こんばんは、セカコンです。
24時間テレビ・・・ウォーターボーイズは良かったですね。
YouTubeで音楽を聴いていたら、このSSの千桜の心情に良く合う曲が。
KOH+「最愛」。「容疑者xの献身」の主題歌になった曲ですね。
明日のチハルのごとく!!の全ての記事で、
ここの部分の文がとある口調に変わるかもしれないので、お楽しみに。
そのチハルのごとく!!は、vol.序章が午前0時に公開です。
このSSの最終vol.10と同時公開なので、二重にお楽しみに!
さて、SSのお話。
そうですね・・・今回もちょっとした性的描写ありですけど、
まあ・・・今回は別に良いかぐらいの感じなので、あえて言いません。
・・・特に今回は深い部分もありませんね。
最終vol.10に繫がると言うだけです。
それでは、vol.9をどうぞ。
24時間テレビ・・・ウォーターボーイズは良かったですね。
YouTubeで音楽を聴いていたら、このSSの千桜の心情に良く合う曲が。
KOH+「最愛」。「容疑者xの献身」の主題歌になった曲ですね。
明日のチハルのごとく!!の全ての記事で、
ここの部分の文がとある口調に変わるかもしれないので、お楽しみに。
そのチハルのごとく!!は、vol.序章が午前0時に公開です。
このSSの最終vol.10と同時公開なので、二重にお楽しみに!
さて、SSのお話。
そうですね・・・今回もちょっとした性的描写ありですけど、
まあ・・・今回は別に良いかぐらいの感じなので、あえて言いません。
・・・特に今回は深い部分もありませんね。
最終vol.10に繫がると言うだけです。
それでは、vol.9をどうぞ。
~SELL 8 Resolution~
過ごしたかった一夜を過ごした。願っていた一夜を過ごした。千桜は今・・・とても幸せな気分になっていた。
「・・・綾崎くん、おはよう。」
まだ早かったかな・・・ハヤテもまだ寝ていた。昨日は疲れたのだろう。まだ、午前7時でもハヤテはぐっすりと寝ていた。
「・・・ちょっとキスしていいよな。うん・・・2人だけだもんな。」
思えば、寝間着を羽織っているだけであった千桜。少し寒いな・・・だから、ハヤテのことを抱きしめて、口づけをした。
「んっ・・・。」
ただ、口づけをしただけだったのに・・・何だか、舌まで絡んできた。ハヤテの顔を伺うと、ハヤテは起きていた。
「・・・んんんっ!!」
ハヤテは少し微笑むと、千桜を抱きしめて・・・再び夜のように舌まで絡めるキスをし始める。
「綾崎くん・・・。」
「・・・もう、千桜さんったら・・・朝から僕にキスを求めるなんて、とても欲の深い人なんですね。」
「だって・・・昨日の朝なんて、一生会えないと思ったんだぞ!だから、キスぐらい・・・このぐらいしたっていいだろっ!」
「千桜さん・・・分かりました。ほらっ、これつけて。」
ハヤテはメイドカチューシャを千桜につけて、千桜をハルさんモードにしようと思ったが、
「メイドカチューシャなんてしなく立って、私は・・・今は綾崎くんの女だから。その・・・大丈夫だから、な。」
「・・・千桜さん、思ったのですが・・・朝なので、そういうラブシーンはちょっと・・・。」
「うううっ・・・綾崎くんとキスしたいですっ・・・千桜の王子様、1回だけで良いので・・・私を抱きしめて熱いキスをしてくれませんかぁ?」
「・・・あっ、いや・・・その、昨日の夜は勢いというものがありまして・・・。」
ハヤテはすっかり普通の雰囲気に戻っていた。千桜のキス需要にも少し限度があるんじゃないかと思えてきた。
「千桜さん、昨日のえっちでかなりキャラが変わったような気がしますけど・・・。」
「・・・私とキスしてほしいんだよ。昨日は・・・ヒナギクにだってキスされたんだからなっ!」
「えええっ・・・ヒナギクさんと、千桜さんが・・・キス?」
「そうだよ、その・・・元気づけるためだと思うんだけど、その・・・キスされたんだよ。」
「そ、そういえば・・・僕も昨日、観覧車の中で西沢さんにキスされたような・・・も、もちろん元気づけるためだと思いますよ。」
西沢さんとキスした・・・?千桜は少し不機嫌そうな顔になる。
「綾崎くん・・・それなら、私にキスしなさい。これは命令よ。」
「って、千桜さんはツンデレ属性だったんですかっ・・・!」
