こんばんは、セカコンです。
SW。伊澄SSは1部完結型で行こうと思います。
アニメDVDを買いました、アニメイトではありませんが。
ソフマップは良いですね。定価から500~1000円ぐらい安い―ω―)/
・・・なんでだろ、ふと思い立つと書いてしまうのが私でありまして。
ハルヒSSなんて書いちゃいましたよ。
構想5分、執筆1時間30分のハルヒ初作品でございます。
・・・原作のように地の文はキョン一人称です。
キョンはけっこう難しい・・・のかな、よく分かりませんがとりあえず書きました。
一人称は書きやすいので、何とか・・・。
SSのお題は「長門の笑顔」。
・・・消失でも笑顔を見ることはできましたが、ハルヒは見たことがございません。
あの普段の感じから、有希の笑顔は見れるんでしょうかね。
アニメは消失、やるんでしょうかね(やらないと思いますが)w
とある春先の日の昼休みの出来事です。
・・・短くて、何が何だか分からないかもしれませんw
それでは、SS『Smile』をどうぞ。
SW。伊澄SSは1部完結型で行こうと思います。
アニメDVDを買いました、アニメイトではありませんが。
ソフマップは良いですね。定価から500~1000円ぐらい安い―ω―)/
・・・なんでだろ、ふと思い立つと書いてしまうのが私でありまして。
ハルヒSSなんて書いちゃいましたよ。
構想5分、執筆1時間30分のハルヒ初作品でございます。
・・・原作のように地の文はキョン一人称です。
キョンはけっこう難しい・・・のかな、よく分かりませんがとりあえず書きました。
一人称は書きやすいので、何とか・・・。
SSのお題は「長門の笑顔」。
・・・消失でも笑顔を見ることはできましたが、ハルヒは見たことがございません。
あの普段の感じから、有希の笑顔は見れるんでしょうかね。
アニメは消失、やるんでしょうかね(やらないと思いますが)w
とある春先の日の昼休みの出来事です。
・・・短くて、何が何だか分からないかもしれませんw
それでは、SS『Smile』をどうぞ。
『Smile』
―――有希の笑顔って一度見てみたいと思わない?
ハルヒのこんな言葉が、今回の話の発端となる。
「長門の笑顔、か?」
昼食の時間、ついさっきまでは春が近づくのを思わせるような、少し温かい日差しの下で眠っていたハルヒが急に言ってきた。
「そうよ、有希の笑顔。」
「……あのな、事の発端がよく分からないのだが。」
そうだ、なんでそんなことを急に俺に問いかけてくるんだ。長門の笑顔を見たければ直接長門に言えばいいと思う。
「うん、今日の弁当はいつになくうまい。それが今の俺の欲求を満たしてる。すまないが、俺は何もやる気がおきん。」
「キョン、有希の笑顔を見たいと思わないの!?」
「さあな、俺は読書をしている無表情の長門で十分だ。」
それに俺は去年の年末に普通の女の子版、長門をこの目で目撃したんだよ。俺はあの表情で十分だと思った。
「逆に訊くが、なぜハルヒは決して手に届かなそうな希望を抱く。」
「えっ、それはね……。」
おっと、さっそくハルヒの口元が止まった。さて、この時間……何を考えているのか、少しかわいらしい表情を見たかったのだが、俺はこの後絶対に食えないだろう昼食を普段より早めに食べておいた。
「……なんだ、思いつかないのか?」
何もない理由で俺はハルヒの私利私欲のために動きたくないからな。たまの休み時間、教室でゆっくりと昼寝でもしたい今日この頃である。
「別に俺は長門が普段の無表情でも十分だと思ってる。あの女にうるさい谷口が、長門のことをAマイナーという評価をしているんだ。」
「……」
「まあ、アホの谷口に持ちかければいいんじゃないのか。あいつだったら、女の笑顔を見たい気持ちは表に出てる。」
「まったく、キョンは分かってない。」
普段通り、自分の考えに少し何かの意見をされるとこのように言う場合が多い。まあ、俺は慣れているからいいのだが。
「何が分かっていないんだ?」
「あんな一男子生徒、有希には使えないヤツよ。」
「言っておくが、俺だって一男子生徒だぜ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもない、れっきとした普通の男子高校生だ。性格が谷口よりも卑猥ではないということだけだ。」
