こんにちは、セカコンです。
コードブルーはやはり面白いですね、主題歌はかなりの良曲でした。
HEROのテーマ曲もなかなか良い。そして、面白い。
最近はアニメもそうですが、少し前のドラマにもはまってきてますよw
今日は夕方と夜の2回、一気に最終章を公開したいと思います。
いや・・・ここまで来たら、一気に公開するのが良いかなと思いまして。
2本目は半分以上執筆できましたよ。
3本目は2本目完成したら、一気にやりたいと思います。
3本、どれも最終的には同じような感じになるかもしれません。
でも、まあ・・・一つ一つ、ちょっとずつ違ってくるので、じっくりと楽しんでください。
さて、SSのお話。
今回は夏祭りパート。さて、あなたが夏祭りですることは入っていますか?
・・・私は入っていますね。特に食べ物は王道じゃないですか?
まあ、人それぞれの楽しみ方がありますよね。
・・・でも、ハヤテと千桜はこんな夏祭りを過ごすのですよ。
そして、最終章へと突入する。
それでは、vol.7をどうぞ。
コードブルーはやはり面白いですね、主題歌はかなりの良曲でした。
HEROのテーマ曲もなかなか良い。そして、面白い。
最近はアニメもそうですが、少し前のドラマにもはまってきてますよw
今日は夕方と夜の2回、一気に最終章を公開したいと思います。
いや・・・ここまで来たら、一気に公開するのが良いかなと思いまして。
2本目は半分以上執筆できましたよ。
3本目は2本目完成したら、一気にやりたいと思います。
3本、どれも最終的には同じような感じになるかもしれません。
でも、まあ・・・一つ一つ、ちょっとずつ違ってくるので、じっくりと楽しんでください。
さて、SSのお話。
今回は夏祭りパート。さて、あなたが夏祭りですることは入っていますか?
・・・私は入っていますね。特に食べ物は王道じゃないですか?
まあ、人それぞれの楽しみ方がありますよね。
・・・でも、ハヤテと千桜はこんな夏祭りを過ごすのですよ。
そして、最終章へと突入する。
それでは、vol.7をどうぞ。
~SELL 6 Festival~
夕方、午後6時。夕陽が沈みかけているときに、ハヤテは千桜の家の前まで歩いていった。
「綾崎くん!」
「・・・千桜さん、綺麗ですね。」
桃色の・・・桜のような色に和風の模様が綺麗に彩っている。それは、まるで千“桜”のように・・・咲き乱れているように見えた。
(・・・お嬢さま、すみません。やはり、千桜さんの笑顔を見ると・・・好き以外の気持ちになれません。)
メガネをかけていて、髪を結んでいる。いわゆる“書記モード”の千桜であった。手を振って、普段は見られない笑顔を見せる。
「その・・・千桜さん、いきなりなのですが・・・お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「千桜さん・・・17歳になったんですね。」
「ええ、なんか・・・華の17歳とか言われますけど、それは・・・綾崎くんのおかげで果たせそうな気がしますよ。」
「はははっ、僕はまだ16歳ですが・・・華の16歳を満喫できそうです。・・・千桜さんや、その・・・。」
その・・・先が言えない。“お嬢さま”と言おうとしたが・・・ナギは『戻ってくるな』と強く言った。だから、言うことができなかった。
(お嬢さま・・・。)
そんなハヤテをもちろん千桜はおかしいと思った。
「綾崎くん・・・?」
「いえ、なんでもありませんよ。」
「それでは、行きましょう。ほら・・・手でも繋ぎながら。」
「・・・はい。」
ゆっくりと手を絡ませながら、ゆっくりと歩いて行く。カタカタという独特の足音が、夏らしい浴衣を着た人と歩いている雰囲気を味合わせてくれる。
「今日は涼しいですね。綾崎くん。」
「そうですねぇ・・・とても夕陽が綺麗ですよね。」
近くでの祭り・・・花火大会の会場まで10分ぐらい歩く。近くの川場で花火を打ち上げるために、この祭りは隣の町などからの客も多いらしい。
