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開設10周年!(2018/10/4)日記と音楽感想、アニメ感想を中心に更新しています。リンク&トラックバックなどはフリーです。

2020/08 |  123456789101112131415161718192021222324252627282930 | 2020/10

こんばんは、セカコンです。
執とら5が10/4(日)に決まったとの情報をSNSの方から知りました。

・・・案外、もう2ヶ月ちょっとしかないんですね。
サークル参加の人は忙しいとは思いますが、頑張ってくださいね。


まあ、私は8/2~4まで四国に旅行に行ってくるわけで・・・。
そこで、その3日間は毎日1部ずつこのSSの最終3部を連続で公開したいと思います。

旅行か・・・この話題もねとらじで勝手に盛り上がるんだろうな。
まあ、空回りしないように頑張っていこうと思いますので、当日は是非聴いてみていただけると嬉しいです。夜10時からですよ。


さて、SSのお話。

今回から、SSの核となる部分・・・そして、ラブコメには欠かせない部分に。
この回で転機・・・かもしれないし、突き進むのかもしれないし。

でも、やっとこのSSらしさがにじみ出るような感じ。
まあ、私のSSらしい・・・といえばらしいですし、だらだらといえばだらだらです。

それに、原作のアテネの最新の設定も加味していますので・・・。
そこらへんは、なんか面白くなってくるのかもしれません。


このSSは全10部。次回からは日、月、火の3日連続公開で。
まあ、今日までも3,4日連続で公開してきたんですけどね・・・。


それでは、vol.7をどうぞ。

~SELL 11 写真~


 連日、暑い日の続くときには・・・多少の雨は逆に待ち遠しくなる。この日は雨であり、歩はなぜか墓地に来ていた。
 「・・・久しぶりだね。」
 歩は墓に花束を手向ける。そして、一回拝むと・・・。少しずつ、涙を流し始めた。

 「お姉ちゃん、あの病気の薬・・・やっと作れたよ。」

 歩が立っているところ・・・それは、『西沢家之墓』。そう、これは西沢家の墓なのである。
 「あなたと同じ病気の人が、今・・・私の初めての担当患者なの。」
 雨のおかげで、墓に水をかける必要はないのだが・・・歩は柄杓で墓に水をかけた。
 「私ね、その人を・・・ちゃんと治療してる。あなたみたいにならないように・・・ね。だから、見守ってて。」
 もう一度拝むと、歩はそこから立ち去り・・・白皇病院に戻っていった。

 
白皇病院に戻ると、そこには何かを持ったヒナギクを来ていた。
 「あら、ヒナさん?」
 「あっ、歩ちゃん・・・その、どこかに行っていたんですか?」
 「いえ、ちょっとそこまでね。あら・・・そういえば、未だに綾崎くんとラブラブ・・・のようね。ここ毎日来ているようだから。」
 「私、生徒会長なんで・・・最近は仕事もないので、毎日来ているんですよ。やっぱり、来られるときはできるだけお見舞いに行こうって。」
 「・・・なるほどね、生徒会長さんなの。」
 歩はヒナギクを見て・・・ふむふむと、少しにやけた表情で頷いた。
 「えっ?何か・・・あるんですか?」
 「いえ・・・凛々しくて、かっこいい・・・女性だなって。」
 「えええっ・・・私、そそそそんな・・・。」
 「で、照れるからまたかわいく思えるのよね。本当に・・・綾崎くんも良い人の彼氏になったわね。うんうん。」
 「か、勝手に納得しないでください!」
 「いいじゃない。私なんて・・・医療の道を歩んでから、私には・・・彼氏なんて作る余裕はなかった。」
 「えっ・・・?」
 歩は歩き出す。ヒナギクはそれを追いかける。
 「勉強も忙しかったけど・・・それ以上に面倒を見てあげなきゃいけない人がいたから。」
 「・・・それだけ、病気の人とかいたのですか?」
 「今はもうないけど・・・ね。」
 「そう、ですか・・・すみません。そんなコトを言わせてしまって・・・。」
 「いえ、別に・・・それに、私が今・・・こうして難病に対して研究したいと思ったのは、その人のおかげだったから。」
 「へえ・・・。」
 「だから、まずは・・・ヒナさん。あなたが綾崎くんの支えとなってください。それでは、私はこれで。」
 歩は颯爽と診察室に戻っていく。その後ろ姿が消えた後に、ヒナギクはハヤテの入院している部屋に向かったのであった。