「……あんたは分かってないっ!!」
おいおい、今は昼休みだぞ。生徒があまりいないからってそこまで大きく声を張り上げることはないだろ。
「何が分かっていないんだ?もう一度訊いてみるが。」
「……有希のココロよ。」
笑った。ハルヒから“ココロ”という言葉が出てきたことに。
「……一応、ハルヒ。その言葉のココロを訊いておくか。」
「有希はめったに口を利かない。でも、唯一ある男子生徒にだけには有希は話すときだってあるの。」
「……だいたい分かった気がするが、そのある男子生徒とは誰のことか教えてもらうか。」
「キョンに決まっているじゃない!」
「やっぱりそうなるのか。」
別に俺は怒る気もおきない。それよりもさっきのハルヒの“ココロ”という言葉のインパクトが俺の心の中で小さなビッグバンが起こっているのは気のせいか?飯が吹き出そうでかなりつらい。
「でも、その唯一話せる生徒がいるとどうしていいんだ?」
「だって、普段固い心を開いているってことはその人に対して、相当な想いがあるってこと何じゃないの!?」
「そんなに笑顔で怒鳴られると、怒られてないと分かっていても十分に恐い。」
「ねえねえ、キョンだって見たいでしょ!」
「……」
たしかに、あの時の長門の表情は別の世界の長門と言っても過言じゃないからな。まあ、この世界の長門の笑顔を一度拝んでおくのも良いかもしれない。
……と、俺は思わされていた。
だが、飯がまだ残っているのが幸いだった。食っているときは何も喋らずに考える時間を自然とくれる。ハルヒもさすがに俺の飯の邪魔をするようなヤツではなくなってきた。割と最近は安心して飯が食える。
「……とりあえずだ、少し飯を食わせてくれ。そして、少しゆっくりする時間をくれ。昼休みはそこまで短いものじゃない。」
「分かったわよ。しょうがないわね。」
不機嫌な口調で渋々承諾するハルヒも、最近は何だかかわいく思えたのはなんでなのだろうか。世間一般的には気があるんじゃないかと言われるかも知れないが、まんざら否定もできない俺は何だか複雑な想いを抱かされていた。
「……なんだ。」
何か見られていると思えば、ハルヒは俺の弁当を凝視している。
「ハルヒ、食べたいのか?」
「……そ、そんなわけないじゃない!」
「体は正直のようだぞ。」
ハルヒの腹部からは腹が空いているというメッセージ音が聞こえる。しょうがない、俺は最後のだし巻きタマゴをハルヒに食べさせた。
「ほれ、これだけでも食え。うまいだろ。」
「……お、おいしいわね。」
女子は玉子焼きが好きだからな。案の定、ハルヒはそういう面では普通の範囲内であり少しばかりか笑顔を見せている。
―――そうだ、この玉子焼きを使えば谷口でも長門を笑顔にできるんじゃないのか?
なんというバカなことを考えてるんだ俺は。それに、だし巻きタマゴはさっきハルヒにあげた分で無くなっているのにな。
「おまえは単純なヤツだな、案外。」
「な、何よ!」
「谷口でも国木田でも……同姓の朝比奈さんでもできる方法で、お前は笑顔になっちまったな。」
「今のはこのだし巻きタマゴがおいしいだけで、それとこれとは話が別なのよ!」
「はいはい、分かった分かった。俺も行くから、その不機嫌な面少しはゆるめておけよ。しわができやすくなるぞ。」
まあいいか、どうせ暇なんだからハルヒに付き合ってやっても。
―――でも、ハルヒの求める長門の笑顔って何なのだろうか。
飯を食い終わって、俺とハルヒはSOS団の部室まで行く。だが、俺はここで気づいた。よくありがちなパターンだ。
原点に返る……そうだ、最初の頃のことを思い出せば答えは出るんじゃないのか?古泉と朝比奈さん、そして今回のターゲット長門の言葉を思い出せば。
『こいつの言動は絶対に本物になる。』
ハルヒは神がかりなことまで言われているが、自分の思ったことを自然とそうなるようになったことを、俺はかなり見てきている。
つまり、今回のハルヒの言動……長門だってあの堅い無表情を自然と笑顔になるんじゃないのか?別に俺がいなくたって、お前がそう思えば自然とそうなるんだから。今頃、笑顔の長門がいるんじゃないのか?