「そういえば、去年は・・・普通に家族で祝ってもらいましたね。」
「へえ・・・千桜さんの家族で。」
「ええ、両親と・・・祖母なんですけどね。まあ、ケーキがあって普段にない料理で・・・普通にプレゼントももらって。」
「それはいいですね。僕なんて、クッキー1枚で両親に済まされたこともありますからね。」
「えええっ、そんなことがあるんですか?」
「・・・あるんですよ、それが。」
苦笑いで話したハヤテに、千桜は少し首をかしげた。
「へえ・・・でも、今年は綾崎くんのおかげで・・・とても楽しめそうなので嬉しいです。あっ、そうだっ・・・綾崎くんの誕生日には、私が何かプレゼントしますよ!」
「・・・嬉しいですね。」
「そういえば、今日は・・・一緒に花火を絶対に見るんですから!その、夏休みももう終わってしまうわけですし・・・。」
「そうですね、夏の風物詩を・・・楽しみましょうか。」
10分後、会場にハヤテと千桜は着くのである。
子どもから大人まで・・・千桜のように浴衣を着る人も多くいるこの祭りは、多くの屋台などで賑わいを見せていた。
祭り会場の入り口には、ちょうちんが多く飾られており、これから訪れる夜のために今から点灯していた。
「うわあっ・・・やっぱりこういう雰囲気が良いですよね。」
「ええ、前にお嬢さまと花火大会に来たのですが・・・やはり、このように多くの人でにぎわっていましたね。」
「綾崎くん、さっそく何か・・・食べませんか?」
「・・・ええ、いいですよ。千桜さんは何が食べたいですか?」
「そうですねぇ・・・。」
千桜はハヤテの手を引っ張って、会場内へと入っていく。屋台が並ぶ中で・・・ベタなお面の店や金魚すくいは入り口のところに。
もちろん、模擬店も勢揃い。焼きそば、焼き鳥、たこ焼き・・・水飴などのお菓子系の屋台も負けてはいない。だが、千桜が選んだのは・・・。
「やっぱり、綿飴が一番良いですよね!」
「へえ・・・千桜さん、甘い物好きだったんですか。」
水飴の店には、やはり職人と呼ぶべきおじさんが担当している。1つ頼むと、神業と言えるような手さばきで綿飴を作った。
「はい、100円で今回は手を打っておくよ。かわいいお嬢ちゃん。」
「わあ、ありがとうございますっ!」
まあ、定価は150円・・・まあまあな値引きとなった。ハヤテが進んでお金を払うと、横には綿飴を舐める千桜があった。
「おいしいですよ、綾崎くん。」
「じゃあ、僕も一口もらって良いですか?」
「だったら、ここ・・・舐めてもらっていいですか?」
そこは、既に食べられている場所であった。唾液が綿飴を少し溶かしていることで、ハヤテには分かった。
「ここ・・・千桜さんが食べたところでは?」
「だって・・・綾崎くん、最近・・・会ってくれないし、キスもしてくれませんし・・・間接キスぐらいしてくださいよ。」
「・・・間接キスですか。」
ハヤテは笑顔でその部分を舐める。と、千桜は急に頬が赤くなった。
「千桜さんの唾液、とても甘くておいしいです。」
「・・・これこそ、とても甘い・・・間接キスですね。綾崎くん。」
ふふふっ、と笑うと・・・千桜がその部分をまた舐めて、ハヤテもまたその部分を舐めて・・・間接キスしっぱなしの2人であった。
「次は何にしましょうか・・・?千桜さん。」
「・・・あ、あああっ!」
「・・・どうかしましたか?」
「あ、あれだよあれ・・・。」
千桜が指さした場所・・・それは、射的でそこには、普通に某ア○メイトで売っていそうなミニフィギュアがそこにあった。
「しかも、あれ・・・私が最近読み終わったラノベの主人公じゃないですか。・・・むむむっ、あれは欲しくて手が出せなかった・・・。」
「へえ、千桜さんってああいうのが趣味だったんですね。」
「なっ・・・三千院家のご令嬢と会っているときに分かると思いますよ!もうっ・・・綾崎くんったら。」
既に、千桜はやる気十分になっているところだ。射的の係の人に200円を渡す千桜。・・・あれ、本当は300円で5発のはずだが?