 歩は診察室に戻る。部屋の電気は消えていたので、電気を点けると・・・ベッドに飛び込んだ。
 「うん・・・疲れた。」
 墓に行くことでさえ疲れる・・・暑いこともあるが、医者というデスクワークであるため、体力にはあんまり自身はない。
 「・・・もう、あれから・・・2年も経つんだ。」
 歩はそう言って・・・ゆっくりと起き上がって、デスクの引き出しを開ける。
 「・・・」
 引き出しから取り出された・・・一枚の写真を見て、徐々に涙を浮かべた。

 (お姉ちゃん・・・絶対に無駄にしない。)

 「お~い、歩ちゃん・・・!」
 咲夜の軽薄な声と共に、歩は引き出しの中にすっと入れた。
 「・・・あっ、咲夜・・・ご苦労様。」
 「いえいえ、歩ちゃんほどでもありませんよ・・・。って、歩ちゃん・・・いつもと服装が違う気がするけど。」
 「・・・うん、お墓参りに行ってきた。」
 「そうなんですか・・・そういえば、あれから2年経つんですね。」
 「ええ、そうね。」
 「生きていれば・・・今年、19歳になっていましたよね。」
 「そうね・・・。」
 咲夜もカルテなどを元の場所に戻している最中に、歩はそばにあったティーセットで紅茶を注いでいた。

 「咲夜、紅茶・・・どうぞ。」
 「あ、ありがとうございます!」

 咲夜も疲れているのだろう・・・涼しい部屋の中での紅茶もいいかもしれない。幸い、もうこの日の仕事はない。
 「あの、歩ちゃん・・・。」
 「なあに?」
 「だからなんですか・・・?その、綾崎さんと瀬川さんを・・・真剣に診ているのは。」
 「・・・そうよ。」
 「でも、歩ちゃん・・・一時は本当に冷酷な女性になるかと思ってましたよ。そう思うと、今・・・ウチは安心してます。」
 「いつのどこの私が、冷酷な女性ですって・・・?」
 ティーカップを勢いよく置くと、咲夜はびくっとした。中に入っていた紅茶の少しがこぼれだしていた。
 「いえ・・・その、歩ちゃんは・・・医者になるまで勉強のとりこになっていたというか、その・・・。」
 「私だって、医者になるには・・・あんな風にやりたくなかったわよ。でも、あいつが・・・すぐに死んじゃうから、だから・・・私はあんな風になった。」
 「・・・?」
 「私が医者にこんなに早くなった理由・・・それは、私の実力だけじゃないって咲夜は知ってた?」
 「えっ・・・?」
 歩はさっき不意にしまった写真を、咲夜に見せた。

 「・・・!えっ・・・!う、嘘・・・!」

 咲夜は驚いた表情をしていた。歩は一回見せると、再びデスクの引き出しに戻した。
 「あれ?さっきは私の弟のコト知ってるっていうようなコトを言ってたのに・・・顔は知らないの?」
 「え、ええ・・・でも、なんで・・・。」
 「・・・そう、弟も綾崎くんと瀬川さんと同じ・・・AF筋肉硬化症候群にかかって、亡くなった。」
 「・・・で、でも・・・なんで。」
 「咲夜、私には・・・彼が来たとき、これは運命なんだって思ったんだ。だから、絶対にこの病気を解明して、あの2人を完治させる。」
 「運命って・・・?」
 歩は再びティーカップに紅茶を注ぎ、ミルクを少し入れてゆっくりとスプーンでかき混ぜる。一口飲んで、ため息をつくと、
 「私には、一人の医者ではなくて・・・一人の人として、2人を絶対に助けたいんだ・・・そして、それが・・・私の思う医者なんだと思うんだよ。」
 「歩ちゃん・・・。」
 「それに、あの2人のおかげで・・・何とか、私は・・・薬を開発することだってできた。」
 「えっ・・・!できたんですか・・・!」
 歩は席を外すと、棚の扉を開いた。そこの中に、とある箱が入っておりそこから何やら、液体と粉末の入っている容器を持ってきた。