だったら谷口の方がよっぽど良いはずだ。その時のテンションの上がり方は尋常じゃない。希少価値の高い笑顔を見た谷口は、かなり喜ぶはずに違いない。
「……まったく、なんで俺なんだか。」
いや、待てよ。ハルヒは俺がいい……それもある種の絶対的なことなのか。ハルヒの気持ちが不機嫌になれば、いつぞやの閉鎖空間が発生する。俺の場合、ハルヒではなくて何かの機関によって動かされているんだろうな。
「さて、着いた着いた。さあ、キョン。頑張ってきなさい。」
「って、俺一人でやるのかよ。」
「有希と2人きりの方がいいんじゃないかしら?何だったら、好きとか言って口説いたって良いんだから!」
「長門はそんなに男に遊ばれる女じゃない気がするんだが。」
どうやら、俺にはやるという選択肢しかないようである。それに、長門は前に野球大会に出たとき、ホームランの出るバットを開発したのだから、今回だってインターフェースだったら笑顔になるくらい普通にできるはずだと思う。
ハルヒは一体何を求めているんだろうか……とにかく、長門に笑顔になってくれと耳元で頼もう。俺のやることはそれだけだ。
俺はドアを開けた。
「長門、ちょっと頼みがあるんだがな……。」
いつもの調子で、俺は部屋の中に入る。いつも通り、部屋の中には長門しかいなかった。一つだけ違うものがあったんだが……これはいったいどういうことだ?
「……長門、なぜ頬を赤らめている?」
覚醒でもしたのか。それとも余りにも頭の中で何かが起きていて、インターフェースの知恵熱なのか。長門は頬を赤らめており、表情も乱れていた。
「分からない、でも……。」
「……」
「あなたを見ると、今までにない特別な感情が生まれてくる。これは……恋、人間はそう言うらしい。」
「おまえ、まさか……。」
ハルヒの威力は長門を動かすほどなのか。長門は……微笑んでいる?なんだ、なんだ……この体育館裏でラブレターを持っている少女の微笑みは!
「今は断定できない。しかし、好き……その気持ちが私の中に宿っているのは間違いないだろう。」
「……」
これは、ある種の告白なのだろうか。告白だとしたら相当硬い表現を使っている。だが、そこが長門らしく、ハルヒの言うことが分かる。今の長門の表情、すごく可愛い。それだけは俺にも思えた。
「長門、早まるな。あの時のことを考えろ。」
「……」
「あんまりここでは大胆なことをしない方が良い、なんせ後ろにはハルヒがいるんだからな。」
そう、前に朝比奈さんと俺が……まあ、色々とあって体が密着しているときにハルヒが部室に入ってきたときに、世界が終わるような閉鎖空間が発生したことが過去にあった。まさか、キスなんてことになったらあの時以上の危険が迫ってくるのは絶対だからな。
「……!」
俺に正面から、何か重みを感じた。……少し下を向くと、灰色の髪が見えた。長門は俺にすがっているのか。だが、俺はハルヒの私利私欲を満たすためにここにやってきた、抱くなんてことはしない。
「長門、ハルヒのために少しかわいらしく微笑んでくれ。」
「……」
「お前の気持ちは何となくだが分かったから、とりあえずは今はハルヒの望むことをしてやってくれないか?」
俺は抱きついている長門にそうささやいた。しかし、宇宙人にも心があるんだろうな。ハルヒの言うとおり。長門は俺の顔を見て、ゆっくりと近づいた。
「何をする……?」
「……好き。」
すると、俺の頬には何か温かく柔らかい感触を感じた。長門は俺に、キスを……したのか?
「長門、何をやってるんだ……!ハルヒがいるのに!」
「……」
長門は何だか、自分のしたいことをし終えたように今一度笑顔を見せて、静かにイスに座って本と読み始めていた。
「長門……?」
呼びかけても返事がない、いったいどういうことなのか……さっぱり分からない。そして、肝心のハルヒは……?