「千桜さん、なんで200円しか・・・?」
「ちょっと、色っぽくまけたら200円にしていいって言われたんですよ。ちょっとしたテクニックで綾崎くんにもできますよ。」
「僕は男なので無理ですよぉ・・・さすがは千桜さんですね。」
千桜は狙いを定めて、1発目。初めてのせいなのか・・・やはり見当違いの場所に弾は飛んでいく。
2発目、目的のフィギュアにかすれる程度で倒れる気配は一行にない。
3発目、何故かメガネを外して射撃。足下を狙ったが、少し立ち位置がずれて惜しいところまで倒れかけた。
4発目、何故か今度は髪をほどいて射撃。腹部に直撃したが少しだけ後ろにずれるだけで、さっきよりも惜しくはなくなった。
そして、5発目・・・。
「千桜さん、やはり頭を狙った方が良いですよ。」
「なっ・・・頭を狙っちゃかわいそうですよ!」
「まあまあ、そんな・・・今まで当てても傷なんて付いていませんし、もしかしたらこの射撃はそんな心理をくすぐるのが目的のゲームかもしれません。」
「・・・えっ?」
一瞬、射的のおじさんの目が動揺しているように見えた。ハヤテは千桜の右腕を押さえて、千桜の顔の横にゆっくりと顔を持っていく。
「いいですか、千桜さん・・・よ~く、頭部を狙って・・・。」
「は、はい!」
密着する体に、千桜は自然と体が熱くなってくる。逆に・・・動揺していると言ったところか。
(これでもいいから、もっと・・・もっと綾崎くんとくっつきたい。)
だが、そんなことは果たされることはなく・・・数秒後、千桜は5発目を放ち・・・見事にフィギュアの頭部に当たる。
「おおおっ、やったね。お嬢ちゃん。」
渋いおじさんから渡される、景品のフィギュアはまた別の意味で喜ばしい物だった。千桜はかわいらしい巾着袋に入れた。
「良かったですね、千桜さん。」
「・・・はいっ!」
その後は・・・いったい、何をしたのだろう。でも、楽しい・・・千桜はそう思っていた。何かしらおごってもらったり、おごったり・・・。
何かしら食べたり、遊んだりもした。本当に・・・小学生のような感じで。でも、それでも最高の誕生日になったと思っていた。
そして、人気のないベンチ・・・川のほとりのベンチで千桜とハヤテはゆっくりと座った。
「綾崎くん、ありがとうございます。」
「いえいえ。」
「やっぱり、綾崎くんはすごいですよ!1分間で金魚を30匹すくっちゃうんですから!」
「まあ、お嬢さまが飼うのを許してくれないと思うので、やはり欲しそうな子に分けたのが良かったですね。」
「・・・そういえば、ナギさんは?」
「えっ?」
「ナギさんは・・・どうしているんですか?やはり、この祭りに・・・?」
「・・・」
答えることができなかった。元はといえば、ナギがもう帰ってこなくていい・・・そう言った今回の祭りなのだから。
「綾崎くん?」
「・・・さっ、もうすぐで花火大会が始まりますよ。」
時間は午後7時30分をまわっていた。そろそろ打ち上げられる予定の時刻・・・空を見上げて、その時を待った。
『ば~ん!』
数分後、一発・・・夜空を色取る大きな花は観客たちを魅了させた。ついに、花火大会は始まったのだ。
「うわあっ・・・綺麗ですね。」
「ええ、綺麗ですね・・・。」
小さな花火も打ち上げられていく・・・花火大会は盛況である。だが、そんなときに・・・ハヤテは急に泣き始めた。
「う、うううっ・・・。」
「ど、どうかしましたか?」
今思うと、この花火大会を・・・一緒に観たくて、千桜のポジションにきっと・・・ナギがいたくて。必死に泣かれた昨日の夜を思い出す。
「・・・お嬢さまに昨日、今日のこと・・・話したんですよ。」
「えっ?」
「でも、お嬢さまの気持ち、分かってあげられなくて・・・。」
「どういうことですか?」
「お嬢さま、今日の・・・この花火大会、僕と一緒に行きたがっていたそうなんです。なのに、僕は・・・前日だったらお嬢さま、絶対に許してくれると思ったから・・・なのに、どうして・・・!」
「・・・そういうこと、ですか・・・。」
頭をなでた千桜。次第に距離は近づいていって・・・ハヤテを抱きしめる。