 「この2つが・・・AF筋肉硬化症候群に効くと思う薬を作ったもの。」

 咲夜は液体の方の容器を手にとって、ふたを開けて手で仰いで匂いをかいだ。
 「一応、あんまり匂いはしないんですね。」
 「まあ、そうね・・・まあ、良薬は匂いがあると言われているけど、人に飲ませる薬だしね・・・。」
 「それを言うなら・・・口に苦しじゃないんですか?」
 「・・・そうだったかもしれないわね。」
 「でも、この2つの薬が・・・本当に効くのでしょうか。」
 「そのためには、最低限・・・この病院の医院長に許可をもらなきゃいけないのよ。綾崎くんと瀬川さんには、許可はもらったけど・・・。」
 しかし、その医院長と言った瞬間・・・歩はがっかりとしていた。

 「どうかしたのですか?」

 もちろん、咲夜はそれに異変を感じる。
 「いや・・・私がこんなに早く医者になった理由。あれは、医院長のおかげなのよ。」
 「医院長、ああ・・・若いあの人ね。」
 「ええ、あの人が直々に来て・・・確かに、私は大学は飛び級で進んでいったわ。でも、就職活動だってやってた。でも、その人が言ったの『私のところで働かないか』って。」
 「あの人が?人を相手にしないあの人が?」
 「ええ、なんか・・・みんなが思ってるよりも人間らしい表情だった。」
 「あの天王州さんが?」
 理事長の名前は天王州アテネ。白皇学院と白皇病院の2つを経営している・・・いわば、カリスマな若い女性なのだ。

 「でも、その前から・・・私には度々会いに来てた。」

 その天王州アテネとは、歩は2年ぐらい前からの知り合いだった。
 「私のところにやってきて、他の学生さんたちは怖がっていたけど・・・私はそんなコトはなかった。だって、あんなに綺麗な人・・・間近に見ることができたのは初めてだったんだから。」
 「でも、そんな人が・・・なぜ、歩ちゃんの所に来るの?」
 「・・・分からない。」
 「どんなに頭が良くても、一大学生の歩ちゃんに。」
 「ちょっと、今の言葉に殺気を湧いたわね。」
 「ひえええっ!ご、ごめんなさい・・・!」
 「・・・でも、分からない。何故だか・・・覚えているのは、」
 あの時・・・初めて出会ったときのアテネの表情というのは、噂では考えられないような表情、そう・・・。

 「泣いてた。悲しそうに・・・私を見て、泣いてた・・・。」

 悲しげになく顔しか思い浮かばなかった。それも、歩に向かって泣く・・・アテネのあの表情は今でも忘れられない。
 「私を見て泣く、彼女の姿は・・・私に何を訴えていた。」
 「・・・それって、何なんですか?」
 「・・・分からないわ。でも、当時の私にとっては・・・どんな後ろめたいコトがあったとしても、白皇病院で働けることは名誉だった。だから、私は・・・笑顔という仮面を被って、彼女に付き合うようになった。」
 「えっ・・・?」
 「でも、医者になったときは・・・彼女は冷酷な女性に変わっているときは驚いたわよ。まるで、あの人の使いごまのように・・・まずは先輩医師の診察の様子を、研修医という形で働くことになったの。」
 「そうなんですか・・・。」
 「本当に、あの時の私は・・・お金と権力だけを狙ってた。今の私なんて、あの時の私にとっては嫌な存在だったかもしれない。」
 「・・・でも、私は・・・。」
 咲夜は笑って、歩の手を握った。
 「今の歩ちゃんの方が・・・ずっと、ずっと好きです!だから、今の歩ちゃんだったらずっと働ける気がするんです。」
 「咲夜・・・。」
 「あの時、私が泣いているときに・・・キスしてくれた歩ちゃんみたいに。」
 「・・・!あれは、若気の至りだとその後から何度も言ってるでしょ!もう・・・思い出させないでよ!」
 冒頭でも出てきたこのこと・・・あんまり関係ないが、とにかく咲夜がケンカに負けて悲しんでいるときに、歩が元気づけるための最終手段として取ったのが口づけだったと言うことだ。

