日記と音楽レビューを中心に更新しています。リンク&トラバなどはフリーです。

2017/02 |  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 | 2017/12

こんばんは、セカコンです。
今日も暑かったです、東京は。8月はどれだけ暑くなるんだ?


ゆりばな イメージイラスト。


はい、今回で完結します。ここまでは長かったです。
百合というテーマにぶつかり、いつしかは恋愛に繋がった。

・・・今回の部分は、まさに恋愛というような感じです。
まあ、私のSSでは今までに見られなかった終わり方かもしれません。


それでは、vol.7をどうぞ。


~EPILOGUE 真心~


 翌日の空はとても青く輝いていた。

 そして、とても日が照りつけていた。

 この日は、ヒナギクは生徒会の仕事も特になく、普段通りの登校で・・・他の生徒と一緒の時間であった。
 (うん、歩が昨日・・・言ってくれたんだ。)
 見えないバックアップがある。それは、昨日の・・・歩の言葉だった。

 『自分の気持ち、言えば絶対に伝わるよ!』

 それを力強く言われたこと。よほど、その言葉に自信があるのだろう。その時の歩の目は輝いていた。
 「そうだ、言える・・・言える。」
 まだ、放課後の時間まで7時間以上もあるというのに、今から緊張状態となっていた。教室までは誰とも話しかけずに。

 そして、教室に着いた頃のことである。

 「おはようございます、ヒナギクさん。」
 「あっ・・・ハヤテくん、お、お、おはよう・・・。」

 やはり、昨日のこともあったせいかヒナギクは素直にハヤテの顔を見ることができなかった。小さい声もその影響である。
 「・・・」
 だが、ハヤテはそんなコトに反応することはなかった。それは鈍感だからと言うわけではなくて、気遣いという意味で。
 「おはよう、ヒナちゃん。」
 「うん、おはよう。泉。」
 それに打って変わって、元気な泉には元気におはようと言った。
 「おやおや・・・ヒナちゃん、この前よりも元気だね。」
 「うん、そうかな。」
 「そうだよ!・・・なんだか、いつものヒナちゃんに戻ったって感じ!」
 「・・・ありがと。」
 それは、いつもの自分・・・それは、普段の輝きを戻したということで、言えないことが素直に言えるようになったということなのだろうか。

 それは今も分からずに、自分の席に着いた。・・・と、する直前のこと。

 「・・・あっ、お、おはようございます。会長。」
 「・・・!」
 話しかけたのは千桜であった。ヒナギクは一瞬目を見開きながら千桜の顔を見た。そこには、少し落ち着きのある表情があった。
 「会長・・・?」
 「あ、お、おはよう・・・千桜。」
 「・・・」
 緊張してしまったせいか、いつもの「ハル子」ではなくて「千桜」と呼んでしまった。だが、2人の今の関係上それを注意することはなかった。

 放課後に話そうという約束もあるせいなのか、それからはたいした進展も見せることなく・・・誰ともハヤテと接することもなく、そのまま放課後まで時は進んだ。



 放課後、誰もいなそうなところに・・・ヒナギクは誘われた。そう、千桜が誘って・・・ハヤテが後から付いていくという形であった。

 「・・・会長。いや・・・ヒナ。」
 「・・・!」
 「私は、最近・・・ある人のことが好きになりました。それは、不覚にも・・・ヒナと同じ・・・男性の方。」
 「・・・ハヤテくん?」
 「・・・その通りです。私は、ハヤテ・・・いや、綾崎くんでしょうか。私は、彼のことが・・・好きです。」
 千桜はヒナギクの顔を真剣に見つめて、そして・・・メガネを外した。
 「私、メガネかけてるからクールだって言われますけど、本当はメガネ・・・外したい気分なんです。好きな人の前では。」
 「へえ、そうなの。」
 「ど、どうですか?私のメガネを外した姿は。」
 恥ずかしそうに千桜が訊く。それに対して、ヒナギクは小さく笑みを表した。

 「とても、かわいいわ。」

 一言、そうつぶやいて。千桜はほっと一息ついて。
 「ありがとうございます。」
 「うん、なんだか・・・今までのハル子のイメージが、一気に変わっちゃった感じがしたな。」
 「そうですか。」
 そして、急に真剣な表情と変わる。

