落ち込む。」
 「……何が言いたいんですか?」
 何だか、ナギお嬢さまの方が一枚上手のような展開が続いているのは気のせいだろうか。でも、次の瞬間……衝撃的な言葉が飛び出るのである。


 「ヒナギク、もう……お前には会えないんだよ。」


 もう“会えない”……? 僕の中にその言葉はリンクしてこない。でも……表情は見えていた、1週間前のあの時。
 「会えない……?」
 「私がハヤテと別れて、一人で屋敷にいるとき……携帯で相談を受けたよ。本当の両親が見つかって、一緒に住むかどうか迷っているって。」
 「そ、そんなこと……。」
 「きっと悩んでたんだろうな。本当の両親と一緒に過ごすか……おまえと会える今の生活、どちらかを選択するのかを。」
 「……僕、そんなの……聞いてない……。」
 「そんな言葉は通用しないぞ! おまえがこれまで……ヒナギクと一緒に勉強をすることとかを許可しているのか分かってるのか?」
 「……」
 「相手がヒナギクだからだよ!」
 「……!」
 相手がヒナギクさんだから……僕は許されたのか? だったら……今、僕の隣にいる千桜さんだと“許されてはいけない”のか?
 「ヒナギクは前からハヤテのことが好きだって知ってて、それに……ハヤテはヒナギクを意識していたことは分かっていた! 付き合い始めたって聞いたとき、私はショックだったよ。でも……ヒナギクとだから私は快く許せたんだ!」
 「……僕は、その……。」
 「でも、なんだよ! 何で……ヒナギクが悲しんでいるのに気づかなくて、ましてや千桜と一緒にいるなんて……言語道断なんだよ!」
 「……」
 反論できない。お嬢さまの言うことは納得いかないように聞こえるけど、実はそれは全て正しいことであることは心のどこかで分かってはいたんだ。


 「今のお前はヒナギクだけじゃない、私までも裏切ったんだっ!!」


 今日一番の叫びは、僕の心に突き刺さる一言だった。嫌いと言っていたのにどこか僕に気づいて欲しかったということは、あの時の表情を思い出せば今は分かった。
 でも、あの時は気づけなかった。……実質、お嬢さまの言う「裏切り」を僕はしたことになるんだ。
 「……綾崎くんにそこまで言う必要はないだろ?」
 「千桜さん……。」
 「ヒナギクだって、その……心配かけさせたくなくて、あえて話さなかっただけなんじゃないのか?」
 「何が言いたいんだ? おまえは……。」
 「今のナギの話を聞くと、全てが綾崎くんの落ち度が原因になってる。それをナギは一方的に攻めているようにしか思えない。私は……今のナギの方が許せない。」
 千桜さんは脚を震えさせながら、必死にお嬢さまに話した。千桜さんは必死に僕を守ろうとしている。でも、お嬢さまは負けなかった。
 「何だと……私の何が悪いというのだ!」
 「だってそうだろ! 何で綾崎くんにヒナギクが本当の両親と一緒に住むかもしれないことを話さなかったんだよ!」
 「……そ、それは……。」
 「おまえの良心だろっ! 心配かけさせたくない……それをヒナギクはナギに話す前から感じているんだよ。」
 「……」
 「……それに、私は……綾崎くんがどうなろうと諦めない。私はずっと好きで居続ける。」
 「……!」
 「おまえの根本的な怒りの理由がようやく分かったよ。」
 千桜さんの言うことは……僕にとっても相当な刺激となった。今から言うことは、僕がまた気づいてあげられなかったことなんだから。


 「綾崎くんをヒナギクに奪われたって勝手に感じてるからだ!」


 そう、ヒナギクさんと同時に……千桜さんも。そして……ナギお嬢さまも僕のことが好きだったから。
 そして、今の千桜さんの叫びの所為なのか……部屋の外で何か物音がする。それはこの部屋に近づいてきて、そして……。


 「もうやめてっ!!」


 ドアを思い切り開いて、僕は振り返った。……泣いているヒナギクさんだった。
 「もうやめて……ケンカなんてしないで。」
 「ヒナギクさん……。」
 「そう、私は本当の両親に会うチャンスがあって……もう決めたの。遠いところで、一緒に暮らすことを。」
 「……そんな……。」
 「……だから、もうケンカなんてする必要ないよ。千桜でもナギでもいい、ハヤテくんを支えてあげて。」
 「ヒナギクさん、僕は……!」
 「……直接言えなくてごめんね。私、だから……さようなら!」
 走っていくヒナギクさんを僕は追いかけようとした。でも、千桜さんが僕の腕を思い切り掴んで必死に止めた。
 「今は……追いかけなくて良いんだ。もう……。」
 「……ごめんなさい、つい……。」
 「私だって同じ気持ちだよ。でも……そっとしてあげた方が良い。」
 千桜さんはお嬢さまの方へ歩み寄り、気づけば泣いていたお嬢さまの背中をさすっていた。さっきとは違って優しい口調で話しかける。
 「ナギも……綾崎くんと私と同じなんだよな。」
 「私は、私はああああっ……。」
 「好きな人が悲しんでいたら、そばにいてあげる。一番したかったのは、他でもないナギ……おまえだったんだよな。」
 「……ひくっ、ひくっ……。」
 「……それを私がしてしまって本当に、その……ごめんな。私は……綾崎くんのことが好きなんだ。ナギも同じだろ?」
 「ああ……私も、ひくっ。ハヤテのことが今でも好きなんだよ……。」
 「……だったらもう、諦めるとか裏切るとか言うな。……綾崎くんを許してあげて。今できるのはそれしかないよ。」
 「……ハヤテ、ごめん……。」
 「いえ、許さないわけ……ありませんよ。僕の方こそ申し訳ありませんでした。」
 「ああ……。」
 お嬢さまは千桜さんと同じだった。僕のことを好きでいてくれて、真剣に思っていてくれる人たちである。


 ヒナギクさんはあんなに辛い思いをしていて、ナギお嬢さまと千桜さんは色々と考えていて。結局、一番情けないのは僕なんだ。
 言われた言葉だけを真に受けて、感情が動いてしまう……。なんて、僕は最低なヒナギクさんの“彼氏”なんだろう。


 でも、僕は……ヒナギクさんに諦めきれない思いが、時間が経つにつれて強くなっていく。僕にできることはないのか。無情にも時間だけは過ぎ去っていった。


vol.6に続く。辛い気持ちをこらえて、両親に会うと決意したヒナギク。
両親に会い10年前の置き去りにした理由が話される。



☆コラム☆


今回の色は黄色。
・・・たくさん色が集まっている中でも、たぶん一発で見分けつくのが黄色なのかな。

私の高校の制服のワイシャツの色が、
少し黄色っぽい感じなんですよね。たぶん他ではないだろうという色ですw


さて、今回は本当に修羅場な部分でして、
ナギがどうやってハヤテに叱咤するのか。悩みました。

ハヤテが好きな気持ちがナギにもあるというのを、
どうやって出そうか。悩んだ結果、千桜に言葉を引き出す役をさせました。


次回もけっこう重要な回でございまして。
原作では語られていませんが、ヒナギクの本当の両親が出てきて、

・・・まあ、その・・・置き去りにした理由が明らかになります。


明日公開すると思います、お楽しみに。


それでは、失礼します。
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