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さて、歩SS『シークレット・ラブ』vol.4です。
気持ちを伝えられずに、走り去ってしまった歩。結末はどうなるのか。

ただ、それだけですね。
遅くなってしまって申し訳ありませんでした。最終vol.4公開です!

普通だから、ありったけな感動を生み出せる・・・。

それでは、感動のvol.4をどうぞ!
~SELL 6 想伝(そうでん)~

 夕日は沈みかけて・・・ほとんど夜に近い状況だ。
歩は・・・ただ走っていた。どこか遠くに・・・ハヤテにはもう会わないような場所に。
 (ハヤテくんは・・・きっと、あの人のことが好きなんだ。私より、ずっと顔は綺麗だし・・・凛としている性格、そして・・・自分の気持ちをあそこまで自分の意志で言うことができる。それに比べて、私なんて・・・だから、あの時にふられたんだ。)
 走っている間も・・・ずっと、ハヤテのことを考えていた。走れば走るほど・・・ハヤテから離れられる。そして、この涙をハヤテに見せなくていい。それが、歩の中での最良の答えであり、自分の考えでは一番良いだろうと。そう思って・・・歩はひたすら遠くへ走っていった。
 「も、もう・・・ここまで来れば、ハ、ハヤテくんも・・・追ってこないかな。」
 歩は小さな公園にたどり着いていた。そこにある小さなベンチの横に・・・水飲み場があったので、そこで水を飲んで疲れを癒した。
 「はあっ、はあっ・・・」
 小さなベンチに腰をかける。そこで初めて、とあるモノを忘れてしまったことに気づいた。
 「あっ!ない・・・ハヤテくんに渡そうとした、チョコレートがどこにもない・・・」
 さっき落としてしまったこと・・・歩は忘れてしまうほど、落としてしまったことは忘れていた。ハヤテとヒナギクの会話の方に注意を引かれ・・・そして、ショックのあまりに力が抜けて落としてしまったから。
 「今から捜しに・・・行っても、しょうがないか。誰かに拾われて・・・捨てられてるよね。きっと・・・」
 うつむいたまま・・・時は進んだ。何もない・・・ハヤテに好きだという最高のチャンスも、あの時に全て失った。
 「ぐすん・・・ハヤテくん、私なんて・・・私なんて・・・!!」
 歩は膝に顔を当てて、再び泣き出した。
 その公園は、ひとけの少ない場所だったので・・・誰も歩の姿を見ることはなかった。なので、歩はずっと泣き続けた。
 「私なんて、勇気がない・・・どうして、どうしてあの時にハヤテくんにチョコを渡せなかったんだろう。それか、どうして・・・あの時に、ハヤテくんに気持ちを伝えられなかったんだろう。悔しいよ・・・悔しいよ!!」
 あの時・・・入学当初に助けてもらったあの時から、歩の恋は始まった。ハヤテの話を聞くと・・・ハヤテは自分で稼がなければいけないほど貧乏だった。だから、ハヤテに・・・自分にできることはないのか。そして、自分が作ったお弁当を毎日・・・ハヤテとおそろいの物を、屋上で二人きりで食べた。そんなコトだけでも、十分に近くにいると思えた。しかし、違った・・・それは、単に自分でやってきて・・・ハヤテは、自分のことをどう思っているかなんて分からない。
 「う、うううっ・・・」
 ハヤテと遊園地にデートしたこともあった。その時のクッキーはとても・・・美味しかった。そして、嬉しさが・・・歩の中で恋を成熟させる物となっていった。
 でも、さっきのあの時のことで・・・全てが失った。あの時の楽しい記憶も、そして・・・恋心を抱いたあの時の記憶も。
 「はあっ、はあっ・・・」
 そこに、男の人の激しく息を吐く声が聞こえる。それは、歩の元にどんどんと近づいており、やがて止まった。
 「に、西沢さん・・・」
 思いがけない人からの呼ばれる声。そして、歩は顔を上げた。
 「ハ、ハヤテくん・・・」
 「これ・・・西沢さんの物ですよね。」
 歩の前に立っていた人物・・・それはハヤテだった。
 「あ、ありがとう・・・」
 紙袋を・・・歩は受け取る。
 「・・・」
 しばらく・・・沈黙が続いた。
 「あのね、ハヤテくん・・・あの女の人のコトだけど・・・」
 「あの人ですか。桂ヒナギクさんと言って・・・白皇学院の生徒会長です。」
 「やっぱり・・・生徒会長さんなんだ。はっきりと物事が言えて・・・さっき、ハヤテくんにも好きだって言ってたよね。」
 歩は、素直に訊いた。
 「あのさ・・・ハヤテくん。」
 「なんですか?」
 「あの人のこと・・・好きなの?」
 「・・・」
 「私、ハヤテくんが幸せになれるなら・・・それで良いと思ってる。だから、教えて。あの人のこと・・・好きなの?」
 ハヤテは歩の横に座り、ゆっくりと歩の方を向き話した。
 「僕、女の子と付き合うのは・・・苦手なんですよ。昔の彼女に“女の子と付き合いたいなら、甲斐性を持ちなさい”って。ヒナギクさんのコトは嫌いではありません。でも、彼女と付き合っても・・・甲斐性が持てるほど好きなのかなって考えると、そこまで好きではないんですよ。」
 ハヤテのその答えに対して・・・歩は、
 「そうなんだ。でも・・・ハヤテくんの気持ちが聞けて良かった。」
 歩は紙袋の中から・・・箱を出して、ハヤテに渡した。
 「私・・・ハヤテくんのコトが好きです。これ、手作りチョコだけど・・・受け取ってくれるかな。」
 ハヤテは黙っていたが、静かに歩からチョコの入っている箱を受け取った。
 「西沢さん。開けてみても良いですか・・・?」
 「うん。」
 ハヤテはゆっくりと箱を開けた。歩は少し恥ずかしそうだったが・・・ハヤテはその箱から、かわいらしいハート型のチョコレートを目にした。
 「かわいらしいですね。」
 「・・・うん。」
 そして、ハヤテは一口・・・小さくチョコレートを食べた。ハヤテは、にこりと笑って・・・
 「美味しいですよ。西沢さん。」
 「ハヤテくん・・・」
 「西沢さんも食べてください。」
 「うん。・・・はむっ。」
 歩も自分で作ったチョコレートを食べた。
 「甘いですね。これ・・・」
 「でも、おいしい。」
 「・・・でも、僕・・・西沢さんとだったら、甲斐性が持てるほど・・・好きになれると思えるんです。」
 「えっ・・・」
 ハヤテは、歩の背中に腕を入れた。
 「好きです。西沢さん。僕は・・・西沢さんのコトを、好きだと思っていました。今日は、ありがとうございます。」
 「ハ、ハヤテくん・・・」
 「僕からのお礼ですけど・・・受け取ってください。」
 すると、ハヤテの唇は・・・ゆっくりと歩の唇に触れた。
 「ん、んんんっ・・・」
 暖かい・・・そして、柔らかい。今までに味わったことのない・・・最高の官職を歩は味わった。数秒経って、二つの唇は離れた。
 「ハヤテくん・・・私も好きだよ。ハヤテくん・・・」
 「愛してます。どこまでも・・・」
 「・・・今の、ファーストキスなんだよ。ハヤテくん。ハヤテくんが・・・私のファーストキスを奪っちゃった。」
 「西沢さん・・・」
 「でも、ハヤテくんとしたかったから・・・全然、嬉しいよ。ありがとう、ハヤテくん・・・」
 ハヤテは、歩の口の中にチョコと入れて・・・もう一度唇を触れさせた。
 「ん、んんんっ!!」
 しかし、今までとは違った。ハヤテの舌が・・・自分の舌と絡まる。そして、互いの舌で・・・一つのチョコレートをじっくりと溶かしている。
 「ハヤテくん・・・甘いよ。」
 「西沢さん。今日はもう夜で・・・こんな雰囲気ですから。ずっと・・・ずっと、キスをしましょうね。」
 「ハヤテくん・・・」
 そして、もう一度・・・舌を絡めるほど、ハヤテと歩はフレンチキスを繰り返した。それは、チョコが無くなるまでずっと。
 「西沢さん。僕と・・・おつき合いしてくれませんか?」
 「・・・いいよ。」
 「ありがとうございます。」
 しかし、歩はハヤテの胸を少し叩いた。
 「・・・ずるいよ。」
 「えっ?」
 「私が言おうと思っていたのに・・・ハヤテくんが先に言っちゃうんだから。もう、ハヤテくんったら・・・」
 「ごめんなさい。」
 ハヤテは、歩に悪い気がした・・・しかし、
 「ハヤテくん。これから・・・気持ちいいコトとかしてくれない?」
 「・・・僕、そういうのはまだ・・・」
 「だったら、せいぜい・・・あ、あああん!!」
 ハヤテは歩の首をそっと指で触った。
 「今の西沢さんの喘ぎ方・・・すごく可愛いかったです。」
 「うん、ハヤテくうん・・・もっと、もっとやってええん!」
 「西沢さん・・・好きですよ。」
 「うん。私も、私も・・・!!」
 その夜の星空は、とても綺麗だった・・・好きな人と見る星空は、一段と綺麗に思えた。

 そんなコトを、恋愛映画を見ながら思いだしていた歩であった。

~EPILOGUE ずっと君と~

 恋愛映画を見て・・・再び、街を歩き出したハヤテと歩。もちろん、手を繋ぎながらである。
 あれから、ヒナギクとも友達になり・・・ナギにとっても、ハヤテと歩の仲はナギ公認となった。そして、二人の仲は成就するかと思えば・・・いつの間にか、普段の雰囲気に戻っていた。なので、今日は歩からハヤテに告白しようと決めていたのだ。
 「ハヤテくん・・・面白かったね。」
 「はい。まるで、今の僕たちみたいでしたね。なんか・・・」
 どんな内容化までは知らないが、その映画の終わりは・・・非常に感動できるようなハッピーエンドだった、歩は、ハンカチを持参して涙をぬぐっていた。
 「ハヤテくん・・・」
 ハヤテと歩は、一つ大きな場所の前に立った。
 「ハヤテくん、あれに乗ろうよ。」
 「・・・観覧車ですか。いいですね。」
 ハヤテと歩が乗る観覧車・・・銀杏観覧車は、最高の高さが100m以上あるという街のシンボルとしては立派すぎる感じの観覧車だ。
 「うわあっ・・・大きいね。」
 「ええ。でも、大きい方が良いんじゃないんですか?」
 「えっ、どうして?」
 「・・・僕と、二人きりで過ごせるじゃないですか。それだけ。」
 歩は顔を赤くして、
 「そ、そうだね。」
 そう言って・・・歩はハヤテと一緒に、観覧車に乗った。
 「うわあっ、やっぱり大きいんだね。」
 「ええ。一番上になる頃は、とても良い景色が見ることができると思いますよ。」
 ハヤテはそう言い・・・二人は席に隣同士に座った。そして、観覧車は動き出す。歩はこの時しかない。そう思い、ハヤテに言った。
 「ハヤテくん。バレンタインデーのコト・・・覚えてる?」
 「はい。覚えていますよ。」
 「あの時から・・・私たち、付き合いだしたんだよね。ハヤテくん・・・」
 「ええ。」
 いつしか、ハヤテを見る目が変わり始めている歩。それに便乗するハヤテ。歩は、ハヤテの胸に頭を当てた。
 「あの時から思ったけど・・・それから、私たちって・・・進展していない気がするんだよね。」
 「そう、ですか・・・?」
 「・・・私はそう思ってる。だから、この際に・・・言わせて。」
 「・・・」
 「私はハヤテくんのコトが好き。そして・・・ハヤテくんとだったら、どんな道にだって歩けるんだから。それだけ、ハヤテくんのコトを・・・愛してるの。」
 「・・・」
 「だから、私たちは・・・もう、永遠に繋がっていたい。ハヤテくん・・・君と。」
 歩の真剣な言葉・・・それは、たしかにハヤテに伝わっていた。
 「・・・ずるいですよ。」
 「えっ・・・」
 「それ、僕も言おうとしたんですけど・・・」
 ハヤテの返事は・・・どうやらOKらしい。
 「ハ、ハヤテくん・・・」
 「僕だって、西沢さんと永遠に繋がっていたいです。そして・・・僕は、これからも死ぬまでずっと、西沢さんのコトを愛しています。」
 「だったら、・・・ん。」
 歩はゆっくりと唇を前に出した。
 「西沢さん・・・」
 「あ、あと・・・好きだったら、歩って呼んで。ハヤテくん。」
 「・・・歩。好きですよ。」
 そして、ハヤテは歩にキスをした。くちゅくちゅ言わせながら・・・観覧車の二人きりの空間が終わるまでずっと。
 「気持ちいいよ・・・ハヤテくん。」
 「僕も・・・」
 互いに抱き合って・・・求め合って。キスは・・・永遠に続いた。
 「ハヤテくんのこと・・・永遠に愛してるからね。」
 そして、その恋は・・・見事に、7年後に成就するのであった。一つの結晶を胸に秘めて。
 あのバレンタインがなければ、今の自分はない・・・そう思った。愛は永遠に、そしてどんな困難があっても、想い続ければ通じる物なのだと・・・あの時に学んだ。
 ハヤテと歩の幸せは・・・ここから、まだ始まったばかりだった。
 百年先でも誓えるような・・・愛をお互いに持ちながら。
 全てを変えたあのチョコレートのような甘い関係は、永遠に続くのであった。

 「そうか。これも一つの物語・・・ふっ、俺もあの人たちをああしなきゃいけないってコトだな。」
 一人、美青年もつぶやいて。
 「ありのままの自分か。・・・まずは、あの事件を解決するコトだな。三千院家に関わった・・・ある事件を、俺の手で。」
 と、その美青年は何をしているのか?
 「シリーズ『セカコン』は、新たな部分を見せ始めるので・・・お楽しみに。」
 これを言うために・・・。キャラSSとシリーズ『セカコン』はどこかしらリンクする部分があるのでよろしく。

『シークレット・ラブ』 おわり

バレン企画のSS・・・完結です。初の歩SSで・・・書くときのテーマは、普通でもやっぱり感動を与えられるのが良いなと思ったので、このようなSSになりました。
次回のキャラSSは、お待ちかねの百合ヒナハムSS『ゆりばな』です。
今度は大人っぽいかな・・・。えっちいトコロもあるし、第一にテーマは百合だから。
新ジャンルを頑張って書こうと思います。お楽しみに。

最後の部分は、シリーズ『セカコン』の宣伝みたいなものなので。気にせずに。

最後まで、読んでいただきありがとうございました!

☆バレンに思ったコト~vol.4~☆
女性が好きな男性にチョコをあげる習慣は日本だけ。それも戦後。へえ・・・。
他の国は、男性が好きな女性にチョコとあげるらしいです。
しかし、その習慣も消えてきており・・・友チョコが主流になり、土曜となった今年(2009年)は逆チョコ(男→女)が新開拓。う~ん、伝統もいつかは変わる物だね・・・。
男性諸君。特に学生。バレンタインデーは女性の間にしか楽しいことはない。
社会人とかになれば、きっと・・・義理でもチョコはもらえるから!きっと!
来年から、そう心構えよう・・・でも、期待してしまうんじゃないかと笑ってしまう私でした。
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