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こんばんは、セカコンです。
今日は腹痛のために学校を休みましたが、今は元気です。

・・・ヒナギクSSはどうしようかな。
・・・ちょっと明るめで行こうかなw


あまりにもシリアスだとあのお方の目が痛いから・・・w


Desire 千桜


さて、SSのお話。


・・・今回は一気に話が進みますよ。一気に!
今回と次の回・・・これは、SSの要となる部分。

・・・シリアスな場面に突入ですけど、こういうのがなきゃね・・・。
・・・ヒナギクも大活躍のvol.11です。


それでは、vol.11をどうぞ。

~SELL 10 Love?(前編)~


 ―――私に、その関心を向けて欲しかったの。


 『んあっ、んあっ……!』


 くちゅっ、くちゅっ……誰もいない部屋の中で、千桜は何かをしていた。頬は赤くなって、息は荒くなっている。
 「ハヤテ、くん……。」
 ベッドの上で……何をやっているのか。視線を手の先に向けてみると……千桜は震えだして、

 「……はあっ。」

 何かを終えたような形で……千桜は脱力していく。そして、カーテンを開けると、夕日が差し込んできた。
 「……買い物、しに行こうかな。」
 何かでよろめきながら、千桜はゆっくりと家を出て行くのであった。


 対して、ハヤテは……。


 「バイトがあることをすっかりと忘れてた。」


 補習かアニメ専門店か……それ以外はほとんど、千桜と家の中で過ごしてきたハヤテはこのバイトということを忘れていた。
 ハヤテは高校生になってから、生活資金はともかく趣味に当てる資金は自分で稼ごうと思い、バイトを始めていた。


 「あっ……! 千桜ちゃん、今日はバイトの日だったんだ。」
 「ハヤテくん、バイトをしていたの?」
 「うん……まあ、人のあんまり来ない喫茶店だけどね。前に料理を出したら、店長さんが気に入っちゃって……。」
 「たしかに、ハヤテくんの料理は美味しいから……。」
 「まあ、高校生になったんだからバイトぐらいはしようかなと思って。……だから、千桜ちゃん。今日は午後はバイトでいなくなるからね。」
 「うん、全然大丈夫だよ。」
 「そうだよね……年頃の女の子だもんね。たまには……一人の方が良いかもしれないよね。」
 優しい口調で話していると、千桜は少しふくれっ面になる。
 「別に、ハヤテくんと一緒にいるのが嫌じゃないんだよ。……ずっといたいよ、私は……。」
 「千桜ちゃん……。」
 「……喫茶店って、まさかメイド喫茶じゃないよね!?」
 「僕は男だ、そんな趣旨の喫茶には客でも行ったことないよ。」
 「怪しい。」
 「もし千桜ちゃんがいつかどこかでメイドで働き始めたら、その時には行ってあげるよ。」
 「……」
 何時になればその時が来るんだろう。千桜は考え込んでしまった。
 「……というわけで、千桜ちゃん。今日はバイトがあるから、千桜ちゃん一人になるけど……大丈夫?」
 「大丈夫だよ……っていうか、ハヤテくん。私を子ども扱いしてない?」
 「してないよ。」
 「……だって、何だか……優しい口調で言ってくるし、私だって年頃の女の子なんだよ? 少しぐらい気楽に話してくれたって……。」
 「ご、ごめん。」
 「ハヤテくん……もうちょっと、私を妹みたいにじゃなくて、女の子として話してくれたって良いんだよ?」
 「……」
 ハヤテはあくまでも、「記憶を失った女の子」を預かっているつもりで、ハヤテは千桜の気を障らないように接してきたつもりだった。

 (まさか、千桜ちゃん……。)

 その気遣いが、いつの間にか千桜の心に傷を付けていたのか。ハヤテは少し悲しくなった。
 「……千桜ちゃん、その……。」
 「……うううん、気にしてないよ。」
 「……」
 「これから、ハヤテくんが……そうしてくれると嬉しいなって思っただけだよ。ごめん、文句を言ったような感じで。」
 「……全然構わないよ。気づいてあげられなくて、ごめん。」
 「……ハヤテくん、頑張ってきてね。」
 ハヤテは結局は最後に笑顔になる千桜に見送られて、家を出て行く。きっと、その笑顔に甘えているんだろう。自分を攻めていたのだ。