 「私、これが・・・できなくて。」

 「えっ・・・?」

 「私、今まで・・・このことができなかったんです。メガネを外して、いや・・・もっと、クールじゃなくて・・・かわいらしく、人と接してみたいという気持ちを前に出すことが。」
 「ハ、ハル子・・・。」
 千桜の目から流れる、一つの線。それは、ヒナギクの心を揺さぶった。
 「それがなかなかできなくて、その上に・・・綾崎くんのことを好きになってしまった。それは、苦しくて・・・悲しみました。なんて、自分は弱いんだって・・・。」
 「・・・」
 同じだったのだ。千桜も・・・ヒナギクも。そして、この場にいない歩も。一歩、それが・・・なかなか踏み出せない弱さが、今回の発端であることに。

 「私、綾崎くんに告白したとき・・・本当に泣きそうでした。いつにない自分を見せて、好きな人に告白をしたんですから。」

 千桜は泣き崩れそうだった。しかし、こらえて・・・続ける。
 「振られると思ってました。でも、綾崎くん・・・好きだって言ってくれて、キスまでしてくれて・・・嬉しかったんです。それだけで・・・。」
 「それは、嬉しいに決まってるわ。好きな人に、キスまでされたなら。」
 「でも、同時に不安になったんです。優しい綾崎くんには、他にも好きな人はいるんだって。それは案の定、翌日に分かりました。ヒナ、あなたが・・・綾崎くんのコトが好きだと分かったとき、私は・・・悪い気持ちになってしまった。」
 その「悪い」という言葉には2つの意味があった。

 1つ目は、ヒナギクがハヤテと話しかけたときに無理矢理に止めてしまったこと。
 2つ目は、ヒナギクが歩と相思相愛になって、その上ハヤテが傷ついてしまったことへの罪悪感であること。

 「ごめんなさい、ヒナ・・・。」
 「ううん、私だって・・・同じだったの。それが、千桜には分かっていて・・・私には分からなかっただけなの。ごめん、ハル子・・・。」
 そして、後ろから近づく・・・一人の人間。

 「ヒナギクさん。」

 ヒナギクは身震いをした。気づいていなかった・・・ハヤテがいたことには。とっさに後ろを振り向いた。
 「ハ、ハヤテくん・・・。」
 「ヒナギクさん、僕に・・・話したいことがあるんですよね。」
 「う、うん・・・。」
 勇気だ・・・勇気。そして、自分の・・・いけない殻を割って、ハヤテに思いを伝える。ついに、その時はやってきたのだ。
 ハヤテはもう、どんな言葉が来るのかが分かっていたのか、柔らかい表情を作っていた。ただ、その時を待って。


 「私、ハヤテくんのことが・・・ずっと前から好きでした。」


 優しく、何だか・・・自然と言えた。ヒナギクにとっては心臓はドキドキモノであり、脚は震えていた。
 「ヒナギクさん、その言葉が聞けて・・・嬉しいです。」
 「えっ・・・。」
 「どういう風に返事をして良いのかは分かりませんが、僕は・・・千桜さんも、ヒナギクさんも・・・同じぐらいに大切で、同じぐらいに好きな方たちです。」
 「ハヤテくん・・・。」
 「ヒナギクさん、安心してください。」
 「えっ・・・。」
 ゆっくりと近づかれて・・・ハヤテに頬を触れられて。そして、お互いに・・・キスをしたのである。

 (これが、私の求めていたもの・・・ハヤテくんとしたかったことなんだ。)

 そう思うと、涙が出てきた。そして、もっとしてほしかったのかハヤテの体を自分の方に近づけた。
 「んっ・・・。」
 それだけ、ハヤテの優しい温かさが伝わってきた。
 「ハヤテくん・・・。」
 「これで、千桜さんと・・・ヒナギクさんは同じですよ。決して、誰が前に出ているとかではありません。」
 「う、うん・・・。」
 ヒナギクはにっこりと微笑んだ。

 「やったね、ヒナさん!」

 「えっ・・・?」

 草むらから出てきた歩。潮見高校の制服姿で登場し、それはこの時を待っていたかのように。にっこりと笑っての登場だ。
 「ヒナさん、やっと・・・いつものヒナさんに戻ったね。」
 「あ、歩・・・。」
 「へへへっ、私との予行練習も上手くいったみたいだし・・・。なんだか、ちょっと嬉しい気分かな?」
 「えええっ、あああっ・・・そそそっ、そそそんなこと、ひひひ人前で、いいい言わないでよ!」
 「あははっ、照れてるヒナさんかわいいな。」
 この2人の掛け合いを見て、千桜は・・・百合になるのも自然かもしれないと、静かに納得をしたのである。

