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こんばんは、セカコンです。
学年閉鎖となり、明日と明後日がいきなり暇となった私です。

SNSの方では全然活動していない・・・。
・・・久しぶりにチャットでも行こうかな、と思う午後9時15分ですw


学年閉鎖になったので、ヒナギクSSをやりたいと思います。
泉SS『Only you』は12月公開ということでお許しをm(__)m


Desire 千桜


さて、SSのお話。


今回は・・・とにかく、ハヤテがかっこいいかもしれません。
う~ん・・・申し訳ありませんが何とも言えませんw

千桜がいない今、白皇学院でとある噂が広がっている・・・。
それに、ハヤテは怒りを覚える。


それでは、vol.13をどうぞ。

~SELL 12 嫉妬~


 ―――普通であるはずなのに、それが嫌になっていた。


 誰もいない一人での暮らしが、ハヤテにとっては普通だった。去年だって、1人で趣味に没頭できたのに今になってはそれが嫌になっていた。
 千桜という存在が今、ここにいないからだ。彼女は書き置きを残して、どこかに去ってしまったのである。

 その日は、もう何もすることはなく……一日は過ぎていった。


 (千桜ちゃん、どこに……どこに行っちゃったんだよ。)


 好きになったのに、すぐに消えてしまう……ある意味では、歩と同じような状況に陥り始めていた。
 翌日になると、補習があるので白皇学院に行ってみる。が、そこでは……嫌な噂が立ちこめていた。


 「綾崎くんって……。」
 「綾崎様って……。」


 女子には貴公子のように人気のあるハヤテは、様付けの時もあった。しかし、今日の生徒の視線は決して良い物とは言えなかった。
 「ハヤ太くん。おはよう。」
 「おはようございます……瀬川さん。」
 泉は普段通りの笑顔を見せてくれたが、いつものように天真爛漫まではいかない。
 「……どうかしましたか?」
 「いや、ハヤテくんって……好きな人がいたんだなって。」
 「ど、どういうことですか……?」
 「ちーちゃんのことが、好きなんだね……。」
 「……!」
 ちーちゃん……実は、ハヤテは千桜と一緒にいるときに聞いたことがある。おかしなニックネームがあって、それがちーちゃんだってことを。

 「ちーちゃん……まさか、春風千桜さんですか!」

 ハヤテも驚いたが、泉も驚いた。怖がって静かに縦にうなずく。
 「……どこで知ったんですか。僕がその……千桜ちゃんと一緒にいたことを、どこで知ったんですか!」
 「ハヤ太くん、怖いよぉ……。」
 「す、すみません。」
 「……学校中の噂になってるよ。しかも、相手が恋愛に興味がなさそうなちーちゃんなんだから。ほら……この新聞見てよ。」
 「新聞、ですって……?」
 泉が渡す一枚の校内新聞には、こんな見出しが堂々と目を引かせていた。


 『人気男子生徒綾崎ハヤテは、生徒会書記の春風千桜と付き合っている!?』


 目を見開いた。何だ……この新聞は。ハヤテの目が鋭くなっていくのだが……泉は話し続けた。
 「ハヤ太くんが守ってあげなきゃいけない人って、ちーちゃんだったんだね。」
 「……」
 「その、私はどうも思ってないよ。何か……ちーちゃんの方が私よりもお似合いかもしれないって思ったよ。」
 「……」
 泉の優しい言葉にも、ハヤテはこの気持ちは抑えきれなかった。誰なんだ、これを書いた人間は……怒りの気持ちで満たされていく。
 「誰だ……これを書いたのは。」
 「えっ?」
 「彼女は……千桜ちゃんは、きっと……こんなことをされて、きっと……来ていないと思うけど、2学期が始まったら……千桜ちゃんに……!」
 「ハヤ太くん……。」
 「……誰が書いたのか、ヒナギクさんに訊いてきます。」
 「……ヒナちゃんに?」
 「校内新聞を確認しない生徒会はありません! だから、ちょっとヒナギクさんの所に行ってきます。」
 「うん、分かったよ。」
 ハヤテは走り出す。ヒナギクの所へ。ヒナギクのいる生徒会室までは遠かったが……ハヤテはただ、無心に走り続けた。


 「ヒナギクさん!」


 生徒会室に入ると……ヒナギクとナギ、彼女のメイドのマリアが立っていた。ハヤテの嫌な予感……当たっていた。
 「あら、ハヤテくん。」
 校内新聞を持って、ヒナギクとナギはにやけているからだ。ハヤテは考えた。千桜という女性と一緒にいることを知っており、かつ……姿も見たことがある人は、3人しかいないことを。
 その3人とは……ヒナギクとナギ、そして……歩の3人。しかし、歩はそんなことをする人でもないし、他校の生徒のため除外される。
 消去法で自然と黒幕はこの2人と……メイドのマリアを入れても良いのかもしれない。ハヤテの表情は真剣そのものだった。


 「……あなたたち2人がやったんですね。」


 真実を告げると、ナギがハヤテの方を向いて……ゆっくりとハヤテの前まで歩いて行く。
 「……何が悪いの?」
 「な、なんですって……?」
 「ハヤテは千桜のことが好きなんじゃないのか。それを……みんなに知らせて何が悪いんだよ。」
 「……な、何でそう言えるんだよ。」
 「ハヤテは白皇学院ですごく人気の男子生徒。それに彼女がいると分かれば、私の嫌いな盛り上がった雰囲気も無くなる。」
 「……」
 「ハヤテもそうなってほしいって言ってただろ?」
 「……それはあの時だけです、しかし……千桜ちゃんの気持ちも考えてあげてください! 彼女がかわいそうじゃないですか!」
 「かわいそう……? そんなことは関係ない。私は……あなたのためにやったのよ。」
 「な、なんですって……?」
 あなたのため……それは、僕のためなのか? それとも……ヒナギクのためなのか? ハヤテには分からなかった。


 「……私の好きなあなたのために。そして、春風千桜の心を堕とすために!」


 心を堕とす……? ハヤテはその瞬間、右手が動いていた。ハヤテはナギの頬を全力ではたいた。
 「……!」
 「……あなたが男性だったら、殴っているところでしたよ。」
 「何をするのだ!」
 「それはこっちの台詞だ! 好きだからやった……? だったら何で千桜ちゃんを蹴落とすような真似をしたんだ!」
 「そ、それは……。」
 「……僕のことを考えてくれるなら、千桜ちゃんのことを利用するんじゃない。千桜ちゃんがもし知っていたら、どうなっていたと思うんだ!」
 「……彼女には速達で送った。だから、知っている……。」
 「……彼女に謝れ!」
 声を荒げて、ナギの手を掴む。


 「私は……私はただ、ハヤテのコトが好きなだけなのだっ!」


 涙ながらに口付けをすると、ハヤテは体を離した。
 「……千桜ちゃんも、きっとナギさんと同じだった。でも、千桜ちゃんは……自分で頑張った。だから、僕は好きになった。」
 「……」
 「好きだったら、むしろ……そんなこと、やってほしくなかった……。」
 「……私だって、女の子なのだ。学校にいるときぐらい、好きな人と……一緒にいたかったのだ……。」
 「……ナギさん、僕は……あなたを決して許さない。」
 「えっ……。」
 「僕が一番嫌いなのは、他人を蹴落としてまでも自分の利益を作ろうとする自分勝手な人です。それはたとえ、財閥令嬢のあなたでも容赦はしません。」
 「……」
 「千桜ちゃんをこれ以上悲しませないでください。」
 ヒナギクの前まで歩いて行く。ヒナギクの表情が怖がっている表情へと変わっていき、体が震えていた。


 「……あの写真は、ヒナギクさんが撮ったんですよね?」


 あの写真……それは、ハヤテの家から一人出ていく高校生の姿の千桜であった。それが証拠写真として新聞に載っていたのだ。
 「……そうよ。」
 「なんで、あなたは協力しようと思ったんですか?」
 「……どうでもいいじゃない、でも……ハヤテくん。もう……あなたは千桜と会うことはできないわ。」
 「ど、どういうことですか?」
 「あの後、私にメールが来てね。もう、綾崎くんに会わせる顔がない……学校に行きたくないって。」
 「……それは、あなたたち2人がやったからじゃないですか!」
 「でも、これは事実でしょ!」
 ハヤテにメールを見せる。それは本当だった。ハヤテは再び怒りがこみあげていく。
 「……あなたもですか?」
 「……何が?」
 「僕が好きだからって、ナギさんと一緒にこのことをやったんですか!」
 「ハヤテくんが悪いのよ……ハヤテくんが私に真剣に相手をしてくれないから!」
 「……!」
 「ふられても良いって思った、でも……ハヤテくんは千桜のことで精一杯になって、私の方に真剣に振り向いてくれなかった!」
 「そ、それは……。」
 「……悲しめばいいわ。私と同じ……相手にしてくれない悲しみを、ハヤテくんも味わえばいいのよ!」
 「……」
 「前も言ったでしょ、それだけ……ハヤテくんが好きだったのよ。」
 「……自分勝手だ。どの人も……自分の気持ちが満たされないだけで、千桜ちゃんを悲しませるなんて、2人は自分勝手ですよ!」
 ハヤテは急ぎ足で生徒会室を出ようとするが、ヒナギクがそれを止める。


 「……千桜が好きだから、そこまで怒ってるのよね。」


 その言葉に、ハヤテは力が抜けた。何だ……この何も失った切なさは、虚しさは……ハヤテは力なく呟いた。
 「千桜ちゃんにそんなことをしたあなたたちが、僕は許せないだけです。」
 「……」
 「ヒナギクさん、僕に謝るよりも……彼女に謝っていただけませんか。もし、そう言う気持ちがあるとしたら。」
 「……ご、ごめんなさい。」
 「……」
 急に家から消えたのもショックだったはずなのに、他人のとある行為のおかげで千桜は自分に会いたくない気持ちになってしまった。


 ―――千桜を失いかけている。


 どうすれば会えるのか、それはハヤテには分からなかった。電話をかけても通じない、メールをしても返事は返ってこない。
 家に帰っても出迎えてくれる人はいなかった。当たり前なのに、それが……嫌になっていた。


 「どうしたら、千桜ちゃんに会えるんだよ……。」


 夕方……悲しく思える夕焼け。たまには……2人で寝ていたときもあった。そんな思い出があるからこそ、ハヤテは更に悲しくなった。
 「好きになったのに、どうして……僕は……。」
 失っている……いや、失いかけている? ハヤテは後ろの人物に気づかずに泣き続けていた。


 「……どうしたの? ハヤテくん。」


 振り返ると、歩が立っていた。抱きしめた。誰かを……抱きしめたかった。
 「ど、どうかしたのかな……照れちゃうよ。」
 「西沢さん……。」
 「泣いているけど……何かあったのかな。千桜ちゃんはいないの?」
 「千桜ちゃんは……。」
 全てを話した。本当は高校生であったこと、そして……姿を消していなくなり、精神的にも傷を負っているということを。

 「そっか……それは大変だったね。」

 歩が来た用事は、先日借りていた漫画やラノベを返しに来たのだ。ハヤテはそれを受け取ると、本棚の近くに置いておいた。
 「これ、千桜ちゃんも買ったんですよ。」
 「……アニメ大好きだったもんね。」
 「千桜ちゃんとたくさん観て……たくさん話したりして、楽しかったのに……なのに、もう……会えなくなるなんて。」
 「ハヤテくん、悲しまないでよ。千桜ちゃんは死んだわけじゃないでしょ?」
 「西沢さん……。」
 「私もあの時……ハヤテくんとえっちして、妊娠したのかなって疑ったときは、とてももう会えないって思ってた。」
 もちろんあの時のことである。ハヤテも思いだし……それは思い出なのか、静かに少し微笑んだ。
 「でも、今こうして……会えてる。ハヤテくんとどうなっても、私がハヤテくんに会いたいって思ったから。」
 「西沢さん……。」
 「だから、ハヤテくん。千桜ちゃんに会いたい気持ちを忘れないで。そうすれば……また絶対に笑いあえるよ!」
 「……はい。」
 「……千桜ちゃんに会ってきて。それに……。」
 歩はそっとハヤテに口付けをする。

 「これを、次は千桜ちゃんにするんだよ。」

 強い……西沢さんは。あの時も逃げていた、でも……歩が会いたいって思ったから、今のように良い関係が続いている。
 今度は自分の番なんだ……ハヤテは「会う」と決めた。しかし、どこで会うことができるのか……そして、一つの場所を思い出した。


 「流星群だ……。」


 毎週見に行っていた、千桜と必ず行っていたあの高台に……絶対に千桜に会える気がする。夜になり、ハヤテは歩き始めたのだった。



vol.14に続く。願いを叶えるために、千桜と流星群を見ていたことを思いだした。
ハヤテの願いに、一人の奇跡が起こる。


☆コラム☆


次回は・・・感動して欲しいなぁw
私な何となく感動してしまいました。

あと2部です、次回と最終回は感動のクライマックスです!


それでは、失礼します。
コメント
この記事へのコメント
最高です
今回の話は、このSSの中で一番気に入りました。あのデートの所もよかったんですが、今回のはハヤテがかっこよく何回も読み返してしまいました。次の話は、感動出来る話らしいですね。とても楽しみです。
2009/11/19(木) 00:07 | URL | 千桜大好きっ子 #-[ 編集]
Re: 最高です
>>千桜大好きっ子さん

そうですか・・・ハヤテをかっこよくしてました。
その評価をいただけて、とても嬉しいです。

次回・・・単純な私は感動できましたw
2009/11/19(木) 18:03 | URL | セカコン #-[ 編集]
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