 「……千桜ちゃん、か。」


 加えて、先日のイベントでのナギの言葉も……少し頭に残っており、「悲しい事がやってくる」という意味が、未だに分からなかった。
 「……ったく、ナギさん。酷いことを言うんだな。」
 ハヤテはバイト先である、喫茶どんぐりという喫茶店に入る。すると、やはり誰もいなくて、代わりに私服の歩が立っていた。

 「あれ、ハヤテくん。」
 「西沢さん、今お帰りですか?」

 実は、ここには歩とヒナギクがバイトで働いており、たまに歩と一緒にバイトをしているときもあった。と言っても、おしゃべりがほとんどであるが。
 「うん、今日も楽だったな……たぶん、2時間で3人ぐらいしか来ていないんじゃないかな。」
 「今日も相変わらず、ですか。」
 「だから楽だと思うよ。大抵はコーヒーで収るし。」
 「なんという……この喫茶店はよく潰れないと毎回不思議に思いますよ。まあ、ちょうどいいアルバイト先だと思いますけど。」
 「ふふふっ、あれからどう?」
 「どう……と言いますと?」
 「……千桜ちゃんだよ、どうなってるかな……って。」
 痛いところを……今、そのことについて思い悩んでいるのに。ハヤテは苦笑いをしながら答えた。
 「ええ、千桜ちゃん……しっかりしていて、少し甘えてしまっている部分があって。」
 「えっ?」
 「僕が普通に接しているつもりなのに、千桜ちゃんにとっては……子ども扱いされているような感じらしいんですよ。」
 「そっか、年頃だと難しいよね。うん……私もそんなときがあった気がする。」
 「そうなんですか?」
 「あっ、今……私のこと、バカにしたね。」
 「……べ、別にしてませんよ。」
 「……きっと、今のように千桜ちゃんに接してあげていないからじゃないのかな。」
 「えっ?」
 歩は少し日が傾き始めた太陽の方を向く。
 「千桜ちゃんも、そんなハヤテくんの意地悪だって受けたいだろうし……もちろん変な意味じゃないよ! きっと……ハヤテくんのもっと素の部分を、千桜ちゃんは知りたがっているんじゃないのかな。」
 「僕の素の部分……ですか。」
 「……私と付き合っているときは、私に本当のことをいっつも言ってくれて……今も、きっと他の人には言えなかったことだと思う。」
 「……」
 「そんなハヤテくんのこと、ずっと好きだったし……あの事がなければ、今も恋人同士でいられたんじゃないかなって、時々思ってたりしてる。」
 そう、歩と同じようにハヤテも時々思っていた。歩のとのあの一件さえなければ、同じ高校に通っていたかもしれない。女性に人気なんてなくて、歩と普通に付き合っていたのかもしれないと。

 「きっと、千桜ちゃんは……ハヤテくんのことが好きだからじゃないのかな。」

 重くのしかかった。千桜に言われると、何だか微笑ましく聞こえていた言葉が……歩から言われると、ここまで現実味が溢れているのか。身震いがした。
 「……僕のことを、好き……。」
 「……ハヤテくん、その反応だと……ハヤテくん自身、千桜ちゃんの気持ちに迷いを生じていると思うの。」
 「……」
 「ハヤテくん、でも……夏休み中は一緒にいられるんでしょ? だったら焦らなくても大丈夫だと思うよ。」
 「……ええ、そうですよね。」
 「じゃあ、ハヤテくん。バイト頑張ってね。」
 「……はい。」
 歩の後ろ姿をじっと見つめて……見えなくなるまで、ハヤテは脚を動かすことができなかった。
 バイトを始めると、ヒナギクがやってきて……話を始めた。振られた過去があるヒナギクは、さすがは生徒会長だ。普段の調子で話していくのだが、


