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こんばんは、セカコンです。
25日にずれこんでしまいましたが・・・何とか全て書き上げました。

本日午後10時より、第5回ねとらじ・後編をやりたいと思います。
前回との間隔が短いのですが、ぜひ聞いてください。


・・・非常に内容は軽いと思いますのでw


それでは、SSのお話。


全4編中、一番重い部分。
・・・マリアとナギの正面衝突する部分です。

やはりマリアも使いにくいキャラなのかもしれません。
・・・個人的にはナギもですが。

・・・まあ、マリアさん一人称だから何とかなりました。
少し綻びのある部分もありますが、ご愛敬と言うことでお願いできますか?w


それでは、vol.3をどうぞ。

~SELL 2 Eve~


 ―――別の意味で胸が苦しくなってきました。


 記憶を失ったハヤテくんは、まるで普通の男子高生。私のことを少し珍しい物を観るような眼で見ていますし、何というか……おどおどしていました。
 「それでは、そろそろ片付けますね。」
 「はい、どうも……。」
 「……ハヤテくん、まだ記憶は戻りませんか?」
 「ええ、昨日……何かあったことは覚えているのですが、思い出そうとするとすごく胸が苦しくなってきて……。」
 「そうなのですか。」
 「ええ、それに……さっきの女の子にもひどいことを言ってしまったようで。その……僕、すごく悪いことを……。」
 「大丈夫ですよ、ナギはそんなにひ弱な人ではありませんから。」
 「……はい。」
 少し安心そうに返事をするハヤテくん。でも、やはり記憶を失った原因は昨日のことで間違いないようです。今の話しで。


 「ナギさんというのですか……あの女の子は。」


 私は食器を戻しに行こうとしたとき、背後からそうハヤテくんの言葉を聞きました。
 「はい。」
 「……それで、僕は……彼女の執事であったというのですか?」
 「……本当のことを申し上げるなら、そうですね。」
 何を考えているのでしょうか。嫌っていた人物の名前を確認して……しかし、何か変なことを言ってしまっては、ハヤテくんの心は閉ざされてしまう可能性があります。
 「気になるのですか?」
 「少しだけですけど……その、気分を害してしまったので悪いかと思って。」
 「ハヤテくんは気にしなくて良いのですよ?」
 「えっ……。」
 「でもそうですね、もうすぐクリスマスなので……皆さん気分良く迎えた方が良いとは私は思いますが。」
 「そういえば、明日がもうクリスマスイブですね。」
 「……はい。」
 クリスマスイブ……同時にそう、大切な日。誕生日……18歳になるのは明日なのです。そういえば、ハヤテくんと出会ったのは17歳の誕生日でしたね。


 もちろん……その時の記憶もなくなっている。そう思うと、悲しくないわけがない……私は身を震わせていました。
 「……マリアさん?」
 「ごめんなさい、私……ちょっと用事を思い出してしまったので。」
 「そうですか。……食事、作ってくださってありがとうございます。」
 「いえいえ、いいんですよ。」
 ハヤテくんは何かを言いかけていたのは分かっていましたが、私は……走り出しました。こぼれる涙と共に。


 「うっ、うううっ……。」


 去年よりも寂しくないはずなのに……どうして、悲しみは消えないのでしょうか? なぜ、その悲しみは切ないのでしょうか?
 原因はもちろんハヤテくんにあって……そうなってしまったのは自分のせいであって、何だか避けられない寂しさに襲われているのかもしれません。


 ―――記憶を失っているハヤテくんは、何なら覚えているのだろう?


 と、思って……きっと少しずつ自分のことを思い出してきてくれている。そう思っても何だかやるせなくなってしまうだけでした。
 食器を片付けて……何もやることはなくなって。ナギの側にいようと思い、私はナギの部屋に入っていきました。
 「ナギ、入っても良いですか?」
 「……ああ。」
 ナギも同じく、ハヤテくんの記憶喪失に……とても心を傷めているようです。いつものようにゲームをしていませんし……窓から空を眺めていました。
 「今日は快晴か……何の隔てもなく、空は見えている。」
 「そうですね。」
 「……でも、ハヤテの記憶には……見えない厚い雲が今も立ちこめているんだろうな。」
 「……」
 「それを作った低気圧……それって、誰なのだろうか?」
 「ナギ……。」
 それまで、穏やかに話していたのに……急に私の方を振り返ると、まるで何かに取り付かれたように険しい表情と共に、厳しい言葉が投げかけられました。


 「マリア、お前に決まっているだろ!」


 涙ながらに語るナギ。それは……想いを寄せている一人の女性として、自分の思いをありのままに表現した。だから、私も……。
 「なぜ、そんな風に言われなければ……?」
 「……マリアは知っていたくせに。私がハヤテのコトが好きで……ハヤテが私のコトが好きだってことを!」
 「昨日まで知りませんでした。そんなこと……。」
 「嘘だっ、嘘だ嘘だっ!!」
 「嘘ではありません!」
 「だったら……何で、何でハヤテに告白したんだよ……! 私とハヤテの関係を壊したかっただけなんだろっ!!」
 「あなたって人は……私はそういう風に面倒を見たつもりはありません!」
 「うるさいっ、マリアが……マリアがハヤテのこと好きにならなければ、私が苦しむことはなかったのに!」
 「……!」
 「それに、ハヤテだって……記憶を失って苦しむこともなかったのに……。」
 「……そ、それは……。」
 否定できませんでした。たしかに、私がハヤテくんに好きだと言わなければ……ハヤテくんの頭の中が混乱することもなければ、高熱を出して記憶を失うこともあるはずがなかったのですから。
 「ハヤテを……ハヤテを返してくれ!」
 「ナギ……。」
 「私は……優しいハヤテにもう一度会いたいのだ。記憶なんて無くたって良いから……笑顔のあいつに会いたいんだっ……。」
 「……」
 「1年前のあの日のことを、私は……あいつとマリアと3人で祝いたかったんだ!」
 「……そう、ですか……。」
 そう、私の誕生日は……ハヤテくんとナギが出会った日でもあります。だから、明日という日は……ナギにとっても特別な日、だったんですよね……。


 「……ごめんなさい。ナギ。」


 私はそれしか言うことが出来ませんでした。出会った日も事実であるし、記憶を無くしたのも事実。
 「マリア……?」
 「私が好きにならなければ……ハヤテくんを苦しめることはありませんでした。」
 「……!」
 「……ごめんなさい、私はもう……!」
 もう……誰とも話したくなかった。早く一人になりたい……走り出して、気づいてみれば食堂の前に。


 「……そろそろできますかね。」


 えっ……。なぜ、この声が……。
 「ハヤテくん?」
 「あっ、マリアさん。その……僕、今……ケーキを作っているんですけどね。」
 幻覚でしょうか……? 私は……その胸に、ハヤテくんの胸に……包みこんで欲しかった。でも……。
 「あの子へのせめての罪滅ぼしです。」
 「……!」
 「いや、あの子に何か……笑顔に出来たらなと思いまして、それで……明日がクリスマスイブなので、ケーキでも作ろうかと……。」
 「……そうですか。良い事だと思いますよ。」
 「マリアさん……?」
 「それって、ナギのためなんですよね……?」
 「はい、そうですが……。」
 何だかもう……ハヤテくんが遠い。脚を震わせて……もう、涙声になっていて……私はハヤテくんに言いました。


 「あの子のために、頑張ってください。」


 きっと、ナギが好きだから。嫌がっていたとしても、好きだから……私よりも好きだから、そんな行動にとることが出来る。そう、きっと……思い出している。明日が出会ってから1年経つということを。
 なのに……私の誕生日は思い出してくれない。好きじゃないから……思い出してくれない。


 完全に心が崩れていく私は、理屈に合わないことを考えてしまっているのでした。


 ―――大切な人は、もう二度と帰ってきてくれない。


 その日の夜は……とても寒くて、でも……ひっそりとした部屋で、一人寂しく泣き続けました。孤独に、ずっと。
 好きでなければ……どれだけこの寂しさを味わわずにいられたのだろう。好きでなければ……どれだけ悲しみ味わわずにいられたのだろう。きっと……ナギをずっと支えることだって出来たのに。


 好きでいることが今の全てを生み出していたのは、分かっていたのかもしれません。でも、どこかに……好きでいなければ乗り越えられない。その心があったのかもしれません。


 そして、私の誕生日……12月24日はやってくるのでした。


最終vol.4に続く。運命の12月24日・・・ハヤテの記憶は戻るのだろうか。
信じ続ける誕生日は最高の形となる。


☆コラム☆


すみません、割愛させてもらいます。


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