「大丈夫、ですよ。それに・・・約束したのは私です。だから、私にも責任はありますよ。だから、一緒に・・・謝りましょう。」
「千桜、さん・・・。」
打ち上げられる花火、それは・・・ハヤテの涙を彩っている。
「綾崎くん、泣かないでください・・・綾崎くんが悲しいと、私だって悲しくなってしまいますよ。」
「千桜さん・・・。」
「きっと、ナギさんだって・・・綾崎くんのこと、嫌いになった訳じゃないですよ。」
「・・・いなくなれって。」
「えっ?」
「いなくなれって言われました。」
そこまで言われていたのか・・・そう思うと、悲しくなる。でも、ここで泣いては・・・事態は回復するわけでもない。
「・・・だったら、私のそばにいてください。」
「えっ・・・?」
「いざとなったら、私の執事でも良いですから・・・それでもいいので、綾崎くん・・・私のそばにいてください。」
「・・・それはできませんよ。僕は、ナギお嬢さまの執事・・・お嬢さまを信じていますから。」
その言葉、それは真実なのだろうか・・・千桜は急に真面目な表情になった。
「だったら、泣かないでください。」
「千桜さん・・・。」
「私は泣く綾崎くんより・・・一生懸命な綾崎くんの顔の方が嬉しいです。」
「・・・はい、すみません。」
すると、千桜にハヤテはキスをした。
「・・・やっぱり、千桜さんが好きで良かったです。」
「ふ、不意にやらないでくださいよ!そ、その・・・雰囲気が味わえじゃないですか!もう・・・。」
「はははっ、そんな千桜さんも何だかかわいいです。」
二人でいられること・・・それが今できているのなら、それで・・・二人は幸せだった。しかし、次の瞬間・・・。
「ハヤテくん!」
後ろを振り向くと、マリアが走ってくるのが見える。服はメイド服であるが。
「あれ、マリアさん・・・どうかしたのですか!?」
「はあっ・・・はあっ、今・・・ナギと咲夜さんと一緒に来ていたのですが、その・・・ナギがあなたに会いに行く途中に、虎鉄さんに・・・連れ去られてしまいました!」
「え、えええっ・・・!」
「なんか、虎鉄さんもあなたに会いたい、と・・・。それで、ナギを・・・そう、ヒナ祭り祭りと同じような感じです。」
「む、むむむっ・・・。」
急に起きた事件。ハヤテは行くべきなのだが、連れ去った犯人が虎鉄であることと、理由が自分に会いたいという変態チックなコトなので、行くことを少し拒んだ。
「いえ、あんな人には会いたくないです。」
と、言ってしまうものなのだ。しかし、マリアは・・・。
「いくら連れ去ったのは虎鉄さんでも・・・ナギの危険は変わりませんよ!」
「・・・で、でも・・・。」
ハヤテは後ろにいる千桜のことを気遣った。しかし、千桜は。
「行ってあげてください。綾崎くんは・・・ナギさんの執事なんでしょう?」
その一言に・・・勇気をもらった。ハヤテは荷物を千桜に預けて、
「千桜さん、ここで待っていてください。また、戻って来ますから。」
「・・・はい。」
「マリアさん、行きましょう。」
「ええ、連れ去られたところに咲夜さんがいるので・・・そこまでご案内したいと思います。」
ハヤテとマリアは走り出していく。そんな二人の後ろ姿を千桜は、ただ見つめて・・・こう思った。
(信じる、綾崎くんも・・・ナギさんも。)
信じるものは交差する・・・だが、それは一つになっていく・・・。そのために、ハヤテは走り出しているのであった。
最終vol.8に続く。ナギを信じる気持ちと千桜を愛する気持ち。
2つの気持ちに答えが出たとき、本当の道が開かれる。
☆コラム☆
・・・ついに、ここまで来ましたね。
あなたの好きな夏祭りラインナップはありましたか?
私はそうですね、以下のラインナップはやりますね。
食べ物
・水飴
・焼き鳥
・わたあめ
・ラムネ
遊び
・射的
・輪投げ
・くじ引き(地域でよくあるよね?)
まあ、こんな感じで・・・。
千桜とハヤテがやったのは、食べ物ではわたあめ。
遊びでは射的と金魚すくいをやったわけですね。
さて、次回は・・・ハヤテラブな虎鉄がナギを誘拐するという・・・。
そして、ハヤテは咲夜に難題を突きつけられる。
最終vol.8は、今夜公開です!お楽しみに!