「少しぐらい・・・ツンデレの方がかわいく思えるんだよ!だからな・・・ほら、さっさと・・・でも、長く・・・キスして。」
「・・・はい。」
千桜の顔を見つめると・・・頬を赤くして、少し怒っている。ツンデレの王道の表情をしている千桜。しかし、ハヤテが頬に触れると、
「綾崎くん・・・。」
「・・・千桜さん、好きですよ・・・。」
ハヤテはゆっくりと口づけをする。再び、ハヤテは千桜を押し倒す形となった。
「千桜さん・・・そろそろ普通のラブストーリーの感じにしましょうよ。」
ハヤテはとにかく、少し不埒な雰囲気を脱したいらしい。それを分かってくれたのか、千桜もベッドから降りた。
「そうだな、・・・今思うと、だ、大胆なこと・・・し、しちゃったんだな。」
「そうですよ、メイドカチューシャをつけたら・・・急に敬語になるんだから、千桜さんは可愛すぎて困ってしまいますよ。」
「・・・とにかく、今日は・・・話をつけに行くんだろ。それに、ナギさんを助けなきゃいけないし・・・。」
「ええ、そうなんですよ。」
ハヤテは執事服に着替える。千桜はそっぽを向いて・・・ハヤテの着替えを見なかった。
「・・・とにかく、アーたんの狙いがなんなのか分からないと・・・話になりませんよ。一昨日の泉さんの件は嘘だった。これは完全に・・・。」
完全に・・・なんなのだろうか。不況の問題・・・その発端となったことは、現にアメリカの方で起きている。ハヤテは分からなかった。
「・・・分かりません。」
「綾崎くん・・・?」
「アーたんは僕たちよりも、何倍も・・・何十倍も苦労をしてきている。そう考えると、アーたんのことも攻められないんですよ。」
「・・・そう言えば、昨日・・・アテネ理事長に会ってそんなことを言われましたよ。私は一人でやってきた・・・って。」
千桜も洋服に着替える。ハヤテはもちろん、部屋を出ようと・・・したが、千桜はそれを引き留めた。
「だから、なんで引き留めるんですか・・・。」
「いいだろ、私みたいに・・・そっぽ向いたり、ベッドの中にいれば良いんだから。な、それでいいだろ。」
「・・・千桜さん、昨日・・・下着つけてなかったから、ちょっと・・・この部屋にはいない方が良いかなって。」
「あああっ、着替えるときに・・・胸が見えるからということ。別に・・・好きな綾崎くんだったら、見られても良いんだけどな。」
「・・・千桜さん、これはよい子も読むSSなんですよ!だから、少しは・・・その、公私混同を止めた方が・・・。」
「分かったよ。そんなこと・・・しないって。」
笑顔でそういうと、千桜はさっさと洋服に着替え始めた。ハヤテはベッドの中にくるまっていたが。
「・・・ほら、綾崎くん。終わったぞ。」
ハヤテは振り向く。可愛い格好をしている千桜は、案外・・・久しぶりに見た気がした。だから、新鮮に思えた。
「千桜さん・・・。」
「さっ、綾崎くん。一緒にご飯作って・・・食べようよ。」
「ええ、分かりました。」
ハヤテと千桜は一緒に朝食を作って・・・新婚さん、同棲生活・・・そんな雰囲気を匂わせていた。30分ぐらいで朝食は完成、何よりも千桜がしたかったことであった。
「・・・おいしい。やっぱり綾崎くん・・・この味噌汁は格別だな。」
「でも、千桜さんの玉子焼きも甘めで美味しいですよ。」
何気ない普通の会話・・・それをするのが嬉しかった。それはお互いに・・・それを、一生したいと思ったから・・・今日、はっきりと話す。
―――二人で共に歩んでゆくんだ、と。
だから、今日は2人で三千院家に行って・・・アテネに直接話す事に決めた。それは、ナギを助けられない条件であったとしても。
「綾崎くん、ナギさんは・・・。」
「大丈夫ですよ、お嬢さまはマリアさんを監視役にしているので・・・殺されると言うことはありませんよ。」
「だったらいいけど・・・。」
千桜の目には涙、ハヤテはハンカチを差し出す。
「・・・ありがとう。」
「どうかしたのですか?」
「でも・・・アテネ理事長も綾崎くんのことが好きで、きっと・・・綾崎くんと一緒にいたいから、強引にそんなことをしたんだなって・・・。」
「でも、だったらどうして・・・。」
「・・・何だか、アテネ理事長にかわいそうなこと・・・しちゃったんだなって。私が、綾崎くんを好きになったから・・・。」
ハヤテは千桜のそばに行き、そっと後ろから抱きしめる。