 「ハヤテくん、バイトが終わったら……話したいことがあるんだけど。」


 えっ? ハヤテは店の中の掃除をしているときに突然と言われる。
 「……僕にですか?」
 「うん……ちょっと、ね。そこでなんだけど……今日、ハヤテくんの家に行ってみてもいいかしら。」
 「あっ、僕は別に構いませんが……千桜ちゃんはどう言うか……。」
 「……私は別に構わないわ。」
 「千桜ちゃん、ああ見えて……けっこう嫉妬心がありそうなので。その……ヒナギクさん、この前のこと……本当にすみませんでした。」
 「ううん。でも……一つだけ、確かめたいことあるだけ。」
 「そうですか……。」
 笑顔を一切見せないヒナギク。何かを企んでいるのか……いや、そんなはずはない。ヒナギクの横で掃除をしているハヤテにはそうとしか思えなかった。


 「それにしても、今日もお客が来ませんね。」


 そう話した方が気は紛れる。そんなたわいのない会話でヒナギクの機嫌をとろうとしたが、
 「……そうね。」
 「……ヒナギクさん、それでは……さっさと終わらせて、僕の家に一緒に行きましょうか?」
 「……」
 一瞬、怖くなった。何だ……この笑みは。ハヤテは身震いをした。


 「……楽しみ、ハヤテくんの家。」


 ハヤテはそれ以降、何も言うことはできなかった。そして、バイトが終わると……無言のままヒナギクを連れて行くと、
 「……あれ、鍵がかかってる。」
 「千桜ちゃんは、どこかに出かけているの?」
 「そうですね……たぶん、夕飯の買い出しにでも行ったんじゃないでしょうか。」
 「なんだか、相当庶民的な関係なのね。ハヤテくんと千桜ちゃんって。」
 「……まあ、しっかりしていますからね。夕飯は千桜ちゃんも作ってくれて、それがまた美味しくて……。」
 鍵を開けて、電気を点ける。ハヤテの家の中にヒナギクが入ると、もちろんハヤテの趣味のグッズであるものももちろん見た。

 「ふ~ん、ハヤテくんって……こういうのが趣味なんだ。」

 言われることだと分かっていた。なので、あまり動じることもなく……机の上に荷物を置くと、ヒナギクの前に立った。
 「それで、どんなことですか? 僕に話したい事って。」
 「……ハヤテくん、これを見て。」
 「なんですか……これ。」
 ハヤテは一枚の写真を受け取ると、何も返事が返すことができなくなった。


 「驚いてる。やっぱり……千桜って、春風千桜のことだったのね。」


 驚かないわけがない。三役と呼ばれる三人の中に……ヒナギクの横に、今……一緒に過ごしている春風千桜の姿が写真にはあったのだから。
 「うそ……ですよね。」
 「いえ、彼女は私たち生徒会の書記で……生徒としても優秀な成績を挙げている女子生徒よ。ハヤテくん、私に……嘘ついたでしょ。」
 「嘘じゃないです! 僕のであった千桜ちゃんは……こんなに大人びた千桜ちゃんじゃない! きっと、よく似た別人……。」
 「……ハヤテくん、なんで……私がここまでしているのか分かる?」
 「えっ……。」
 「ハヤテくんのことをそれだけ思ってて、それだけ……ハヤテくんのことが知りたくて。そう思ったから、今……ハヤテくんの家の中でこうして立ってるの。」
 「……ヒナギクさん、でも……それだったら、なぜ千桜ちゃん……その人が写った写真を僕に……。」
 正直、何が何だか分からなくなってしまっていたハヤテ。確かに記憶喪失という千桜を、最初は疑問に思っていた。


 『綾崎ハヤテくん……だよね。』


 そして、あり得ない候補を考えてみると……一つの紐が繫がった。そして、それは……信じられないことだった。


 ―――まさか、千桜ちゃんは“小さく”なったのか……?