 「もう・・・。でも、私は・・・綾崎くんと瀬川さんを救いたい。」

 歩は出しておいてあった薬を、棚の中に戻した。
 「だから、咲夜・・・長いかもしれないけど、治療の方・・・私と一緒にやってもらうからね。」
 「もちろんです、こちらこそ喜んで。」
 今一度握手をして、それぞれはゆっくりと休んだのであった。


~SELL 12 甘心~


 この日は、とても雨が降りそうな感じであった。外を見ている泉と、読書をしているハヤテ。ハヤテの読んでいる本、まあ・・・最近話題となった恋愛小説を、ヒナギクから貸してもらった。

 『キミの隣に僕を置かせて欲しい。』

 なんて言葉に一瞬目をやったが、なんか「けっ!」と思ってしまい・・・告白のシーンの部分は一気に読み飛ばした。
 「瀬川さん。」
 「ほえ?何かな、ハヤ太くん。」
 「人って、どんな告白をされると嬉しいんでしょうかねえ・・・?」
 「ほえほえほえ!?」
 泉はかなり頬が赤くなっている。

 「なな何を訊くのかな・・・!?」

 そして、かなり動揺しているという結末。外はやがて雨が降り出してきた。
 「そうだね・・・私はどんな告白でも嬉しいな。」
 「やはり、そういうものなんですか・・・。」
 「だったらさ、ハヤ太くん・・・ヒナちゃんにはどうやって告白されたの?」
 「・・・うぐっ!!」
 泉の質問は普通にこの話しのレールに乗っていれば、必ず訪れる停車駅なのだ・・・でも、ハヤテは何故かココロに突き刺さった。
 「あ、あれれ・・・どうしちゃったの!?」
 「いや・・・その話しをされるのは、ちょっと・・・。」
 「えっ?ふられちゃったの?」
 「そう言うわけではないんですけど・・・僕からじゃなくて、ヒナギクさんの方から告白されたんですよ。」
 「へえ、それもそれで・・・普通と思うけどな。」
 「でも・・・。こういう場では良いんですけど、少し人の多いところだと・・・彼女の支線が痛く思えるときがあるんです。」
 「えっ?」
 それを思い出すと、ハヤテはガチガチに震えだした。

 「でも、確かに・・・ヒナちゃんがそういう風に言うイメージはないな。」

 「そうなんですよ、彼女・・・プライドが高いじゃないですか。だから、学校だけでも・・・これまでの雰囲気を保ちたいらしいんですよ。」

 まあ、いわゆる・・・ハヤテの前ではデレデレの彼女、白皇学院の生徒の前では凛々しい生徒会長という2つの表情を作りたいそうだ。
 「なるほどねぇ・・・ヒナちゃんも、案外可愛いところがあるじゃん。」
 「まあ、ヒナギクさん・・・彼氏になって思ったんですけど、きっと・・・普段見せられないところを見せてくれているんですよ。」
 「うわぁ~。ハヤ太くん、青春しちゃってるね!」
 泉はヒューヒューとハヤテをはやし立てた。ハヤテはそう言われると、少しだけ顔が赤くなって・・・少しうつむいた。
 「ヒナギクさんに告白されて・・・それで、そのまま・・・僕も承諾して、なんか・・・キスしたって言うのが真実ですね。」
 「うわぁ・・・ヒナちゃん、さすがは大人の女性だねぇ~。」
 「瀬川さんは、昔・・・好きになった人とかはいなかったんですか?」
 「そうだね、昔はいないね。」
 「そうですか・・・でも、泉さんはかわいらしい方だし、笑顔もステキなので・・・これからもけっこうモテルと思いますよ。」
 「・・・あっ、ありがと・・・。」
 ハヤテはベッドの横にある机にある・・・チョコレートを一粒、泉に不意に投げて渡した。

 「おおおっ、チョコだ!」

 泉はあんまり動かない腕を精一杯伸ばして、チョコを見事につかんだ。
 「す、すみません・・・。」
 「ううん、いいんだよ。チョコ・・・ありがとう。」
 たぶん、最初にあったときに挙げたチョコ・・・だった気がする。あのアーモンドチョコだった気がする。泉は喜んで食べた。
 「うん、おいしい。」
 「おいしいですよね、これ・・・なんか、ヒナギクさんがくれるんですけど・・・まあ、泉にもあげなさいって言うので。」
 「ヒナちゃん、私を太らせるのかなぁ。」
 「やはり、女性だと・・・そういうコトも考えるんですね。」
 「だ、だってぇ・・・太ってるとモテなくなっちゃうよ!」
 「うん・・・そうなんでしょうかね。僕はそういうの・・・一般範囲だったら、全然構わないんですけどね。」
 ハヤテもアーモンドチョコレートを食べる、やはりおいしいのか・・・自然と笑みがこぼれだしてきた。

 「さてと、今日はこのくらいに・・・。あっ・・・。」

 本のしおりが、ハヤテと泉のベッドの間に落ちる。
 「あっ、とらなきゃ・・・。」
 手の届きそうな範囲だったので、ハヤテは手を伸ばしてしおりを取ろうとした・・・だが、その時だった。

 『ドカン!!』

 外が光るのがハヤテにも分かった。そして、同時に泉の叫び声と共に、ハヤテにはおもりがのしかかった。
 「うわあっ・・・!」
 ハヤテの上に泉が落ちてきて、ハヤテは動かない脚を・・・床に鉄のごとく、ただそのままに落ちて、床の上に倒れた。

 「きゃあっ!」

 そして、泉は・・・ハヤテの上に倒れた。

 「瀬川さん・・・。」
 「・・・いたたっ。」

 しかし、ハヤテも・・・泉も動くことがその場すぐではできなかった。ハヤテは手で、泉の体を離そうとした。しかし、泉はそれを拒んだ。
 「泉さん、早く・・・ベッドに戻ってください。」
 「・・・」
 「ほら、僕が体を起こしてあげますから・・・何とか、足とかを使って・・・ベッドに戻ってください。」
 「・・・嫌だ。」
 「えっ・・・?」
 ハヤテの顔のすぐそこには、泉の顔があった。それは、ハヤテを真剣に見る・・・一人の女の子の顔だった。

 「ハヤ太くん、私・・・ハヤ太くんのこと、好き・・・。」

 「えっ・・・瀬川さん、んっ・・・!」

 そして、次に来たのは泉からの口づけだった。それは、チョコを食べたせいなのか少し香ばしくて甘く感じた。しかし、最悪の時が来た。

 「ハヤテくん・・・どこにいるの?」

 ヒナギクが来た。ヒナギクが・・・ハヤテはほとんど動かない脚を必死に動かし、それがベッドに当たる。その音に、ヒナギクは反応して2人の光景を見た。
 「・・・ハヤテくん、どういうことなの・・・?」
 「ヒナギクさん、これは違うんです・・・!」
 「違う・・・それって、泉に・・・キスされても、違うって・・・い、言えるの・・・?」
 「ほら、瀬川さん・・・早くベッドに戻って、んっ・・・!」
 ハヤテに見えたのは・・・近すぎる泉の顔と、ヒナギクの・・・見開いた目と、悲しげに流れる涙であった。