「・・・大丈夫ですよ。それに、そんな悲観的にならないでください・・・。それでは、出会わなければ良かったと思うのと一緒ですよ。」
「私、こんなことをしなければ・・・どれだけ、アテネ理事長も悲しい想いも済まさずになれたのかなって。」
「安心してください。千桜さん。僕も・・・同じようなことを考えていました。千桜さんと付き合わなければ、アーたんも千桜さん・・・どちらも悲しませることはありませんでした。」
「・・・」
「でも、もう・・・僕の想いは決まってる。そして、千桜さんの想いも・・・決まっているんでしょう?」
「・・・え、ええ・・・。」
さらに強くぎゅっと抱きしめる・・・そして、耳元でささやいた。
「僕はどんなことがあっても・・・千桜さんと一緒に。ずっと・・・ずっと、僕は千桜さんの支え役になりますから。」
言葉ってどんなに素晴らしいんだろうか・・・千桜は、自然と涙があふれてくる。それが、ハヤテに手の甲にぽろりと落ちる。
「千桜さん、泣いているんですか・・・?」
「なんだよ、かっこいいこと言っちゃって・・・。」
「・・・ご、ごめんなさい。泣かせるつもりはなかったんですけど・・・。」
「・・・嬉しいんだよ、綾崎くん。」
「嬉しい・・・?」
千桜はハヤテの手をぎゅっとつかんだ。
「・・・その言葉、絶対に嘘にするなよ。私、その言葉・・・信じてるんだからなっ!」
言葉の後には、ぎゅっとつかむ力が強くなっていった。きっと、それだけ・・・信じてくれている。好きであってくれる。その思いをお互いに持って、三千院家に・・・行くのであった。
三千院家には・・・なぜか、ヒナギクがいた。
「ハル子・・・ハヤテくん。」
「ヒナギクさん、どうしてここにいるんですか?」
「だって、今日・・・アテネ理事長とハヤテくんとハル子、話をつけるんでしょ?その様子・・・じっくりと見ていたいの。」
「・・・そうですか。」
「それに、アテネ理事長に・・・会いたい。」
「分かりました。」
ハヤテは正門を開く。ハヤテは一足早く中に入っていくが・・・千桜とヒナギクは、
「でも、良かったわね。ハヤテくんと昨日は一緒だったんでしょ?」
「・・・ええ、そうですけど。」
「なに、えっちでもしちゃった?」
えっち・・・その言葉、自分で言うと案外顔は赤くならなかったが、他人に言われると切実と感じる。そして、恥ずかしく感じる。
「えええと、綾崎くんと・・・えええっちなんてしてませんよ!」
必死に千桜は手を振った。してないしてない・・・ヒナギクはそんな千桜をかわいく思い、クスクスと笑っている。
「ハル子・・・そんなあからさまな反応を見ていると、しちゃったんだね。」
「いえ・・・その、一緒のベッドで寝ただけですよ。」
「・・・ふふふっ、それでも十分えっちだと思ってる千桜って、何だか・・・すごくかわいいなぁ。昨日、キスしちゃって良かった。」
「なっ・・・完全に原作のキャラ性からかけ離れていることは言わないでください!」
「ごめんごめん。でも・・・頑張ったんだね。ハル子・・・ちゃんとハヤテくんと戻って来たし・・・。」
軽い気持ちだったんだけどな・・・ヒナギクは苦笑い。千桜は真剣に怒っているように見えたが、
「千桜さん・・・ヒナギクさん・・・早く来てくださいよぉ。」
助かった・・・ヒナギクはハヤテの右横まで走っていく。千桜もそれに負けないように、ハヤテの左横まで走っていった。
「でも、ハヤテくん・・・相手は理事長よ?」
「・・・千桜さんと何度も話していました。アテネ理事長のことは。」
「・・・で、どんな話しなの?」
「理事長だって、元々はただの女の子だと言うことです。」
「・・・は?」
「だから、アーたんだって・・・元々はただの女の子なんですよ。僕と2人きりの時なんて、隣にすがって寝ちゃって・・・それは可愛かったんですから。」
それを、どうして微笑んで言うんだろうか・・・千桜が怒ってるじゃない。デリカシー無いなぁ・・・ヒナギクは心の中で思った。
「綾崎くん・・・私という人がありながら、その・・・他の女性と寝ていたの?」
ほらきた・・・ヒナギクはクスクスと笑っている。
「いえ・・・その、昨日の朝・・・突然、目が覚めたらアーたんがいたんですよ。それで、いきなり・・・その、キスとかされて・・・。」
「・・・まあ、それは私もやったからいいけど。」