「……いい!良い写真が撮れたわよ!」
喜んでいた。デジカメを片手に。とりあえず安心した。ハルヒ……頬にキスぐらいなら、許せるようにでもなったのか。
「ハルヒ、なんだ……今の写真に収めたのか。」
「当たり前じゃない!」
「……長門は頬にキスをしたんだぞ。そんな写真、おまえは許せるのか?」
「いや……有希はやっぱり役者肌なのね。」
「……は?」
「思えばギターもうまいし、有希は普段は無表情だけど……演技になると、あそこまで表情の幅が広がるとは思わなかったわ。」
「そうか、そう思ってくれていればそれで平和だな。」
どうやら、ハルヒは今の長門のしたことは、全て演技……またはそれに準ずることであると思っているらしい。まあ、長門はハルヒが思えばすぐにそれに対応できる能力があるからな、俺もそう思いたいぐらいだ。
「さて、キョン。かわいい有希の笑顔写真でも教室で見ましょう。」
「……ああ、そうだな。」
たしかに、あの時の長門の顔はかなりかわいかったことはよく覚えている。ハルヒが見せてくれたデジカメを見る度にそれが鮮明となってくる。
だが、かわいい笑顔を見れたのはこの日だけであり……翌日も、この先も……この日のような純真な笑顔を見た日は一切無かったのである。
俺は少し信じたいものだ。長門は心から笑顔になっていたと。少なくとも、その時の長門は俺の中で一番輝いていたんだから、な。
―――「好き」なんて言葉、お前の口からは想像つかないだろ?
ハルヒの言動のせいであっても、長門の気持ちの延長であっても……俺はもう一度あの日の長門に出会ってみたい。授業中、俺は咲きかける桜を見ながらふと思うのであった。
『Smile』 Fin
☆コラム☆
・・・まあ、こんな感じです。くだくだっ・・・。
・・・ハルヒSSも少しずつやってみたいなと思いました。
1周年の時に、神のみSSでも短編で公開したいなと思いました。
しかし、まずは伊澄SSですね。頑張りたいと思います。
とりあえずは、ハルヒSSを読んで頂きありがとうございました。
それでは、失礼します。
―――有希の笑顔って一度見てみたいと思わない?
ハルヒのこんな言葉が、今回の話の発端となる。
「長門の笑顔、か?」
昼食の時間、ついさっきまでは春が近づくのを思わせるような、少し温かい日差しの下で眠っていたハルヒが急に言ってきた。
「そうよ、有希の笑顔。」
「……あのな、事の発端がよく分からないのだが。」
そうだ、なんでそんなことを急に俺に問いかけてくるんだ。長門の笑顔を見たければ直接長門に言えばいいと思う。
「うん、今日の弁当はいつになくうまい。それが今の俺の欲求を満たしてる。すまないが、俺は何もやる気がおきん。」
「キョン、有希の笑顔を見たいと思わないの!?」
「さあな、俺は読書をしている無表情の長門で十分だ。」
それに俺は去年の年末に普通の女の子版、長門をこの目で目撃したんだよ。俺はあの表情で十分だと思った。
「逆に訊くが、なぜハルヒは決して手に届かなそうな希望を抱く。」
「えっ、それはね……。」
おっと、さっそくハルヒの口元が止まった。さて、この時間……何を考えているのか、少しかわいらしい表情を見たかったのだが、俺はこの後絶対に食えないだろう昼食を普段より早めに食べておいた。
「……なんだ、思いつかないのか?」
何もない理由で俺はハルヒの私利私欲のために動きたくないからな。たまの休み時間、教室でゆっくりと昼寝でもしたい今日この頃である。
「別に俺は長門が普段の無表情でも十分だと思ってる。あの女にうるさい谷口が、長門のことをAマイナーという評価をしているんだ。」
「……」
「まあ、アホの谷口に持ちかければいいんじゃないのか。あいつだったら、女の笑顔を見たい気持ちは表に出てる。」
「まったく、キョンは分かってない。」
普段通り、自分の考えに少し何かの意見をされるとこのように言う場合が多い。まあ、俺は慣れているからいいのだが。
「何が分かっていないんだ?」
「あんな一男子生徒、有希には使えないヤツよ。」
「言っておくが、俺だって一男子生徒だぜ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもない、れっきとした普通の男子高校生だ。性格が谷口よりも卑猥ではないということだけだ。」
「……あんたは分かってないっ!!」
おいおい、今は昼休みだぞ。生徒があまりいないからってそこまで大きく声を張り上げることはないだろ。
「何が分かっていないんだ?もう一度訊いてみるが。」
「……有希のココロよ。」
笑った。ハルヒから“ココロ”という言葉が出てきたことに。
「……一応、ハルヒ。その言葉のココロを訊いておくか。」
「有希はめったに口を利かない。でも、唯一ある男子生徒にだけには有希は話すときだってあるの。」
「……だいたい分かった気がするが、そのある男子生徒とは誰のことか教えてもらうか。」
「キョンに決まっているじゃない!」
「やっぱりそうなるのか。」
別に俺は怒る気もおきない。それよりもさっきのハルヒの“ココロ”という言葉のインパクトが俺の心の中で小さなビッグバンが起こっているのは気のせいか?飯が吹き出そうでかなりつらい。
「でも、その唯一話せる生徒がいるとどうしていいんだ?」
「だって、普段固い心を開いているってことはその人に対して、相当な想いがあるってこと何じゃないの!?」
「そんなに笑顔で怒鳴られると、怒られてないと分かっていても十分に恐い。」
「ねえねえ、キョンだって見たいでしょ!」
「……」
たしかに、あの時の長門の表情は別の世界の長門と言っても過言じゃないからな。まあ、この世界の長門の笑顔を一度拝んでおくのも良いかもしれない。
……と、俺は思わされていた。
だが、飯がまだ残っているのが幸いだった。食っているときは何も喋らずに考える時間を自然とくれる。ハルヒもさすがに俺の飯の邪魔をするようなヤツではなくなってきた。割と最近は安心して飯が食える。
「……とりあえずだ、少し飯を食わせてくれ。そして、少しゆっくりする時間をくれ。昼休みはそこまで短いものじゃない。」
「分かったわよ。しょうがないわね。」
不機嫌な口調で渋々承諾するハルヒも、最近は何だかかわいく思えたのはなんでなのだろうか。世間一般的には気があるんじゃないかと言われるかも知れないが、まんざら否定もできない俺は何だか複雑な想いを抱かされていた。
「……なんだ。」
何か見られていると思えば、ハルヒは俺の弁当を凝視している。
「ハルヒ、食べたいのか?」
「……そ、そんなわけないじゃない!」
「体は正直のようだぞ。」
ハルヒの腹部からは腹が空いているというメッセージ音が聞こえる。しょうがない、俺は最後のだし巻きタマゴをハルヒに食べさせた。
「ほれ、これだけでも食え。うまいだろ。」
「……お、おいしいわね。」
女子は玉子焼きが好きだからな。案の定、ハルヒはそういう面では普通の範囲内であり少しばかりか笑顔を見せている。
―――そうだ、この玉子焼きを使えば谷口でも長門を笑顔にできるんじゃないのか?
なんというバカなことを考えてるんだ俺は。それに、だし巻きタマゴはさっきハルヒにあげた分で無くなっているのにな。
「おまえは単純なヤツだな、案外。」
「な、何よ!」
「谷口でも国木田でも……同姓の朝比奈さんでもできる方法で、お前は笑顔になっちまったな。」
「今のはこのだし巻きタマゴがおいしいだけで、それとこれとは話が別なのよ!」
「はいはい、分かった分かった。俺も行くから、その不機嫌な面少しはゆるめておけよ。しわができやすくなるぞ。」
まあいいか、どうせ暇なんだからハルヒに付き合ってやっても。
―――でも、ハルヒの求める長門の笑顔って何なのだろうか。
飯を食い終わって、俺とハルヒはSOS団の部室まで行く。だが、俺はここで気づいた。よくありがちなパターンだ。
原点に返る……そうだ、最初の頃のことを思い出せば答えは出るんじゃないのか?古泉と朝比奈さん、そして今回のターゲット長門の言葉を思い出せば。
『こいつの言動は絶対に本物になる。』
ハルヒは神がかりなことまで言われているが、自分の思ったことを自然とそうなるようになったことを、俺はかなり見てきている。
つまり、今回のハルヒの言動……長門だってあの堅い無表情を自然と笑顔になるんじゃないのか?別に俺がいなくたって、お前がそう思えば自然とそうなるんだから。今頃、笑顔の長門がいるんじゃないのか?
だったら谷口の方がよっぽど良いはずだ。その時のテンションの上がり方は尋常じゃない。希少価値の高い笑顔を見た谷口は、かなり喜ぶはずに違いない。
「……まったく、なんで俺なんだか。」
いや、待てよ。ハルヒは俺がいい……それもある種の絶対的なことなのか。ハルヒの気持ちが不機嫌になれば、いつぞやの閉鎖空間が発生する。俺の場合、ハルヒではなくて何かの機関によって動かされているんだろうな。
「さて、着いた着いた。さあ、キョン。頑張ってきなさい。」
「って、俺一人でやるのかよ。」
「有希と2人きりの方がいいんじゃないかしら?何だったら、好きとか言って口説いたって良いんだから!」
「長門はそんなに男に遊ばれる女じゃない気がするんだが。」
どうやら、俺にはやるという選択肢しかないようである。それに、長門は前に野球大会に出たとき、ホームランの出るバットを開発したのだから、今回だってインターフェースだったら笑顔になるくらい普通にできるはずだと思う。
ハルヒは一体何を求めているんだろうか……とにかく、長門に笑顔になってくれと耳元で頼もう。俺のやることはそれだけだ。
俺はドアを開けた。
「長門、ちょっと頼みがあるんだがな……。」
いつもの調子で、俺は部屋の中に入る。いつも通り、部屋の中には長門しかいなかった。一つだけ違うものがあったんだが……これはいったいどういうことだ?
「……長門、なぜ頬を赤らめている?」
覚醒でもしたのか。それとも余りにも頭の中で何かが起きていて、インターフェースの知恵熱なのか。長門は頬を赤らめており、表情も乱れていた。
「分からない、でも……。」
「……」
「あなたを見ると、今までにない特別な感情が生まれてくる。これは……恋、人間はそう言うらしい。」
「おまえ、まさか……。」
ハルヒの威力は長門を動かすほどなのか。長門は……微笑んでいる?なんだ、なんだ……この体育館裏でラブレターを持っている少女の微笑みは!
「今は断定できない。しかし、好き……その気持ちが私の中に宿っているのは間違いないだろう。」
「……」
これは、ある種の告白なのだろうか。告白だとしたら相当硬い表現を使っている。だが、そこが長門らしく、ハルヒの言うことが分かる。今の長門の表情、すごく可愛い。それだけは俺にも思えた。
「長門、早まるな。あの時のことを考えろ。」
「……」
「あんまりここでは大胆なことをしない方が良い、なんせ後ろにはハルヒがいるんだからな。」
そう、前に朝比奈さんと俺が……まあ、色々とあって体が密着しているときにハルヒが部室に入ってきたときに、世界が終わるような閉鎖空間が発生したことが過去にあった。まさか、キスなんてことになったらあの時以上の危険が迫ってくるのは絶対だからな。
「……!」
俺に正面から、何か重みを感じた。……少し下を向くと、灰色の髪が見えた。長門は俺にすがっているのか。だが、俺はハルヒの私利私欲を満たすためにここにやってきた、抱くなんてことはしない。
「長門、ハルヒのために少しかわいらしく微笑んでくれ。」
「……」
「お前の気持ちは何となくだが分かったから、とりあえずは今はハルヒの望むことをしてやってくれないか?」
俺は抱きついている長門にそうささやいた。しかし、宇宙人にも心があるんだろうな。ハルヒの言うとおり。長門は俺の顔を見て、ゆっくりと近づいた。
「何をする……?」
「……好き。」
すると、俺の頬には何か温かく柔らかい感触を感じた。長門は俺に、キスを……したのか?