 まさか、そんなどこかの名探偵じゃない。ハヤテはそう考えている途中で、ヒナギクにベッドに押し倒された。
 「ヒナギクさん……。」
 「……どうして、どうして……。」
 「……!」
 「……私、こんなにハヤテくんが好きなのに……私は、ずっと……殻に閉じこもっていたのに、それをはがしてみたら……ハヤテくんは遠くなってた。」
 「僕は、その……。」
 「前のハヤテくんだったら良かったのに、今のハヤテくんは……遠い。女性なんて嫌いなハヤテくんだったら、私がすぐに愛してあげられたのに。」
 涙……なぜ、そこで流す。ハヤテはその疑問と……手にこびりつく何かの違和感に気持ちが動いていた。

 (なんだ、この……手に着く粘着感の持つ湿り気は……。)

 と、考えられるのもつかの間。ヒナギクの顔がどんどんと近づいてゆく。
 「嘘つきだよ、ハヤテくん……。」
 「ヒナギクさん、やめてください。」
 「……ハヤテくん、女性なんて嫌いだって言ったよね? なのに……ハヤテくんは、千桜のことを……きっと好きになってる。」
 「やめてください!」
 「……!」
 「……僕は、彼女のことを……千桜ちゃんのことを今はとても気になってしょうがないんですよ!」
 「それを、世間では好きだって言うのよ。」
 「そんなことはどうでもいいんです。でも、ヒナギクさんに告白されたとき……千桜ちゃんの悲しむ顔が見えたんです。僕は……千桜ちゃんを悲しむことに、とても胸が苦しむんですよ。」
 「……そんなこと言ってどうするの?」
 「えっ……?」
 「私がそれで、好きだって気持ちが消えるなんて思ってないわよね。私はそれだけハヤテくんのコトが好きなの、それを分かって欲しい……。」
 すると、ヒナギクはゆっくりと瞼を閉じて、ハヤテに口づけをした。


 ―――この時をヒナギクは狙っていたのか。タイミングが悪すぎた。


 何か……荷物を落とす音が聞こえる。ハヤテは横に目を向けると……食材でたくさんになっているエコバッグを落とした、千桜の姿……。
 「……何やってるの、ハヤテくん……。」
 「千桜ちゃん、これは違うんだ。」
 言い訳……なのだろうか、それをハヤテがしようとしたその先に、ヒナギクが立ち上がって千桜の肩を掴んだ。
 「……やっぱり、あなたは……春風千桜なのね。私のこと……当然知っているんでしょ!」
 「……」
 「何で、何であなたが……ハヤテくんと一緒に……!」
 目を見開いていた千桜の目が、急に鋭くなって体を突き放す。


 「帰ってください!」


 千桜の目は潤んでいた。千桜はヒナギクの体を強制的に、家の外まで押し出して……部屋の鍵を閉めて、ハヤテの前に立つ。
 「……千桜ちゃん、今のは……。」
 「……やだ。」
 「千桜、ちゃん……?」
 「ハヤテくんは約束してくれたのに……私のことだけ好きになるって言ってくれたのに。」
 「今のことはヒナギクさんからしたことなんだ。だから……。」
 こんな泣き顔……見たことない。しかし、泣くと言うよりも……起こっている感じの方が強かった。


 「言い訳なんて聞きたくない! ハヤテくんなんて嫌い!」


 千桜は一人、明かりの付いていない部屋に入って……扉を勢いよく閉める。ハヤテは何もすることができずに、ただ……時間が過ぎていくのであった。
 自分の気持ちなんて、未だによく分からない。千桜の気持ちに対しても……。しかし、これだけは感じた。


 ―――千桜のことを深く傷つけたんだ。


 そう思ったハヤテは、何も千桜に話しかけることができずに……外を見ると、夕陽は沈みかけていたのであった。


vol.12へ続く。千桜の気持ちを癒すためには、自分の気持ちをはっきりすること。
・・・ハヤテはある思いを胸に、一人泣く千桜に告白する。


☆コラム☆


・・・次回が見物! それだけです!


それでは、失礼します。
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