「別にそんなことばかりでもないんですよ。千桜さんに悪いことを言ったので、僕がアーたんを押し倒して、ちゃんと怒ったんですから。」
「へえ、押し倒したんだ・・・綾崎くん。」
「えっ・・・?」
言葉を上手く使った方が良いよ・・・ハヤテにそうアドバイスをしようとしたヒナギクだったが、この展開は面白いかな・・・と、何も言わなかった。
「綾崎くん、今後はそんなことは禁止だぞ。もちろん、私だけしてほしいというのもあるが・・・綾崎くんの人間としての評価が下がるんだからな。」
「・・・はい、分かりました。」
「まったく、綾崎くんは・・・多くの人に今も好意を持たれているようだな。」
「えっ、どういうことですか?」
「だって、現に・・・ヒナに右腕にすがられているじゃないか!」
「うわっ!僕、全然気づきませんでしたよ!」
本当なの・・・?千桜はハヤテを凝視した次に、ヒナギクを一瞬じろっと睨んだ。
「・・・ご、ごめんね!」
「いえ、いいんですけどね・・・ヒナ。私も綾崎くんの左腕にすがればいい話しなんですから。」
ハヤテの両腕は拘束されている状態となった。三千院家の玄関を、ヒナギクが開くと・・・それが分かったように、マリアが飛んでくる。
「ハヤテくん・・・。」
マリアは幾分、安心の表情をした。やはり千桜が一緒にいたことがその理由の一番だろう。
「マリアさん・・・お嬢さまは?」
「ええ、大丈夫ですよ。私は威嚇しておいたので。」
「い、威嚇ですか?マリアさんが・・・?」
「と、とにかく・・・!今、ナギとアテネ理事長が一緒にいるので・・・とにかく、その部屋までご案内しますね。」
ゆっくりとマリアにその場所まで案内される。その場所が近づいていく度に・・・ハヤテと千桜は、距離と近づけていき・・・千桜の手の震えは激しくなった。
「大丈夫ですか、千桜さん。」
大丈夫だよ・・・ハヤテの耳元でつぶやくと、頭をハヤテの腕につける。それほどに不安ででも・・・ハヤテを信じているのか。ヒナギクは後ろで歩いていて思った。
ついに、そのドアが開かれる。
「・・・ハヤテ、来たのね。」
部屋の中では・・・アテネとナギがいた。見た限りでは、2人はティータイムというように見えて、緊迫した雰囲気は全く感じられない。
「アーたん・・・。」
「・・・あら、春風千桜も来たのね・・・。そして、お久しぶり・・・ヒナギク。」
「お久しぶりです、理事長。」
ヒナギクは軽く会釈をすると、アテネは笑った。
「ハヤテ・・・。」
「お、お嬢さま・・・!」
「・・・それに、千桜も来てくれたのか・・・。」
ナギは少し笑顔であった。しかし、その前にはアテネが立ちふさがる。
「ハヤテ・・・ここにちゃんと来た、そして・・・春風千桜と来たということは、それなりの決意があるということよね?」
ハヤテはもちろん・・・縦に頷いた。アテネは手に何かを忍ばせながら・・・ハヤテの前に立った。
―――これで、全ての決着をつける。
最終vol.10に続く。ハヤテの想いとアテネの想いがぶつかって・・・。
究極のピンチに立たされても、ハヤテは自分の気持ちを言うことができるのか。
”愛する”人と一緒になることが、たとえ”守る”人が殺される条件だとしても・・・。
☆コラム☆
ここまでやってきましたね、セカコンです。
・・・まあ、次回の最後の結末・・・賛否両論だと思います。
「嘘だろっ!!」と言う方もいるかもしれませんし、
「アテネって・・・。」と思う方もいるかもしれません。
前作から続いた、千桜ナツハルの恋シリーズ。
次回で堂々の完結です。
まあ、千桜記念誕生日記念とありましたが・・・。
最後ぐらいは千桜の誕生日に・・・と。
それでは、失礼します。
過ごしたかった一夜を過ごした。願っていた一夜を過ごした。千桜は今・・・とても幸せな気分になっていた。
「・・・綾崎くん、おはよう。」
まだ早かったかな・・・ハヤテもまだ寝ていた。昨日は疲れたのだろう。まだ、午前7時でもハヤテはぐっすりと寝ていた。
「・・・ちょっとキスしていいよな。うん・・・2人だけだもんな。」
思えば、寝間着を羽織っているだけであった千桜。少し寒いな・・・だから、ハヤテのことを抱きしめて、口づけをした。
「んっ・・・。」
ただ、口づけをしただけだったのに・・・何だか、舌まで絡んできた。ハヤテの顔を伺うと、ハヤテは起きていた。
「・・・んんんっ!!」