 「ハヤテくん、私も・・・ハヤテくんのコトが好きだからね!」

 歩は軽い口調で言って、ハヤテにキスをした。
 「んっ・・・。はあっ、やっぱりハヤテくんとのキスの方がおいしいね。」
 「えっ、おいしいってどういうことなのよ。」
 「まあ、男性と女性の唾液が絡み合うのって・・・なんだか、新たなうまみ成分が生まれるような気がするの・・・。」
 「ふ、ふうん・・・そうなんだ。」
 ちょっとついて行けない・・・ヒナギクはそう思った。何でも、食べ物関係に変えてしまう歩にはついて行けないのであろう。

 「ハヤテくん、私、大好きだよ。」
 「・・・分かっていますよ。西沢さん。」

 3人とキスした関係となったわけであるが、ハヤテは前と変わらない平常心であったのだ。もしかしたら、これがこれからの普通になるのかもしれないが。

 「じゃあ、今日はハル子の家に行くわよ!」
 「私の、家ですか・・・?」
 「だって、ハル子の部屋とか見たいんだもん!」
 「あっ、私も興味あるかも・・・。」

 3人の会話を見て微笑んだハヤテ、そしてヒナギク、歩、千桜の3人で言った。

 「もちろん、ハヤテくんも一緒にね!」

 「・・・はい。」

 一つの壁は何とか自分の弱さという壁で、打ち崩すことはできた。もしかしたら、これからも多くの壁が立ちはだかるかもしれない。
 そして、大きな溝もできるかもしれない。

 でも、これだけは言える。

 この3人は同じスタート地点に立ち、同じ条件の下に立っている。


 それを胸に秘めて、笑顔の崩れることのない・・・これからの生活を送っていくのであった。


『ゆりばな』 Fin



☆コラム☆

まずは、ようやく完結できました。
はい、ここまで・・・2ヶ月半。途中、いろいろとSSを挟んだわけですが、完結が無事に迎えることができて嬉しいです。

これ、10000HIT記念プロジェクトでやろうとしたSSなんですよね。
実際は、あと500で30000HITという・・・。

まあ、それだけ時は進んだとも言えるし、このブログの認知度なども上がったんだなと、今になると思えることのできるSSとなりました。


百合・・・難しかったです。何かと恋愛になって。
次回、こういうSSをまた書くときがあればもっと・・・極めますw


とりあえず、最後まで読んでいただきありがとうございました!

次のSSは、探偵チハルSSです。
アキバで起こった殺人事件・・・千桜は知能を生かして解くことができるのか。

お楽しみに!!


それでは、失礼します。
コメント
この記事へのコメント
なんか、みんな軽すぎませんか?
キャラの性格をもう少し原作に沿って欲しかったです。

あ、でも泉ちゃんはすごくよかったです!!

2011/09/17(土) 00:23 | URL | はむすた #XZ039GEA[ 編集]
Re: タイトルなし
>>はむすたさん

もう2年以上前の作品ですか。
とにかく「百合をテーマに書いてみたい!」と思っていた時代でした。

確かに軽すぎですね。
何だか原作云々よりも私欲がキャラに入ってしまった感じです。


泉ちゃんよかったですか、どうもありがとう。


こういうある程度前の作品にコメントを頂けるのは嬉しいことです。
これからも気軽にコメントをどうぞ。
2011/09/17(土) 11:37 | URL | セカコン / 桜庭かなめ #-[ 編集]
jy67ggi
v-218最高!
泉の存在は結構大きいです これからも期待してます!
2013/06/02(日) 21:44 | URL | ヒナMoe #0m9uSL9Q[ 編集]
Re: jy67ggi
>>ヒナMoeさん

コメントありがとうございます。

この話では泉がヒナギクの心を支えていた気がします。
もう4年も前に書いた話なので懐かしい限りです。

新作SSの執筆は申し訳ありませんが終わりにすると発表しました。
その代わり今まで公開した作品はこれからも公開し続けますので、楽しんでいってもらえると嬉しいです。また、何時でもコメントをください。


それでは、失礼します。
2013/06/02(日) 22:11 | URL | セカコン / 桜庭かなめ #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://2ndbutlershun.blog60.fc2.com/tb.php/381-b91fb00d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック