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開設10周年!(2018/10/4)日記と音楽感想、アニメ感想を中心に更新しています。リンク&トラックバックなどはフリーです。

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こんばんは、セカコンです。
今年もあと32時間となりました! もうすぐ年越しですね。


本日、12/30は日比野文ちゃんの誕生日です!
おめでとうございますw


日比野文ちゃん


こんな感じのキャラでありまして、
文のSSは2本目ですね。・・・頑張りました。


そんなSSのお話。


なんて言えばいいのだろう・・・百合まではいかないけど、
コメディ的なガールズラブなのでしょうか。

そして、何かしら文が主人公だとあるキャラとのコンビがしたくなる。
このSSはそのキャラとの掛け合いも楽しくしてありますよw


それでは、前編をどうぞ。


『コイフミ!~To Daisy~』


~前編 コイフミ~


 ―――私は不覚にもあなたに恋をしてしまったのです。


 と、手紙に書いている一人の少女がいた。名前は日比野文。宛先は……まだ書いていない。彼女は白皇学院に通っている高校1年生である。
 「はぁ……こいぶみを書くのも難しいものですね。」
 こいぶみ……彼女はラブレターのことをそう言っているだけである。ラブレターというのなら、相手の名前が書いてある物なのだがこの手紙には一回も名前が出たことがない。


 「これは、誰かに相談するべきでしょうね。」


 彼女には兄がいるのだが、兄は彼女曰く自宅警備員なのだとか。聞こえは良いが、実質ニートという方が絶対に合っているだろう。
 なので、兄に相談をすることはまずない。兄は文曰く、同人誌即売会に行くと必ずと言っていいほど18禁の同人誌をたくさん買ってくるとのこと。
 「お兄ちゃんに相談すると、体の付き合いになってしまう可能性があります。」
 と、文の中でもそう判断されているので、家では頼れる相手がいない。なので、文は学校の人間に相談してみるのを試みた。


 翌日、放課後。文は時計塔の下を歩いているときだった。


 「あの~、メガネのおねーさん……!」


 文の友人にシャルナという名前の人間がいるが、彼女は同級生のためこんな代名詞のような呼び方はしない。シャルナもメガネをかけているのであるが。
 その「メガネのおねーさん」は、文の前方5mを歩いている、明るいグレーの髪の女子生徒だった。当たり前であるが、その女性は振り向きざまにこう言った。
 「あのな、この距離なら普通の声の大きさでも聞こえるぞ。」
 「すみません、文は大きな声しか出せないのです。」
 「言ってる側から普通の大きさじゃないか。この声の大きさで言えば良いんだよ。ええと、日比野さん。」
 「えええっ、私の名前を知っているのですか? なんですか、ストーカーとかですか……文のことを……。」
 「違う違う! 私は会長と一緒にいる機会が多い。あなたの名前は聞いたことがあるんだよ、会長のスパッツを見たとか……。」
 メガネをかけていて、一見クールに見えるこの女性こそ文が相談しようとしている相手であったのだ。名前は春風千桜。
 「あああっ、ということは……あの会長さんの下っ端さんなんですか!」
 「おいっ! それならまだ『メガネのおねーさん』の名前の方がマシだ。」
 「ええと、すみません。」
 「……別に良いよ、私の名前は春風千桜。まあ、千桜さんとでも呼んでくれれば私はそれで良いから。」
 「ということで千桜さん。」
 スイッチの切り替えが早いなと、千桜は心の中で薄笑いした。文はバッグから例のラブレターが入っている手紙を取り出す。


 「これのことなんですけど……。」


 一般常識として、千桜はやったまでのことだ。千桜は文に封筒らしきものをもらうとすぐに開けようとする。しかし、
 「あ、開けちゃダメですっ!」
 「は? だって……これ、私への手紙なんじゃないのか。状況的に……。」
 「それはあなたへの手紙じゃないんですから!」
 「日比野さん、それは……やっちゃいけないことだろっ!」
 「ごめんなさい……!」
 頬を赤くしてまでも、千桜に手紙を見られるのを拒んだ。千桜はそういうS思考は働かせないので素直に封筒を返した。
 「でも、これのことと言ってこの封筒を出したんだ。……良ければ、私にどんな内容の手紙なのかを教えてくれないか?」
 「えっ、でも……恥ずかしいし、それは……。」
 「だったら、『メガネのおねーさん』と呼ばれてまでも、相談に乗る意味が無くなるからな……一応、生徒会役員だから生徒の悩みは聞いておこうと思って。」
 「へえ……あなた、案外優しいのですね。」
 さりげなく頭にくる言葉が混じっているので、笑顔にほど遠い表情で文の話を聞いている千桜であった。
 「ああ、優しくて“かわいい”おねーさんだからな。」
 「うわっ、自分で何言ってるんですか。」
 「日比野さん、ちょっと相談する前に私に対しての言葉遣いを直してあげようか。」
 「ごめんなさい……それで、千桜さん。」
 「……なんだよ。」
 「この手紙の中身なんですけど……その、笑いませんか?」
 「……」
 この手の前置きがあるというのは、大抵笑えてしまう内容なのだな……と、千桜の中であったのだが、
 「分からないな、内容次第だ。」
 「……絶対に笑わないでくださいね!」
 「ああ、絶対に笑わないよ。」
 笑っても何の得はない。千桜はこんな道ばたで読まれてしまっても困ると思って、時計塔の入り口にあったベンチまで連れて行った。