それでは、失礼します。
夕方、午後6時。夕陽が沈みかけているときに、ハヤテは千桜の家の前まで歩いていった。
「綾崎くん!」
「・・・千桜さん、綺麗ですね。」
桃色の・・・桜のような色に和風の模様が綺麗に彩っている。それは、まるで千“桜”のように・・・咲き乱れているように見えた。
(・・・お嬢さま、すみません。やはり、千桜さんの笑顔を見ると・・・好き以外の気持ちになれません。)
メガネをかけていて、髪を結んでいる。いわゆる“書記モード”の千桜であった。手を振って、普段は見られない笑顔を見せる。
「その・・・千桜さん、いきなりなのですが・・・お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「千桜さん・・・17歳になったんですね。」
「ええ、なんか・・・華の17歳とか言われますけど、それは・・・綾崎くんのおかげで果たせそうな気がしますよ。」
「はははっ、僕はまだ16歳ですが・・・華の16歳を満喫できそうです。・・・千桜さんや、その・・・。」
その・・・先が言えない。“お嬢さま”と言おうとしたが・・・ナギは『戻ってくるな』と強く言った。だから、言うことができなかった。
(お嬢さま・・・。)
そんなハヤテをもちろん千桜はおかしいと思った。
「綾崎くん・・・?」
「いえ、なんでもありませんよ。」
「それでは、行きましょう。ほら・・・手でも繋ぎながら。」
「・・・はい。」
ゆっくりと手を絡ませながら、ゆっくりと歩いて行く。カタカタという独特の足音が、夏らしい浴衣を着た人と歩いている雰囲気を味合わせてくれる。
「今日は涼しいですね。綾崎くん。」
「そうですねぇ・・・とても夕陽が綺麗ですよね。」
近くでの祭り・・・花火大会の会場まで10分ぐらい歩く。近くの川場で花火を打ち上げるために、この祭りは隣の町などからの客も多いらしい。
「そういえば、去年は・・・普通に家族で祝ってもらいましたね。」
「へえ・・・千桜さんの家族で。」
「ええ、両親と・・・祖母なんですけどね。まあ、ケーキがあって普段にない料理で・・・普通にプレゼントももらって。」
「それはいいですね。僕なんて、クッキー1枚で両親に済まされたこともありますからね。」
「えええっ、そんなことがあるんですか?」
「・・・あるんですよ、それが。」
苦笑いで話したハヤテに、千桜は少し首をかしげた。
「へえ・・・でも、今年は綾崎くんのおかげで・・・とても楽しめそうなので嬉しいです。あっ、そうだっ・・・綾崎くんの誕生日には、私が何かプレゼントしますよ!」
「・・・嬉しいですね。」
「そういえば、今日は・・・一緒に花火を絶対に見るんですから!その、夏休みももう終わってしまうわけですし・・・。」
「そうですね、夏の風物詩を・・・楽しみましょうか。」
10分後、会場にハヤテと千桜は着くのである。
子どもから大人まで・・・千桜のように浴衣を着る人も多くいるこの祭りは、多くの屋台などで賑わいを見せていた。
祭り会場の入り口には、ちょうちんが多く飾られており、これから訪れる夜のために今から点灯していた。
「うわあっ・・・やっぱりこういう雰囲気が良いですよね。」
「ええ、前にお嬢さまと花火大会に来たのですが・・・やはり、このように多くの人でにぎわっていましたね。」
「綾崎くん、さっそく何か・・・食べませんか?」
「・・・ええ、いいですよ。千桜さんは何が食べたいですか?」
「そうですねぇ・・・。」
千桜はハヤテの手を引っ張って、会場内へと入っていく。屋台が並ぶ中で・・・ベタなお面の店や金魚すくいは入り口のところに。
もちろん、模擬店も勢揃い。焼きそば、焼き鳥、たこ焼き・・・水飴などのお菓子系の屋台も負けてはいない。だが、千桜が選んだのは・・・。
「やっぱり、綿飴が一番良いですよね!」
「へえ・・・千桜さん、甘い物好きだったんですか。」
水飴の店には、やはり職人と呼ぶべきおじさんが担当している。1つ頼むと、神業と言えるような手さばきで綿飴を作った。
「はい、100円で今回は手を打っておくよ。かわいいお嬢ちゃん。」
「わあ、ありがとうございますっ!」
まあ、定価は150円・・・まあまあな値引きとなった。ハヤテが進んでお金を払うと、横には綿飴を舐める千桜があった。
「おいしいですよ、綾崎くん。」
「じゃあ、僕も一口もらって良いですか?」
「だったら、ここ・・・舐めてもらっていいですか?」
そこは、既に食べられている場所であった。唾液が綿飴を少し溶かしていることで、ハヤテには分かった。
「ここ・・・千桜さんが食べたところでは?」
「だって・・・綾崎くん、最近・・・会ってくれないし、キスもしてくれませんし・・・間接キスぐらいしてくださいよ。」
「・・・間接キスですか。」
ハヤテは笑顔でその部分を舐める。と、千桜は急に頬が赤くなった。
「千桜さんの唾液、とても甘くておいしいです。」
「・・・これこそ、とても甘い・・・間接キスですね。綾崎くん。」
ふふふっ、と笑うと・・・千桜がその部分をまた舐めて、ハヤテもまたその部分を舐めて・・・間接キスしっぱなしの2人であった。
「次は何にしましょうか・・・?千桜さん。」
「・・・あ、あああっ!」
「・・・どうかしましたか?」
「あ、あれだよあれ・・・。」
千桜が指さした場所・・・それは、射的でそこには、普通に某ア○メイトで売っていそうなミニフィギュアがそこにあった。
「しかも、あれ・・・私が最近読み終わったラノベの主人公じゃないですか。・・・むむむっ、あれは欲しくて手が出せなかった・・・。」
「へえ、千桜さんってああいうのが趣味だったんですね。」
「なっ・・・三千院家のご令嬢と会っているときに分かると思いますよ!もうっ・・・綾崎くんったら。」
既に、千桜はやる気十分になっているところだ。射的の係の人に200円を渡す千桜。・・・あれ、本当は300円で5発のはずだが?