 「ハヤテくん・・・私って、泉よりもだめなの・・・?」
 「だ、だめじゃないです。ヒナギクさんのおかげで・・・僕は、今・・・ここにいるんですから。」
 「でも、何だか・・・泉の方が笑顔になってる。」
 「えっ・・・。」
 「私、ハヤテくんの病気で不安で・・・不安でしょうがなくて。笑顔なんかになるのなんて遠くて、何にもできない。だったら、泉の方が良いんじゃないの・・・?」
 「そんなことないですって。」

 ハヤテはあくまでも冷静に答える。泉に抱かれて・・・たとえキスされたこの時でも。
 「信じたくないよ・・・それだったら、泉のキスだって嫌だって断ってよ。それなのに、どうして・・・キスなんてしてるのよ!」
 「そ、それは・・・手とか動かなくて、止められなかったというか・・・。」
 その瞬間、ヒナギクは持っていた紙袋を落とした。

 「・・・ハヤテくんのばかっ!泉の方が良かったら、泉とずっと同じベッドの上でキスしてれば!」

 ヒナギクは泣きながら、部屋から去って言ってしまった。
 「ヒナギクさん・・・!」
 追いかけるコトなんてできない・・・それは分かっているのに、病気のせいで動いてくれない。だが、動かないのはこれだけではない。
 「瀬川さん・・・放してください!」
 「嫌だっ!!」
 「えっ・・・?」
 「私、孤独は嫌だったの!でも、ハヤ太くんが・・・私の溝を埋めてくれる。それに、私の孤独を優しくカバーしてくれる、そんなハヤ太くんに・・・私は一緒にいて欲しかっただけなの!」
 「約束したじゃないですか、病気が治るまで一緒に頑張りましょうって・・・。」
 「ううん、それだけじゃない・・・。」
 泉は涙を流した。

 「ずっと・・・ハヤ太くんのそばにいたいって思えたんだ。」

 笑顔になって・・・泉は今一度キスをした。
 「・・・泉さん、ごめんなさい。僕は・・・やはりヒナギクさん以上にかけがえのない人はいません。」
 「・・・ごめんね。こんな状態になったら・・・気持ちが抑えられなくて。」
 「いいですよ、泉さんの気持ちが聞けて・・・嬉しかったです。」
 「でも、ヒナちゃんを怒らせちゃって・・・ごめんね。」
 「・・・いいですよ。」
 ただ、そういう風に優しく言うことしかできなかった。だって・・・それまでの涙よりも、強く・・・泣いていたのだから。

 動かない体を無理に動かすこともなく、泣き止むまで・・・ずっと泉のコトを抱きしめていたのであった。


vol.8に続く。誤解のようで誤解ではない。しかし、キスは事実であった。
歩は医院長兼かつての友人のアテネに、ある話を持ちかける。



☆コラム☆

やっとここまで・・・来たぜ、セカコンです。

いや・・・やっぱり、ラブコメはこういうコトさせなきゃねw
・・・いえ、こういうコトはきちんと設定されていたんですよ!

まあ、西沢さんとアテネはかつて・・・友人、まあ・・・話す相手だったという。
・・・意外かもしれませんし、最近のサンデーを思えばやはりという方もいたかもしれませんね。・・・やっぱりねw


このSS・・・続きは8/2~4までの最終3部連続公開で。
もちろん、ボリュームも多くなりますし・・・感動と驚きの結末に向かうでしょうね。

最大のポイントは、ハヤテとアテネの繋がり・・・ですね。
正確には、アテネがハヤテをどう想うか・・・そして、ヒナギクと泉たちとの・・・ハヤテを巡る想いなどが、このSSの最大のみどころ。

まずは、日曜・・・楽しみにしていてくださいね。


それでは、失礼します。
コメント
この記事へのコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/07/30(木) 21:26 | | #[ 編集]
Re: タイトルなし
>>非公開の方

頑張らせていただきますw
次回は日曜日なのでお楽しみに。
2009/07/30(木) 21:53 | URL | セカコン #-[ 編集]
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