 「ここなら役員以外は通らないし、大丈夫だろう。」


 エントランスもそれなりに広い場所なら、普通の声でも大丈夫だろうと千桜は思ったのだ。端にあるベンチで隣に座る。
 「それで、さっそくその……手紙の中身なんだけどな、日比野さん。」
 「別に文ちゃんで構いませんよ、千桜さんと呼ばせてもらっているし……。」
 「……ああ、文ちゃん。……大まかな内容だけでも良いから、私に教えてくれると嬉しいんだが。」
 「はい。」
 文は手紙の内容を丁寧に読み上げた。手紙を見ながらだったので、嘘偽りはまずないだろう。
 内容は本当にオードソックスで、初めてその人を見たときから好きだったという一目惚れパターンであった。それで、今度時間があればデートに行きませんかという、何とも安全性を重視した内容であった。
 「なるほど、いわゆる……ラブレターというヤツだな。でも、それを何で私に相談をしてきたのかがよく分からない。男子とはあんまり接していないし。」
 「……」
 「名前は……分かるのか?」
 優しく問いかける千桜なのだが、文は頬を赤くして何も答えない。千桜は必死に考えた、相談に乗ってほしいと言われたのだから、自分の知っている人が文のラブレターを渡す相手であることを。

 (綾崎くんか……私の知っている男性は。でも、橘くん……いや、彼は13歳だ文ちゃんの感じだと年下には興味なさそうだしな……。)

 必死に考えても、思いつく男性の名前が2人以外浮かばない。ましてや、文と同じ1年生だと考えたら思いつくわけがないのだ。
 「その人とは……私が会ったことはあるのか?」
 「ええ、よく会うと思います。」
 「私が良く会う人か……ということは、生徒会関係の生徒なんだな?」
 文は縦にうなずいた。それでも、千桜はヒナギクと愛歌……そして、三人組の女子勢としか接しないので、男子なんて仕事の話し以外は皆無なのである。
 「そうか……それなら、1年を中心にちょっと眼をつけておくよ。もうすぐ冬休みになるし、生徒会の会議があるからな。」
 「さすがは生徒会の人だ……と言いたいのですが、あなたの言っていることには間違いがありますっ!」
 「なんだと……?」
 「ええ、確かに生徒会関係の方なのですけど……ですけど、1年ではなくて2年の方なのですっ!」
 「……そ、そうだったのか……。」
 これは、よくありがちな「男子の先輩」に惚れたというパターンだ……と、なぜか千桜は右手を拳にしていた。


 「分かった、この私が……ええと、協力してやるよ。」


 さっきも言ったかもしれない台詞だが、今回は何か気迫がこもっているようにも思えた。アニメ好きなら一度見てみたいシチュエーションなのだろう。
 「ええと……ありがとうございますっ!」
 「まあ、先輩に惚れるというのはよくあることだよな。うん……先輩って言うのは、ただで笑える惚れ薬とも言われるぐらいだし……。」
 「はい……!」
 可愛いところあるな……千桜は妹のように思い始めた。文は手紙をしまおうとしたその時であった。

 「あっ、会長。お疲れ様です。」
 「あっ、ハル子と……日比野さんだっけ。こんにちは。」
 「会長、一緒に帰りませんか……って、あれ。」

 千桜は左右どちらも見たのだが文の姿が見えない。気づけば、千桜は衝撃的な光景を目の当たりにしていたのである。
 「これ……受け取ってくれませんか?」
 「えっ、手紙……あ、ありがとう。」
 「ええと、ここじゃなくて……一人になったら開けてください。そ、その……私の気持ちが書いてあるので。」
 「そうなの。じゃあ、明日のここで……その気持ちの返事をしてもいいかしら?」
 「……はいっ!」
 「それじゃ、私は先に帰るわね。」
 そう、文がヒナギクにラブレターを渡していたのだ。千桜はもちろんその状況を見て、何も言うことが出来ない。


 「はぁ……渡せて良かったですっ!」
 「……あの、一つ確認するけど……これは何かのドッキリでも喜劇でも何でもないんだよな?」
 「はい、そうですけど。」


 まさか……まさかと思ったが確認したいことが一つあった。千桜はもちろん、今あったことを文に確認する。
 「……聞くけど、ラブレターの相手って……あの、生徒会長の桂ヒナギクのコトなのか?」
 「ああ、そういう名前でしたね。はい、あの人ですよ。」
 「……な、なんだって……!」
 「ど、どうしてそんなに驚いているのですか?」
 「……」
 実際に見てしまったものとは、まさか……千桜は思った。女の子同士の恋愛(には達してないが)……つまり、「百合」であると。
 「だって、文ちゃん……一応、男に勝るかっこよさがあるとしても、会長は女子なんだぞ!」
 「……だって、好きになってしまったものはしょうがないじゃないですか。」
 「……ご、ごめん。」
 「でも、相談に乗ってくれて……ありがとうございました!」
 「あ、ああ……。」
 可愛くお辞儀を一回した文は、少し駆け足でその場から立ち去っていった。千桜は驚きが強く、ベンチから立つことが出来なかった。


 「……もう、これで平和になってほしいもんだ。」


 と、これで一話完結を望む千桜なのだが……そうはいかない自体になる。それは、2日後の放課後の出来事であった。


中編に続く。文のラブレターの相手はヒナギクだった。
問題はどこにデートに行くのか、それは年末の風物詩であった。


☆コラム☆


今年最後、通算28本目のSS登場です。
正直3日で書ききれるか不安だったのですが、何とか出来たことにほっとしています。

一度書き出すと止まらない。
SS書きの楽しさを、久しぶりに素直に味わえた作品です。


それでは、中編からもお楽しみくださいw
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