「長門、何をやってるんだ……!ハルヒがいるのに!」
「……」
長門は何だか、自分のしたいことをし終えたように今一度笑顔を見せて、静かにイスに座って本と読み始めていた。
「長門……?」
呼びかけても返事がない、いったいどういうことなのか……さっぱり分からない。そして、肝心のハルヒは……?
「……いい!良い写真が撮れたわよ!」
喜んでいた。デジカメを片手に。とりあえず安心した。ハルヒ……頬にキスぐらいなら、許せるようにでもなったのか。
「ハルヒ、なんだ……今の写真に収めたのか。」
「当たり前じゃない!」
「……長門は頬にキスをしたんだぞ。そんな写真、おまえは許せるのか?」
「いや……有希はやっぱり役者肌なのね。」
「……は?」
「思えばギターもうまいし、有希は普段は無表情だけど……演技になると、あそこまで表情の幅が広がるとは思わなかったわ。」
「そうか、そう思ってくれていればそれで平和だな。」
どうやら、ハルヒは今の長門のしたことは、全て演技……またはそれに準ずることであると思っているらしい。まあ、長門はハルヒが思えばすぐにそれに対応できる能力があるからな、俺もそう思いたいぐらいだ。
「さて、キョン。かわいい有希の笑顔写真でも教室で見ましょう。」
「……ああ、そうだな。」
たしかに、あの時の長門の顔はかなりかわいかったことはよく覚えている。ハルヒが見せてくれたデジカメを見る度にそれが鮮明となってくる。
だが、かわいい笑顔を見れたのはこの日だけであり……翌日も、この先も……この日のような純真な笑顔を見た日は一切無かったのである。
俺は少し信じたいものだ。長門は心から笑顔になっていたと。少なくとも、その時の長門は俺の中で一番輝いていたんだから、な。
―――「好き」なんて言葉、お前の口からは想像つかないだろ?
ハルヒの言動のせいであっても、長門の気持ちの延長であっても……俺はもう一度あの日の長門に出会ってみたい。授業中、俺は咲きかける桜を見ながらふと思うのであった。
『Smile』 Fin
☆コラム☆
・・・まあ、こんな感じです。くだくだっ・・・。
・・・ハルヒSSも少しずつやってみたいなと思いました。
1周年の時に、神のみSSでも短編で公開したいなと思いました。
しかし、まずは伊澄SSですね。頑張りたいと思います。
とりあえずは、ハルヒSSを読んで頂きありがとうございました。
それでは、失礼します。
この記事へのコメント
こんばんは。けんです。
全然ぐだぐだじゃないですよ
わたくしはハルヒ(特に長門)が好きなので、どんどん見入ってしまいました。これだけの長い話を構想5分ですか~。いやはや、凄いの一言です。また、気が向きましたら、ハルヒSSを書いてください。
それでは、伊澄SSも頑張ってください
全然ぐだぐだじゃないですよ

わたくしはハルヒ(特に長門)が好きなので、どんどん見入ってしまいました。これだけの長い話を構想5分ですか~。いやはや、凄いの一言です。また、気が向きましたら、ハルヒSSを書いてください。
それでは、伊澄SSも頑張ってください

2009/09/20(日) 21:02 | URL | けん #-[ 編集]
>>けんさん
こんばんは。
そうですか・・・それなら良かったです。
私も改めて読み直しました。
思い立ったら、書いちゃう方が勝ちかな(?)と思いすぐさまに書き始めました。
結果、うまい具合に完成できて今、良かったと思います。
長門が好きですか、私も好きですね~☆
凄いですか、勢いで頑張りましたw
はい、気が向いたらまた書いてみたいなと思います。
伊澄SSも1部完結ですが、この3日間で書き上げたいと思います。
それでは、失礼します。
こんばんは。
そうですか・・・それなら良かったです。
私も改めて読み直しました。
思い立ったら、書いちゃう方が勝ちかな(?)と思いすぐさまに書き始めました。
結果、うまい具合に完成できて今、良かったと思います。
長門が好きですか、私も好きですね~☆
凄いですか、勢いで頑張りましたw
はい、気が向いたらまた書いてみたいなと思います。
伊澄SSも1部完結ですが、この3日間で書き上げたいと思います。
それでは、失礼します。
2009/09/20(日) 21:37 | URL | セカコン #-[ 編集]
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