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さて、SS『Love so sweet』vol.1です。
究極のLoveSSです。ついに・・・始まりました。これまでにないクオリティです。

夏休みに突入した7月下旬。ナギは昔、祖父である帝からとあるモノをもらったことを思い出していた。
しかし、それによって・・・全てが変わってしまうことになるなんて。

題名にあうような甘い恋、そしてあわないようなシリアスなラブストーリー。
ここに、その一つの話が始まります。長いですが・・・よろしくお願いします。

それでは、vol.1をどうぞ!
『Love so sweet』

~PROLOGUE Losing Heart~

 最近、ナギは不安が募っていた。

 『ハヤテは自分のコトが好きなのだろうか。』

 そのコトに対して。
 ハヤテは自分に対しては、あまり恋愛の感情を出すことはない。むしろ、自分の方だけがハヤテが好きである。いわば、片思いのような状況に・・・気づかない間になってしまっていたのである。
 ナギはハヤテのことが好き。しかし、ハヤテは自分にそういう目線で向いてくれない。ハヤテの性格上、ナギのことを執事という目線で割り切って普段は接しているのだが、ナギにとってはそれが嫌だった。

 ハヤテと出会ってから7ヶ月経った、とある夏休みの初めの頃の話である。

 今日もナギは三千院家の屋敷にいた。ナギは夏休みになると急にテンションが高くなる。なぜなら、たいていの学生と同じで学校で勉強しなくていいから。といっても、ナギは普段から学校にはあまり行かないのだが。
 「なぜだ・・・今日も外は暑い。・・・なあ、どうして夏休みがあるのだ?マリア。」
 ナギは自分の部屋でとある一つの器具の前で、マリアに唐突に訊いてみる。
 「は、はい・・・?」
 「だから、どうして夏休みがあると訊いているのだ。」
 「・・・」
 (ナ、ナギ・・・あ、あなた・・・急に、な、なんということを・・・)
 苦笑いのマリア。どうしてそんなコトを訊くのかはよく分からない。
 「ナギ・・・なぜそんなコトを?・・・もしかして、学校に行きたかったんですか?」
 「そんなコトは、百も承知であり得ない。」
 「なんか・・・言葉の使い方が違う気がしますが。・・・ナギ、でも・・・どうしてそんなコトを訊くのですか?」
 「・・・」
 マリアは自分の中でナギの言うコトの真意を、じっくりと考えて意図を探ってみる。しかし、ナギの口からは決してでないような言葉だったので、なかなかその言葉に込められている思いは、いくら昔からのハウスメイドのマリアでも分からなかった。
 「・・・分かりません。」
 「えっ、何が?」
 「ナギがなぜそんな言葉を言うかです。・・・なんですか?夏休みがどうしてあるかですか?」
 といっても、マリアにとってもなぜ夏休みがあるのかはあんまり知らなかった。
 「ああ、なぜ・・・」
 「そうですね・・・作者の話によると、暑すぎて勉強に集中できないので、逆に夏休みをとった方がいいといういわれがあると聞いていますよ。」
 「・・・このSSの作者は信用できるかっ!・・・でも、その答えも・・・一理あるかもしれないな。」
 しかし、マリアは苦笑い。
 「でも、白皇学院って・・・教室のみならず、校舎の中のほとんどは全館冷房付きだと思いましたが・・・」
 「そうだったな・・・」
 そう言うナギの表情は、マリアにとって今まで見たことのない種類の浮かない表情。ナギはHIKIKOMORIな部分があるというのは、マリアは承知の上であり・・・いつものナギの表情は、どこかしら不機嫌な表情が常につきまとっていた。
 「でも・・・本当にどうしたのですか?ナギ・・・普段にないがっかりとした表情をしていますが。」
 「その表情はもう・・・前にも見たことがあるだろう?」
 「ええ・・・」
 それよりも気になるのは・・・ナギがいじっている装置。明らかに何かを発射させるものだとはマリアはすぐに推理できる。一見、水鉄砲のような幼稚なものかつ軟弱そうに見えるが、よく見るとしっかりとした原材料でできていた。
 (というか、そのマシンガン的なマシンは何なんですか・・・!)
 と、そう思っているとナギの口元がにやりとする瞬間が見える。明らかに何かを企んでいる。マリアは何か嫌な予感がした。
 「ハヤテ・・・夏休みだというのに、どうして・・・普段と変わらずに、私と接する時間が長くならないんだろう。」
 やっぱりハヤテくんだったんですか、とマリアはただ苦笑いをすることしかできない。
 「そうですね・・・それだけ、ハヤテくんは執事の仕事をすることを楽しんでいて・・・」
 「執事って、主に仕えるものだと聞いている。・・・○イちゃんの執事の柴○理人は、主である東雲○イのずっとそばにいた!なのに、ハヤテは・・・ハヤテは、私のそばにいない。」
 「あれは、聖○チア女学園の中のことで・・・それに、あの学校は生徒寮というものがあって、オンブラ寮と言いまして・・・同じ部屋に過ごすことになるのです。それは、必然的に一緒になるのでは・・・?」
 (まったく・・・ナギったら。また、漫画の影響を受けたのね・・・)
 ナギにとってはその漫画の影響は人一倍に強かった。というか、そんなに影響を受けるのは日本にはナギぐらいしかいないと言っても良いほどだ。
 「それに、学校に行くときは・・・ハヤテくんと2人きりで行けるじゃないですか。それに、あの2人はヘリコプターですよ?」
 「・・・そうだ。」
 「ナ、ナギ・・・」
 「ハヤテに・・・もっと、もっと・・・あの漫画の主人公である、柴○理人のようにもっと私のそばに仕えるべきであるのだっ!」
 「・・・」
 ナギのその言葉の意味に・・・マリアは少し微笑んだ。
 「もしかして、あの漫画の主人公のように・・・ハヤテくんが“もっと”かっこよくなってほしいというコトですか?」
 マリアが“もっと”をつける理由・・・それは、ナギと同じような気持ちが心の中にどこかにあるからである。
 「なっ・・・ち、違う!そ、そんな・・・わ、私は・・・」
 「そんなに隠さなくてもいいんですよ・・・?まったく・・・ナギったら。ハヤテくんがそうなってほしいのは、いつも思っているでしょう?」
 「う、うん・・・」
 「本当は、もっとハヤテくんと・・・遊びでも何の形でもいいから、ずっと・・・そばにいてほしいだけなんでしょう?」
 ナギはマリアに核心を突かれたことを言われたため、ナギにはすぐに返事ができない。ナギは沈黙をしている。手に・・・マシンガンのようなものをいじりながら。
 「・・・」
 特に、マリアも返事を求めるような言動やそぶりをすることもなく・・・ナギが答えるのをただ待っている。いつも通りの優しい笑顔で。
 「・・・ああ。ハヤテは真面目すぎるから・・・学校には毎日行って、屋敷の中でも・・・仕事をさぼるコトなんてそうそうしない。」
 「そうですね。彼が三千院家に来てから・・・私の仕事のする量がだいぶ減ったので、とても楽になりましたね。」
 「うん・・・マリアだって、ハヤテに感謝していて・・・きっと、ハヤテは学校でもそういう風に接して、ハヤテのことが好きになるやつは必ず出てくる気がするんだ。」
 「・・・?」
 素直な言葉を並べた文章に・・・マリアは何か違和感がある。
 「だから・・・不安になって。・・・せめても、この夏休みだけでも・・・ずっと、ハヤテと一緒にいたいと思った。」
 でも、それは・・・既に成り立っているのではないのか?マリアはそう思ったが、何も言わない。
 「でも、どうして・・・そんな素直な気持ちに?なんだか、ナギだったら・・・『あんなスーパーヒナギクがハヤテに惚れるわけなんかない!』とか、胸を張っていっていたじゃないですか。」
 「うん・・・でも、なんか・・・不安なんだ。」
 「えっ・・・」
 「ハムスターで・・・なんとなく、分かったような気がするんだよ。ハヤテは、ちゃんと・・・恋心を抱くような女がいるって。」
 ナギの表情が、怒りというより・・・悲しみの方が大きくなっている。
 「だったら、今・・・ナギがハヤテくんを呼べばいいじゃないですか。ハヤテくんだったら喜んで・・・」
 「・・・だめなんだ。」
 「ど、どういうコトですか!ナギ!・・・いつものあなたらしい言葉ではありませんよ!」
 マリアはナギの腕をつかんで、少しばかり揺すってみる。ナギの表情は変わらない。
 「ハヤテは・・・私を嫌がるかもしれない。・・・今まで、わがままばっかり言ってきたから。ハヤテは・・・」
 「ナギ・・・ハヤテくんは、今まであなたのわがままを聞いてきた・・・そうかもしれません。でも、だからこそ・・・ハヤテくんはより笑顔であなたに接してくれると思いますが?」
 そして、ナギの口元はにやりと・・・何か作戦があるように、少しずつ・・・その言葉を聞いてからナギは少し笑い出した。
 「な、なんですか・・・?ナギ・・・」
 (どういうことでしょうか・・・がっかりしたり、笑ったしたり・・・今日のナギ、何かおかしい気がしますわ。・・・絶対に、ナギの手元にあるマシンガンのような物のせいであると思いますが。)
 その通りだった。ナギの思惑は、手に持っているマシンガンのような物に全てあったのである。
 「マリア・・・でも、私は・・・言わずと知れたかの大富豪、三千院帝の唯一の血縁関係を持った人間である三千院ナギだ。・・・ここで、ただ・・・悲しんでいるだけの私ではないことをマリアは当然知っているよな。」
 「え、ええ・・・」
 その表情はいつも見たような感じであって・・・そして、どこかに凛とした何かがあったように見えた。しかし、このときに・・・気を許してしまったのが甘かったのであるのだ。
 「そう・・・ハヤテは私を心から向いてくれればいいのだ。」
 「まあ、それが・・・ナギが一番望んでいることですからね。そうなるのが一番いいでしょうね。」
 「ふふふっ・・・マリア。さっきは意味深な言葉を使ってしまって申し訳なかったな。でも、本当に・・・悩んでいたんだからなっ!」
 「はいはい。」
 ナギの調子がすっかりと戻ったために、マリアも微笑んでいつものように話し始めた。
 「で、どうして・・・そこまで自信にあふれているのですか?」
 「ふ、ふふふっ・・・よくぞ訊いてくれたっ!」
 「わ、わあい・・・」
 マリアはぱちぱちと手を力なく叩き、ナギが何を出してくるのかを楽しみのような感じを出していた。
 (た、たぶん・・・これをずっとやりたかったのでしょうね。だから、変にいつにないナギの言葉がたくさん出てきたのですね・・・。)
 マリアはすっかりと分かりきった答えを待ちながら、ナギがそれを出してくるのを待った。
 「じゃじゃあん!これだぞっ!」
 やっぱりマシンガンですか・・・のような表情したマリア。
 「す、すごそうなマシンガンですわね・・・なんだか、大きくできたり・・・小さくできたりできるんですか?」
 「それはライトだろ?これはな・・・この屋敷にある三千院家の宝物庫にあったものなんだ。」
 「へえ・・・それ、宝物と呼べる物なのですか。・・・一見、マシンガンのように見えますが。」
 「ああ、これを見て・・・思い出したのだ。これっ・・・小さい頃、あのクソジジイからもらったおもちゃだった気がする。」
 「帝お爺さまが・・・?そのようなおもちゃを。」
 クソジジイ・・・もちろん、ナギの祖父に当たる三千院帝である。
 「なんか・・・小さい頃に。マリアがいなくて・・・あの時のクソジジイはいいやつだと思ったんだけどな。」
 「はあ・・・」
 「その時にもらったんだ。そして・・・これを見つけたときに、一つの言葉を思い出したんだよな・・・」
 そう、あの時・・・もう、5年も前のコトである。

 
「ナギ。・・・これをおまえにやろう。」
 「えっ・・・?なになに?」
 ナギは帝から、少し大きめのプラスチックの箱を受け取る。
 「ありがとう!でっ・・・何が入ってるの?」
 「それは・・・開けてみれば分かる。でも・・・開けてはいけないんじゃ。」
 「えええっ・・・どうして。つまんない。」
 少し頬をふくらませるナギを見て、少しばかり可愛いと思った帝。そんなナギを見て、帝は落ち着いて言った。
 「いいか・・・ナギ。これは・・・本当にそばにいたいと思う人が出てくるまで、そしてそう思うまで。絶対に開けてはいけないんじゃよ。」
 「大切な、人・・・?」
 ナギと帝のいる場所・・・それは、ナギの母親である紫子の絵が描いてある絵が壁に飾っておいてある部屋であった。
 「ナギ。紫子が死んでしまって・・・マリアもいるが、おまえには・・・愛する人間がまだいない。」
 「えっ・・・でも、マリアのこと・・・好きだし。そんな・・・」
 「おっと、言い忘れていたコトがあったわい。この中に入っている物は、異性の相手にしか効果が出ないんじゃよ。すまんすまん。言わんかったら、さっそくマリアに使っていたんじゃろうな。ほっほっほっ。」
 帝はそう笑っているが、ナギは帝の頬を思いっきり殴った。
 「ぐはっ!!な、なにをするのじゃっ!!こ、この・・・か弱いじいさんに。」
 「なんだよっ!私に愛する男性がいないからって・・・このクソジジイ!!」
 「・・・ガ~ン。」
 そんなコトが・・・5年前にあった。その後は、帝の言葉に怒ってしまい・・・三千院家の宝物庫の中にずっと入っていたのであった。


 「なるほど、それが・・・これなんですね。ナギ。」
 「ああ、今・・・本当に愛する人ができた。綾崎ハヤテという男性と・・・一生をハヤテと共にしたいんだ!」
 「ナ、ナギ・・・」
 ナギの真剣な言葉に、マリアは圧倒される。
 「きっと・・・クソジジイはこれを使って、本当に共にしたい男性と・・・一緒にさせたかったんだ。」
 「ナギ・・・でも、明らかに・・・怪しいと思いますが。後継者争いの条件を言ったときでも、あなたは帝お爺さまに顔をお殴りになったではありませんか。」
 「・・・うるさい!」
 「えっ・・・」
 ナギはマシンガンを持ったまま、マリアの言葉に泣きながら反論する。
 「もう・・・こうじゃなきゃ、ハヤテと一緒にいられないんだ!ハヤテは私だけに向き合ってくれないんだ!だから・・・だから、私は・・・」
 「ナギ。あなた・・・」
 「・・・知っているんだぞ?」
 それは、マリアの弱みを握っているように思える・・・憎い気持ちがこもっている笑みだった。
 「マリアが・・・ハヤテのコトが好きだってことを!」
 「・・・!」
 「見たんだからな・・・夜に、ハヤテとマリアが何かといちゃついているところを。だから、このマシンガンを使うって本当に決めたんだ。」
 「そ、それは・・・」
 「私だけが・・・私だけが、ハヤテからだんだん遠ざかっている気がする。だから、私は・・・このマシンガンを使うんだからな。」
 マリアは何も答えることができなかった。好きだということを・・・こうして言われて、ナギに傷を負わせていたと思うと、なんだか悲しく思えた。
 「ナギ。た、たしかに・・・ハヤテくんとは、その・・・出会ったときからは近くに身を寄せていますが、私は・・・ハヤテくんのコトは、そんな・・・好きという感情はあまりありません。」
 「・・・いいんだぞ。別に・・・ハヤテが好きだったとしても、私は・・・マリアを嫌いになったりしない。」
 「ナギ・・・」
 「大丈夫だ・・・私、私とマリアを愛してほしいって・・・このマシンガンに託すから。マリア。二人で・・・ハヤテを愛そう。」
 ハヤテが好きになりたかった・・・でも、ナギという愛する人が近くにいる。だから、無理に好きだという気持ちは自分の心に閉じ込めてきた。しかし、今・・・ナギが一緒に愛してみようと言った。マリアの心の闇は、これによって・・・解き放たれた。
 「・・・はい。」
 「うん・・・じゃあ、マリア・・・ハヤテを呼んできてくれ。」
 「・・・分かりました。」
 それは、間違いであることなんて・・・知るわけがない。マリアはハヤテを呼び出して、ナギの前に呼び寄せた。


 ハヤテは平然にナギに問いかける。
 「あの・・・お嬢様。どうかしましたか?」
 「・・・ハヤテ。」
 ナギは一歩一歩・・・ハヤテのそばに近づく。マシンガンを後ろに隠しながら、そっとそっと・・・気づかれないように。
 「どうかしましたか?お嬢様・・・なんだか、顔が赤いですよ?」
 「な、なんでもない・・・」
 「マリアさんは何か知っていますか?」
 「さ、さあ・・・?」
 その時は、刻々と近づく・・・心を失う時間は刻々と近づいている。
 「えっ・・・お嬢様、いったい・・・何をする気なんですか?」
 静かに訊くハヤテの質問に、逆にナギが返した。
 「ハヤテ・・・おまえに訊くよ。」
 「えっ・・・?」
 「ハヤテ・・・私はおまえのコトが好きだ。愛している。・・・あの時から。・・・ハヤテは、私のことをどう想っているんだ?」
 「それは・・・」
 ハヤテは少し頬を赤らめて、少しおどおどしている。ナギはまだマシンガンを出さない。
 「僕は・・・お嬢様のコトは好きですよ。でも・・・」
 「ハヤテ。・・・悩んでいるか?・・・マリアにもいちゃいちゃされて、今・・・気持ちが迷っているだろう?」
 「ど、どうして・・・そのことを・・・」
 ハヤテの目は見開いていた。瞳孔は完全に開いており、動揺は完全に出ていた。ナギでも分かるほどだ。
 「・・・ハヤテ。今・・・その気持ちを楽にしてやるからな。」
 「えっ・・・それって・・・」
 その瞬間、ナギは後ろからマシンガンを取り出し・・・ハヤテに向けて、一気に光線を放った。
 「う、うわあああっ!!」
 「く、くううっ・・・ハヤテ、これからは・・・私たちを愛すればいい。・・・だって、それだけ信じてこれた人間なんだから。」
 そして、ハヤテは・・・腕で目を覆い隠しながら、その場に・・・ゆっくりと倒れたのであった。小さい声で・・・うめき声を上げながら。


 うめき声を上げながら苦しむハヤテに、ナギとマリアはずっとそばについている。ハヤテの体をさするマリアに、ナギはずっと見ていた。
 「うううっ・・・あ、あああっ・・・」
 「ハヤテ・・・大丈夫か?ハヤテ・・・」
 ナギは既にマシンガンを元々入っていた箱に戻していた。ハヤテが倒れてから20分ぐらい経ったのだろうか。ハヤテは目を覚ます気配はない。
 「ハヤテくん・・・すごく苦しそうです。」
 「あのマシンガン・・・副作用とかあるのかな。」
 「でも・・・至近距離から、あんなにトロピカルな光線を出されては・・・目はかなりダメージを受けると思いますが。」
 「やっぱりまずかったのかな。」
 マリアはハヤテの顔を、少し愛情を込めたような表情で見ている・・・それに、ナギはなんだか嫉妬している。
 「マリア・・・おまえだけずるいぞ。ハヤテをそんな顔で見るな。目を覚ましたら、私の方を見なくなるではないか。」
 「だったら、ナギだって可愛い顔をすればいいじゃないですか・・・ほ~ら。」
 マリアはナギの耳に息を吹きかけて、
 「ひゃあん!」
 「うふふ・・・そんな顔をハヤテくんに見せたら、絶対に好きになると思うんですけどね。ハヤテくん・・・早く、お・き・て。」
 マリアはそう言いながら、ハヤテのコトをずっと見ている。そして・・・ハヤテは静かに目を開けた。
 「う、うううん・・・」
 ハヤテはそう言うと、ゆっくりと体を起こして周りの様子を見る。
 「ぼ、僕・・・どうして・・・」
 「ハヤテ。これからは・・・私とマリアをじっくりと愛してくれ。・・・2人とも、おまえのコトを愛しているんだからな。」
 「わたし・・・まりあ・・・」
 ハヤテはずっと下を向いたままだ。それをナギが自分の顔に向けさせた。
 「ハヤテ・・・私のコト、好きだよな・・・」
 「・・・あ、歩お嬢様のところに・・・」
 「・・・えっ?な、なんだって・・・?」
 ナギとマリアはなんだか、抗体反応を起こすような言葉を聞いてしまったように思えた。ナギが再度確認をする。
 「ハヤテ、今・・・な、なんて言った・・・?」
 「あ、歩お嬢様のところに戻らないと・・・愛する歩お嬢様のところに戻らないと、また・・・泣くかもしれない。」
 「う、嘘だろ・・・ハヤテ!おまえが仕えている主は私だ!そして、愛するのはこの私とマリアだ!なんだ・・・?あんな庶民的なハムスターごときを愛するなんて、おまえもどうかしているんじゃないのか!?」
 ナギは胸ぐらをつかんでハヤテに怒鳴る。しかし、いつもだったらここでめげてしまうハヤテだったが、今は簡単にナギに怒りの表情を見せた。
 「なんですって・・・歩お嬢様をそんな風に言わないでください!」
 ハヤテはナギのコトを突き飛ばした。
 「きゃあっ!な・・・何をするのだ!!」
 「僕は、歩お嬢様に今までお世話になってきたのです。なので・・・私は一生を歩お嬢様に捧げようと決めたのです。そして、歩お嬢様は私を愛するように・・・僕だって、歩お嬢様に愛をはぐくもうと思ったんです。なのに・・・そんな歩お嬢様を庶民的と言うなんて、あなたもひどいですね。三千院さん・・・」
 「えっ・・・」
 ハヤテはゆっくりと立ち上がっていった。
 「なんだか知りませんが、僕は・・・愛する歩お嬢様のところに返らなくてはならないのですよ。」
 「ま、待て・・・なんでだよ。なんであんなやつのことが好きなんだよ!・・・忘れたのか?ハヤテ・・・私たちは、ずっと一緒に過ごしてきたじゃないか!」
 「・・・僕の思い出は、歩お嬢様との思い出しか・・・輝いていませんから。それに、僕は・・・歩お嬢様が一番、僕のことを思っていてくれると思って。」
 ハヤテは歩のことを話すときは優しい表情になっている。それは、次第に・・・ナギとマリアから遠くさせるような感じをさせて、特にナギは・・・それが悲しみになって、涙としてこみ上げてきている。
 「だったら・・・私のコトはどう想っているんだ!私のコトは・・・好きなのか!嫌いなのか・・・?」
 ハヤテはそう訊かれると・・・少し鋭い目つきをして答える。
 「・・・僕は、歩お嬢様にひどいことを言うような人に・・・好きな気持ちになるわけがありません。」
 「えっ・・・」
 「そうですね・・・歩お嬢様とヒナギクさんぐらいしか僕は好きになれませんね。・・・三千院さん。あなたのことなんて好きではありません。」
 「・・・」
 気づけばそうなんだ・・・『ナギお嬢様』から『三千院さん』に呼ばれていることで、もう・・・自分に好意なんてないんだ。“ナギ”とも呼んでくれない・・・そんな時に、愛してほしいなんて言えないんだ。ナギはそれ以上・・・言葉を発することができなかった。
 「それでは、僕は・・・歩お嬢様のところに戻らなければいけませんので。」
 ハヤテはゆっくりと・・・部屋から出ようとしていた。
 「ま、待ってください。ハヤテくん。」
 「・・・なんですか?マリアさん・・・」
 「・・・な、なんでもありません・・・でも、ナギだって・・・あなたのコトが好きであることを、覚えておいてほしいです。」
 マリアは自分のコトは放っておいて・・・ナギのコトだけでも、ハヤテに好きであることを伝えたかった。
 「・・・歩お嬢様のところに戻らなければいけないので。それでは。」
 そう言うと、ハヤテはゆっくりと部屋を出て行った。
 マリアはそれを・・・ただ、立ち尽くして見ることしかできなかった。そして、泣きじゃくるナギのそばにいることしかできない。

 ハヤテの心は、ナギとマリアの方に向けられたのではなく・・・歩とヒナギクの方に向けられたのであった。

 これは、よく晴れている・・・白昼の出来事であったのだ。

vol.2に続く。ハヤテは歩の家に行き・・・いったい何をするのか。
そして、何も知らない歩は・・・歩を愛するハヤテにどう対応していくのか。

次第に加速するラブストーリーをお楽しみに!

☆コラム☆
GReeeeN「キセキ」は良い曲です。ブックオフで400円で買ったんですけどね。
あと、やっぱり昔のドラえもんの曲に泣いちゃいました・・・。

漫画で『kiss×sis』はなんだか良いですね。ちょっとエロいですけど、憎めないエロです。
微笑んでしまうようなエロです。ニヤニヤするようなエロではありません。

・・・ちょっと、エロを連呼してたら恥ずかしくなってきました。
とにかく、次回をお楽しみに!
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