「千桜さん、なんで200円しか・・・?」
「ちょっと、色っぽくまけたら200円にしていいって言われたんですよ。ちょっとしたテクニックで綾崎くんにもできますよ。」
「僕は男なので無理ですよぉ・・・さすがは千桜さんですね。」
千桜は狙いを定めて、1発目。初めてのせいなのか・・・やはり見当違いの場所に弾は飛んでいく。
2発目、目的のフィギュアにかすれる程度で倒れる気配は一行にない。
3発目、何故かメガネを外して射撃。足下を狙ったが、少し立ち位置がずれて惜しいところまで倒れかけた。
4発目、何故か今度は髪をほどいて射撃。腹部に直撃したが少しだけ後ろにずれるだけで、さっきよりも惜しくはなくなった。
そして、5発目・・・。
「千桜さん、やはり頭を狙った方が良いですよ。」
「なっ・・・頭を狙っちゃかわいそうですよ!」
「まあまあ、そんな・・・今まで当てても傷なんて付いていませんし、もしかしたらこの射撃はそんな心理をくすぐるのが目的のゲームかもしれません。」
「・・・えっ?」
一瞬、射的のおじさんの目が動揺しているように見えた。ハヤテは千桜の右腕を押さえて、千桜の顔の横にゆっくりと顔を持っていく。
「いいですか、千桜さん・・・よ~く、頭部を狙って・・・。」
「は、はい!」
密着する体に、千桜は自然と体が熱くなってくる。逆に・・・動揺していると言ったところか。
(これでもいいから、もっと・・・もっと綾崎くんとくっつきたい。)
だが、そんなことは果たされることはなく・・・数秒後、千桜は5発目を放ち・・・見事にフィギュアの頭部に当たる。
「おおおっ、やったね。お嬢ちゃん。」
渋いおじさんから渡される、景品のフィギュアはまた別の意味で喜ばしい物だった。千桜はかわいらしい巾着袋に入れた。
「良かったですね、千桜さん。」
「・・・はいっ!」
その後は・・・いったい、何をしたのだろう。でも、楽しい・・・千桜はそう思っていた。何かしらおごってもらったり、おごったり・・・。
何かしら食べたり、遊んだりもした。本当に・・・小学生のような感じで。でも、それでも最高の誕生日になったと思っていた。
そして、人気のないベンチ・・・川のほとりのベンチで千桜とハヤテはゆっくりと座った。
「綾崎くん、ありがとうございます。」
「いえいえ。」
「やっぱり、綾崎くんはすごいですよ!1分間で金魚を30匹すくっちゃうんですから!」
「まあ、お嬢さまが飼うのを許してくれないと思うので、やはり欲しそうな子に分けたのが良かったですね。」
「・・・そういえば、ナギさんは?」
「えっ?」
「ナギさんは・・・どうしているんですか?やはり、この祭りに・・・?」
「・・・」
答えることができなかった。元はといえば、ナギがもう帰ってこなくていい・・・そう言った今回の祭りなのだから。
「綾崎くん?」
「・・・さっ、もうすぐで花火大会が始まりますよ。」
時間は午後7時30分をまわっていた。そろそろ打ち上げられる予定の時刻・・・空を見上げて、その時を待った。
『ば~ん!』
数分後、一発・・・夜空を色取る大きな花は観客たちを魅了させた。ついに、花火大会は始まったのだ。
「うわあっ・・・綺麗ですね。」
「ええ、綺麗ですね・・・。」
小さな花火も打ち上げられていく・・・花火大会は盛況である。だが、そんなときに・・・ハヤテは急に泣き始めた。
「う、うううっ・・・。」
「ど、どうかしましたか?」
今思うと、この花火大会を・・・一緒に観たくて、千桜のポジションにきっと・・・ナギがいたくて。必死に泣かれた昨日の夜を思い出す。
「・・・お嬢さまに昨日、今日のこと・・・話したんですよ。」
「えっ?」
「でも、お嬢さまの気持ち、分かってあげられなくて・・・。」
「どういうことですか?」
「お嬢さま、今日の・・・この花火大会、僕と一緒に行きたがっていたそうなんです。なのに、僕は・・・前日だったらお嬢さま、絶対に許してくれると思ったから・・・なのに、どうして・・・!」
「・・・そういうこと、ですか・・・。」
頭をなでた千桜。次第に距離は近づいていって・・・ハヤテを抱きしめる。
「大丈夫、ですよ。それに・・・約束したのは私です。だから、私にも責任はありますよ。だから、一緒に・・・謝りましょう。」
「千桜、さん・・・。」
打ち上げられる花火、それは・・・ハヤテの涙を彩っている。
「綾崎くん、泣かないでください・・・綾崎くんが悲しいと、私だって悲しくなってしまいますよ。」
「千桜さん・・・。」
「きっと、ナギさんだって・・・綾崎くんのこと、嫌いになった訳じゃないですよ。」
「・・・いなくなれって。」
「えっ?」
「いなくなれって言われました。」
そこまで言われていたのか・・・そう思うと、悲しくなる。でも、ここで泣いては・・・事態は回復するわけでもない。
「・・・だったら、私のそばにいてください。」
「えっ・・・?」
「いざとなったら、私の執事でも良いですから・・・それでもいいので、綾崎くん・・・私のそばにいてください。」
「・・・それはできませんよ。僕は、ナギお嬢さまの執事・・・お嬢さまを信じていますから。」
その言葉、それは真実なのだろうか・・・千桜は急に真面目な表情になった。
「だったら、泣かないでください。」
「千桜さん・・・。」
「私は泣く綾崎くんより・・・一生懸命な綾崎くんの顔の方が嬉しいです。」
「・・・はい、すみません。」
すると、千桜にハヤテはキスをした。
「・・・やっぱり、千桜さんが好きで良かったです。」
「ふ、不意にやらないでくださいよ!そ、その・・・雰囲気が味わえじゃないですか!もう・・・。」
「はははっ、そんな千桜さんも何だかかわいいです。」
二人でいられること・・・それが今できているのなら、それで・・・二人は幸せだった。しかし、次の瞬間・・・。
「ハヤテくん!」
後ろを振り向くと、マリアが走ってくるのが見える。服はメイド服であるが。
「あれ、マリアさん・・・どうかしたのですか!?」
「はあっ・・・はあっ、今・・・ナギと咲夜さんと一緒に来ていたのですが、その・・・ナギがあなたに会いに行く途中に、虎鉄さんに・・・連れ去られてしまいました!」
「え、えええっ・・・!」
「なんか、虎鉄さんもあなたに会いたい、と・・・。それで、ナギを・・・そう、ヒナ祭り祭りと同じような感じです。」
「む、むむむっ・・・。」
急に起きた事件。ハヤテは行くべきなのだが、連れ去った犯人が虎鉄であることと、理由が自分に会いたいという変態チックなコトなので、行くことを少し拒んだ。
「いえ、あんな人には会いたくないです。」
と、言ってしまうものなのだ。しかし、マリアは・・・。
「いくら連れ去ったのは虎鉄さんでも・・・ナギの危険は変わりませんよ!」
「・・・で、でも・・・。」
ハヤテは後ろにいる千桜のことを気遣った。しかし、千桜は。
「行ってあげてください。綾崎くんは・・・ナギさんの執事なんでしょう?」
その一言に・・・勇気をもらった。ハヤテは荷物を千桜に預けて、
「千桜さん、ここで待っていてください。また、戻って来ますから。」
「・・・はい。」
「マリアさん、行きましょう。」
「ええ、連れ去られたところに咲夜さんがいるので・・・そこまでご案内したいと思います。」
ハヤテとマリアは走り出していく。そんな二人の後ろ姿を千桜は、ただ見つめて・・・こう思った。
(信じる、綾崎くんも・・・ナギさんも。)
信じるものは交差する・・・だが、それは一つになっていく・・・。そのために、ハヤテは走り出しているのであった。
最終vol.8に続く。ナギを信じる気持ちと千桜を愛する気持ち。
2つの気持ちに答えが出たとき、本当の道が開かれる。
☆コラム☆
・・・ついに、ここまで来ましたね。
あなたの好きな夏祭りラインナップはありましたか?