ハヤテは少し微笑むと、千桜を抱きしめて・・・再び夜のように舌まで絡めるキスをし始める。
「綾崎くん・・・。」
「・・・もう、千桜さんったら・・・朝から僕にキスを求めるなんて、とても欲の深い人なんですね。」
「だって・・・昨日の朝なんて、一生会えないと思ったんだぞ!だから、キスぐらい・・・このぐらいしたっていいだろっ!」
「千桜さん・・・分かりました。ほらっ、これつけて。」
ハヤテはメイドカチューシャを千桜につけて、千桜をハルさんモードにしようと思ったが、
「メイドカチューシャなんてしなく立って、私は・・・今は綾崎くんの女だから。その・・・大丈夫だから、な。」
「・・・千桜さん、思ったのですが・・・朝なので、そういうラブシーンはちょっと・・・。」
「うううっ・・・綾崎くんとキスしたいですっ・・・千桜の王子様、1回だけで良いので・・・私を抱きしめて熱いキスをしてくれませんかぁ?」
「・・・あっ、いや・・・その、昨日の夜は勢いというものがありまして・・・。」
ハヤテはすっかり普通の雰囲気に戻っていた。千桜のキス需要にも少し限度があるんじゃないかと思えてきた。
「千桜さん、昨日のえっちでかなりキャラが変わったような気がしますけど・・・。」
「・・・私とキスしてほしいんだよ。昨日は・・・ヒナギクにだってキスされたんだからなっ!」
「えええっ・・・ヒナギクさんと、千桜さんが・・・キス?」
「そうだよ、その・・・元気づけるためだと思うんだけど、その・・・キスされたんだよ。」
「そ、そういえば・・・僕も昨日、観覧車の中で西沢さんにキスされたような・・・も、もちろん元気づけるためだと思いますよ。」
西沢さんとキスした・・・?千桜は少し不機嫌そうな顔になる。
「綾崎くん・・・それなら、私にキスしなさい。これは命令よ。」
「って、千桜さんはツンデレ属性だったんですかっ・・・!」
「少しぐらい・・・ツンデレの方がかわいく思えるんだよ!だからな・・・ほら、さっさと・・・でも、長く・・・キスして。」
「・・・はい。」
千桜の顔を見つめると・・・頬を赤くして、少し怒っている。ツンデレの王道の表情をしている千桜。しかし、ハヤテが頬に触れると、
「綾崎くん・・・。」
「・・・千桜さん、好きですよ・・・。」
ハヤテはゆっくりと口づけをする。再び、ハヤテは千桜を押し倒す形となった。
「千桜さん・・・そろそろ普通のラブストーリーの感じにしましょうよ。」
ハヤテはとにかく、少し不埒な雰囲気を脱したいらしい。それを分かってくれたのか、千桜もベッドから降りた。
「そうだな、・・・今思うと、だ、大胆なこと・・・し、しちゃったんだな。」
「そうですよ、メイドカチューシャをつけたら・・・急に敬語になるんだから、千桜さんは可愛すぎて困ってしまいますよ。」
「・・・とにかく、今日は・・・話をつけに行くんだろ。それに、ナギさんを助けなきゃいけないし・・・。」
「ええ、そうなんですよ。」
ハヤテは執事服に着替える。千桜はそっぽを向いて・・・ハヤテの着替えを見なかった。
「・・・とにかく、アーたんの狙いがなんなのか分からないと・・・話になりませんよ。一昨日の泉さんの件は嘘だった。これは完全に・・・。」
完全に・・・なんなのだろうか。不況の問題・・・その発端となったことは、現にアメリカの方で起きている。ハヤテは分からなかった。
「・・・分かりません。」
「綾崎くん・・・?」
「アーたんは僕たちよりも、何倍も・・・何十倍も苦労をしてきている。そう考えると、アーたんのことも攻められないんですよ。」
「・・・そう言えば、昨日・・・アテネ理事長に会ってそんなことを言われましたよ。私は一人でやってきた・・・って。」
千桜も洋服に着替える。ハヤテはもちろん、部屋を出ようと・・・したが、千桜はそれを引き留めた。
「だから、なんで引き留めるんですか・・・。」
「いいだろ、私みたいに・・・そっぽ向いたり、ベッドの中にいれば良いんだから。な、それでいいだろ。」
「・・・千桜さん、昨日・・・下着つけてなかったから、ちょっと・・・この部屋にはいない方が良いかなって。」
「あああっ、着替えるときに・・・胸が見えるからということ。別に・・・好きな綾崎くんだったら、見られても良いんだけどな。」
「・・・千桜さん、これはよい子も読むSSなんですよ!だから、少しは・・・その、公私混同を止めた方が・・・。」
「分かったよ。そんなこと・・・しないって。」
笑顔でそういうと、千桜はさっさと洋服に着替え始めた。ハヤテはベッドの中にくるまっていたが。
「・・・ほら、綾崎くん。終わったぞ。」
ハヤテは振り向く。可愛い格好をしている千桜は、案外・・・久しぶりに見た気がした。だから、新鮮に思えた。
「千桜さん・・・。」
「さっ、綾崎くん。一緒にご飯作って・・・食べようよ。」
「ええ、分かりました。」
ハヤテと千桜は一緒に朝食を作って・・・新婚さん、同棲生活・・・そんな雰囲気を匂わせていた。30分ぐらいで朝食は完成、何よりも千桜がしたかったことであった。
「・・・おいしい。やっぱり綾崎くん・・・この味噌汁は格別だな。」
「でも、千桜さんの玉子焼きも甘めで美味しいですよ。」
何気ない普通の会話・・・それをするのが嬉しかった。それはお互いに・・・それを、一生したいと思ったから・・・今日、はっきりと話す。
―――二人で共に歩んでゆくんだ、と。
だから、今日は2人で三千院家に行って・・・アテネに直接話す事に決めた。それは、ナギを助けられない条件であったとしても。
「綾崎くん、ナギさんは・・・。」
「大丈夫ですよ、お嬢さまはマリアさんを監視役にしているので・・・殺されると言うことはありませんよ。」
「だったらいいけど・・・。」
千桜の目には涙、ハヤテはハンカチを差し出す。
「・・・ありがとう。」
「どうかしたのですか?」
「でも・・・アテネ理事長も綾崎くんのことが好きで、きっと・・・綾崎くんと一緒にいたいから、強引にそんなことをしたんだなって・・・。」
「でも、だったらどうして・・・。」
「・・・何だか、アテネ理事長にかわいそうなこと・・・しちゃったんだなって。私が、綾崎くんを好きになったから・・・。」
ハヤテは千桜のそばに行き、そっと後ろから抱きしめる。
「・・・大丈夫ですよ。それに、そんな悲観的にならないでください・・・。それでは、出会わなければ良かったと思うのと一緒ですよ。」
「私、こんなことをしなければ・・・どれだけ、アテネ理事長も悲しい想いも済まさずになれたのかなって。」
「安心してください。千桜さん。僕も・・・同じようなことを考えていました。千桜さんと付き合わなければ、アーたんも千桜さん・・・どちらも悲しませることはありませんでした。」
「・・・」
「でも、もう・・・僕の想いは決まってる。そして、千桜さんの想いも・・・決まっているんでしょう?」
「・・・え、ええ・・・。」
さらに強くぎゅっと抱きしめる・・・そして、耳元でささやいた。
「僕はどんなことがあっても・・・千桜さんと一緒に。ずっと・・・ずっと、僕は千桜さんの支え役になりますから。」
言葉ってどんなに素晴らしいんだろうか・・・千桜は、自然と涙があふれてくる。それが、ハヤテに手の甲にぽろりと落ちる。
「千桜さん、泣いているんですか・・・?」
「なんだよ、かっこいいこと言っちゃって・・・。」
「・・・ご、ごめんなさい。泣かせるつもりはなかったんですけど・・・。」
「・・・嬉しいんだよ、綾崎くん。」
「嬉しい・・・?」
千桜はハヤテの手をぎゅっとつかんだ。
「・・・その言葉、絶対に嘘にするなよ。私、その言葉・・・信じてるんだからなっ!」
言葉の後には、ぎゅっとつかむ力が強くなっていった。きっと、それだけ・・・信じてくれている。好きであってくれる。その思いをお互いに持って、三千院家に・・・行くのであった。
三千院家には・・・なぜか、ヒナギクがいた。
「ハル子・・・ハヤテくん。」
「ヒナギクさん、どうしてここにいるんですか?」
「だって、今日・・・アテネ理事長とハヤテくんとハル子、話をつけるんでしょ?その様子・・・じっくりと見ていたいの。」
「・・・そうですか。」
「それに、アテネ理事長に・・・会いたい。」
「分かりました。」
ハヤテは正門を開く。ハヤテは一足早く中に入っていくが・・・千桜とヒナギクは、
「でも、良かったわね。ハヤテくんと昨日は一緒だったんでしょ?」
「・・・ええ、そうですけど。」
「なに、えっちでもしちゃった?」
えっち・・・その言葉、自分で言うと案外顔は赤くならなかったが、他人に言われると切実と感じる。そして、恥ずかしく感じる。
「えええと、綾崎くんと・・・えええっちなんてしてませんよ!」
必死に千桜は手を振った。してないしてない・・・ヒナギクはそんな千桜をかわいく思い、クスクスと笑っている。
「ハル子・・・そんなあからさまな反応を見ていると、しちゃったんだね。」
「いえ・・・その、一緒のベッドで寝ただけですよ。」
「・・・ふふふっ、それでも十分えっちだと思ってる千桜って、何だか・・・すごくかわいいなぁ。昨日、キスしちゃって良かった。」
「なっ・・・完全に原作のキャラ性からかけ離れていることは言わないでください!」
「ごめんごめん。でも・・・頑張ったんだね。ハル子・・・ちゃんとハヤテくんと戻って来たし・・・。」
軽い気持ちだったんだけどな・・・ヒナギクは苦笑い。千桜は真剣に怒っているように見えたが、
「千桜さん・・・ヒナギクさん・・・早く来てくださいよぉ。」
助かった・・・ヒナギクはハヤテの右横まで走っていく。千桜もそれに負けないように、ハヤテの左横まで走っていった。
「でも、ハヤテくん・・・相手は理事長よ?」
「・・・千桜さんと何度も話していました。アテネ理事長のことは。」
「・・・で、どんな話しなの?」
「理事長だって、元々はただの女の子だと言うことです。」
「・・・は?」
「だから、アーたんだって・・・元々はただの女の子なんですよ。僕と2人きりの時なんて、隣にすがって寝ちゃって・・・それは可愛かったんですから。」
それを、どうして微笑んで言うんだろうか・・・千桜が怒ってるじゃない。デリカシー無いなぁ・・・ヒナギクは心の中で思った。
「綾崎くん・・・私という人がありながら、その・・・他の女性と寝ていたの?」
ほらきた・・・ヒナギクはクスクスと笑っている。
「いえ・・・その、昨日の朝・・・突然、目が覚めたらアーたんがいたんですよ。それで、いきなり・・・その、キスとかされて・・・。」
「・・・まあ、それは私もやったからいいけど。」
「別にそんなことばかりでもないんですよ。千桜さんに悪いことを言ったので、僕がアーたんを押し倒して、ちゃんと怒ったんですから。」
「へえ、押し倒したんだ・・・綾崎くん。」
「えっ・・・?」
言葉を上手く使った方が良いよ・・・ハヤテにそうアドバイスをしようとしたヒナギクだったが、この展開は面白いかな・・・と、何も言わなかった。
「綾崎くん、今後はそんなことは禁止だぞ。もちろん、私だけしてほしいというのもあるが・・・綾崎くんの人間としての評価が下がるんだからな。」
「・・・はい、分かりました。」
「まったく、綾崎くんは・・・多くの人に今も好意を持たれているようだな。」
「えっ、どういうことですか?」
「だって、現に・・・ヒナに右腕にすがられているじゃないか!」
「うわっ!僕、全然気づきませんでしたよ!」
本当なの・・・?千桜はハヤテを凝視した次に、ヒナギクを一瞬じろっと睨んだ。
「・・・ご、ごめんね!」
「いえ、いいんですけどね・・・ヒナ。私も綾崎くんの左腕にすがればいい話しなんですから。」
ハヤテの両腕は拘束されている状態となった。三千院家の玄関を、ヒナギクが開くと・・・それが分かったように、マリアが飛んでくる。
「ハヤテくん・・・。」
マリアは幾分、安心の表情をした。やはり千桜が一緒にいたことがその理由の一番だろう。
「マリアさん・・・お嬢さまは?」
「ええ、大丈夫ですよ。私は威嚇しておいたので。」
「い、威嚇ですか?マリアさんが・・・?」
「と、とにかく・・・!今、ナギとアテネ理事長が一緒にいるので・・・とにかく、その部屋までご案内しますね。」
ゆっくりとマリアにその場所まで案内される。その場所が近づいていく度に・・・ハヤテと千桜は、距離と近づけていき・・・千桜の手の震えは激しくなった。
「大丈夫ですか、千桜さん。」
大丈夫だよ・・・ハヤテの耳元でつぶやくと、頭をハヤテの腕につける。それほどに不安ででも・・・ハヤテを信じているのか。ヒナギクは後ろで歩いていて思った。
ついに、そのドアが開かれる。
「・・・ハヤテ、来たのね。」
部屋の中では・・・アテネとナギがいた。見た限りでは、2人はティータイムというように見えて、緊迫した雰囲気は全く感じられない。
「アーたん・・・。」
「・・・あら、春風千桜も来たのね・・・。そして、お久しぶり・・・ヒナギク。」
「お久しぶりです、理事長。」
ヒナギクは軽く会釈をすると、アテネは笑った。
「ハヤテ・・・。」
「お、お嬢さま・・・!」
「・・・それに、千桜も来てくれたのか・・・。」
ナギは少し笑顔であった。しかし、その前にはアテネが立ちふさがる。
「ハヤテ・・・ここにちゃんと来た、そして・・・春風千桜と来たということは、それなりの決意があるということよね?」
ハヤテはもちろん・・・縦に頷いた。アテネは手に何かを忍ばせながら・・・ハヤテの前に立った。
―――これで、全ての決着をつける。
最終vol.10に続く。ハヤテの想いとアテネの想いがぶつかって・・・。
究極のピンチに立たされても、ハヤテは自分の気持ちを言うことができるのか。
”愛する”人と一緒になることが、たとえ”守る”人が殺される条件だとしても・・・。
☆コラム☆
ここまでやってきましたね、セカコンです。
・・・まあ、次回の最後の結末・・・賛否両論だと思います。
「嘘だろっ!!」と言う方もいるかもしれませんし、
「アテネって・・・。」と思う方もいるかもしれません。
前作から続いた、千桜ナツハルの恋シリーズ。
次回で堂々の完結です。
まあ、千桜記念誕生日記念とありましたが・・・。
最後ぐらいは千桜の誕生日に・・・と。
それでは、失礼します。
この記事へのコメント
Vol.8と9を読んでみましたが、9の最初の方の文中に?があったので、それがどういう意味かは分かりませんでしたが。
全体としてそれ程悪くは無いと思います。(むしろ少しレベルダウンして他のSSにも入れてみてはどうでしょうか?)(ワタルSS以外で)
しかしながら僕の視点では、余り文中に「このSS」などの表現の無い『こっちが原作かもしれない』と思わせる作品がいいかなと思います。
でもそれは自分自身の意見であり、自分自身の作品にその思いを込められればいいと思っています。後半部分に悩んでいますが、頑張って行こうと思います。それでは、このSSのラストとコラボSSを楽しみにしています。
全体としてそれ程悪くは無いと思います。(むしろ少しレベルダウンして他のSSにも入れてみてはどうでしょうか?)(ワタルSS以外で)
しかしながら僕の視点では、余り文中に「このSS」などの表現の無い『こっちが原作かもしれない』と思わせる作品がいいかなと思います。
でもそれは自分自身の意見であり、自分自身の作品にその思いを込められればいいと思っています。後半部分に悩んでいますが、頑張って行こうと思います。それでは、このSSのラストとコラボSSを楽しみにしています。
2009/08/29(土) 22:48 | URL | 鍼灸院 #-[ 編集]
>>鍼灸院さん
”?”の部分ですか・・・。m(__)m
たしかに、このSSはレベルが高いな・・・と、自分でも思っていたところです。
(元々、2本のSSが連結しているということで・・・。)
まあ、ハヤテ原作でもそんな表現がありますからね・・・。
ちょっと入れてみたかっただけですよw
まあ、ラスト・・・あんまり良くないかもしれませんが、読んでやってください。
コラボSS・・・SSだけ集中的にお願いしますw
それでは、失礼します。
”?”の部分ですか・・・。m(__)m
たしかに、このSSはレベルが高いな・・・と、自分でも思っていたところです。
(元々、2本のSSが連結しているということで・・・。)
まあ、ハヤテ原作でもそんな表現がありますからね・・・。
ちょっと入れてみたかっただけですよw
まあ、ラスト・・・あんまり良くないかもしれませんが、読んでやってください。
コラボSS・・・SSだけ集中的にお願いしますw
それでは、失礼します。
タイトル通り。読んでみましたけど、怒るより何故か力が抜けてしまいました。けどもう少しいじればよかったかなと思いますが全体的に楽しめました。
2009/08/30(日) 00:26 | URL | 鍼灸院 #-[ 編集]
>>鍼灸院さん
いじるというよりはね・・・。
・・・ごめんなさい、それも想定の範囲内の反応です(力が抜ける)。
まあ、楽しめてもらえたので何よりですw
いじるというよりはね・・・。
・・・ごめんなさい、それも想定の範囲内の反応です(力が抜ける)。
まあ、楽しめてもらえたので何よりですw
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