私はそうですね、以下のラインナップはやりますね。
食べ物
・水飴
・焼き鳥
・わたあめ
・ラムネ
遊び
・射的
・輪投げ
・くじ引き(地域でよくあるよね?)
まあ、こんな感じで・・・。
千桜とハヤテがやったのは、食べ物ではわたあめ。
遊びでは射的と金魚すくいをやったわけですね。
さて、次回は・・・ハヤテラブな虎鉄がナギを誘拐するという・・・。
そして、ハヤテは咲夜に難題を突きつけられる。
最終vol.8は、今夜公開です!お楽しみに!
それでは、失礼します。
この記事へのコメント
楽しく読ませて頂きましたw
なんだろ・・・こっ・・・ここの辺りがムズムズするんですが・・・(ワカリマス?w
いやぁ、もうすっかりファンになってしまいました(汗
そう言えば俺も一通りSS書いてみたんですけど実際書くとなかなか難しいですね(汗
でも楽しく描いたので楽しさが伝わればいいですけどw
では次回も楽しみにしていますねw
なんだろ・・・こっ・・・ここの辺りがムズムズするんですが・・・(ワカリマス?w
いやぁ、もうすっかりファンになってしまいました(汗
そう言えば俺も一通りSS書いてみたんですけど実際書くとなかなか難しいですね(汗
でも楽しく描いたので楽しさが伝わればいいですけどw
では次回も楽しみにしていますねw
2009/08/24(月) 19:48 | URL | larmo #-[ 編集]
こんばんは、とろんべです
はい、被り率15%と言ったところでしょうか、とりあえず安心しております。
夏祭りの定番といえばカキ氷ですね~、特にイチゴ味が定番中の定番ですw
そしてSS(千桜、ワタル双方)を書いているとどうにも表せない虚しさが(爆
「こんな風に女の子と夏祭りに行けたら楽しいんだろうなぁ…」
セカコンさんのSSでさらに虚しさ倍増ですよw
通称「フェス」も残すところあと1話、楽しみにしております♪
それでは失礼いたします(・ω・)ノシ
はい、被り率15%と言ったところでしょうか、とりあえず安心しております。
夏祭りの定番といえばカキ氷ですね~、特にイチゴ味が定番中の定番ですw
そしてSS(千桜、ワタル双方)を書いているとどうにも表せない虚しさが(爆
「こんな風に女の子と夏祭りに行けたら楽しいんだろうなぁ…」
セカコンさんのSSでさらに虚しさ倍増ですよw
通称「フェス」も残すところあと1話、楽しみにしております♪
それでは失礼いたします(・ω・)ノシ
>>larmoさん
ムズムズするところ・・・心とかで今は十分ですよね?
SSは読ませていただきました。初にしてはかなりの良作だと思いましたよ。
なんだか、SSの記事では私のコトを・・・。
そこまで偉い存在でもございませぬぞw
>>とろんべさん
被り率15%とは良かったです、こちらも楽しみが増えます。
かき氷・・・あああっ、それがあったか。私は最近、シンプルにみぞれが好きに。
虚しさ・・・なるほど、女の子と・・・。
私は元の中学の女子に、駅で会って突然笑顔で手を振られたことしかございません。
きっと、そんな日も来ると思ったほうがいいでしょうなぁ・・・。
虚しさ倍増ですか、それは良かったです(?)
それでは、失礼します。
ムズムズするところ・・・心とかで今は十分ですよね?
SSは読ませていただきました。初にしてはかなりの良作だと思いましたよ。
なんだか、SSの記事では私のコトを・・・。
そこまで偉い存在でもございませぬぞw
>>とろんべさん
被り率15%とは良かったです、こちらも楽しみが増えます。
かき氷・・・あああっ、それがあったか。私は最近、シンプルにみぞれが好きに。
虚しさ・・・なるほど、女の子と・・・。
私は元の中学の女子に、駅で会って突然笑顔で手を振られたことしかございません。
きっと、そんな日も来ると思ったほうがいいでしょうなぁ・・・。
虚しさ倍増ですか、それは良かったです(?)
それでは、失礼します。
この記事のトラックバックURL
http://2ndbutlershun.blog60.fc2.com/tb.php/433-cf6fa018
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック