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開設10周年!(2018/10/4)日記と音楽感想、アニメ感想を中心に更新しています。リンク&トラックバックなどはフリーです。

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さて、歩SS『シークレット・ラブ』vol.3です。
ハヤテの前にヒナギクが立つ。そして、分かり切っている展開が起こる。

ヒナギクはハヤテの前に立って何をするのか・・・。
歩はそれを見て何を思うのか・・・。

vol.4と同時公開だと更新が遅れる可能性があるので、まずはvol.3のみ公開します。

それでは、想いのvol.3をどうぞ!
~SELL 5 想崩(そうがく)~

 誰なのだろうか・・・ハヤテの前に立つ美少女は。歩は、一気に心の中にあった不安が、いきなり表にさらせ出されたような気がした。
 (だ、誰なの・・・?あの人。ハヤテくんに、チョコをあげるみたいだけど・・・なんか、ハヤテくんのコト・・・うるうると目を萌えさせて、ハヤテくんをじっと見ているみたいだけど・・・)
 歩は、ハヤテとヒナギクのやりとりを・・・じっと見る。
 「ハヤテくん・・・あのね、ここに呼び出したわけなんだけど・・・今日、バレンタインデーでしょ。だから、これ・・・」
 ヒナギクはそっと、ハヤテにチョコを渡した。
 「ヒナギクさん・・・」
 「これ・・・昨日、手作りで作ったの。ハ、ハヤテくんに渡すために・・・」
 「そうですか。僕のために・・・ありがとうございます。でも、僕にどうしてそこまで手作りのチョコを作ってくれるんですか?」
 ハヤテは明らかに天然さんのような質問を、ヒナギクに訊いた。
 (ハ、ハヤテくん・・・それって、明らかに分かるんじゃないかな・・・!しかも、あのヒナギクって言う人も、私と同じ気持ちだと思うのは私だけなのかな・・・)
 そして、ハヤテの質問に対して・・・ヒナギクはそっとハヤテの胸に顔を寄せた。
 (・・・)
 「ハヤテくん・・・ばかっ。分かっているんでしょ・・・?ばかっばかっ。」
 「ヒナギクさん、もしかして・・・」
 「ハヤテくん。あなたのコト・・・好きなの。」
 その言葉を聞いた瞬間・・・歩の心の中の何かが崩れた。今まで積み上げてきた何かが、この一瞬にして・・・崩れた。
 (そ、そんな・・・)
 歩は今にも泣きそうだ。しかし、何も言うことはできない。そして、そのまま・・・二人の様子をじっと見ていた。
 「ヒナギクさん・・・そ、そんな・・・ど、どうして僕なんかを・・・」
 「・・・出会ったときから。ハヤテくん・・・ナギの執事でしょ。ハヤテくん、みんなに優しくしていて・・・私にも、最初から優しくしてくれたじゃない。」
 「・・・当たり前じゃないですか。お嬢様のご友人でもあるし・・・」
 その答えに、ヒナギクは不満だったのか・・・?少し頬を膨らませた。
 「えっ・・・ナギの友達だから、私に・・・優しくしてくれたの?」
 その言葉言葉に・・・自分と重なり合わせる歩。
 (ハヤテくん・・・私にはどうだったのかな。私には・・・どうだったのかな。その優しさは、絶対に私に直接あったからだよね。)
 歩は、そのようにハヤテとヒナギクのコトをじっくりと見ていた。
 「ハヤテくん・・・それじゃ、嫌なの・・・私個人として守ってほしいの。そして、ハヤテくんには優しくしてほしいの。・・・私、男の人なんて・・・あの時に私を助けてくれた人しか好きじゃなかった。でも、ハヤテくん・・・あなたには、その優しさがあるの。私を見て・・・ハヤテくん。」
 「ヒナギクさん・・・」
 「ハヤテくん。私、こんなに人が好きになったのは初めて。だから、この想いは・・・絶対に伝えなきゃって思ったの。だから、今日・・・こうして、私はハヤテくんにチョコをあげたの。」
 「僕は・・・」
 ハヤテには、ある種の迷いがあった。もちろん、歩のことを想っていたから。
 (ハヤテくん・・・迷ってる。どうする・・・ここで、あの二人の前に出る?で、でも・・・この場で出ても・・・雰囲気が悪くなるだけかもしれないし。それに、ハヤテくんを想う人が・・・こんなにハヤテくんの近くにいたんだ。)
 宗谷の言葉が思い出される。
 『あいつ、白皇学院で・・・女子に好きだって告白されるかもしれねえかもよ?』
 あの言葉・・・冗談だと思った。でも、ハヤテの性格は・・・ヒナギクの言うとおり、優しさが一番の良いところであることを、歩も・・・そして、ヒナギクも分かっていた。だから、今・・・こうしてヒナギクは告白しているのだろう。歩はそう想い、引き続き見ている。
 「ハヤテくん・・・わ、私と・・・つ、付き合ってほしいの!」
 「・・・ぼ、僕は・・・」
 ハヤテに答えは出せない。今まで優しくしてくれた歩の笑顔が・・・ハヤテの頭の中によぎっていた。
 「僕は・・・ヒナギクさんとは、付き合え・・・」
 「どうして・・・ハヤテくん、私はこんなに想っているのに・・・」
 ハヤテは断ろうと思った・・・しかし、その断りの言葉を全て言う前に・・・ヒナギクは、ハヤテと一緒にいたい一心か、その言葉を遮るかのように、その言葉を返すかのように、ヒナギクは本気になって想いをぶつけていった。
 「私は、ハヤテくんを誰よりも愛してるの!」
 「・・・でも、僕は・・・」
 それに対して、ハヤテの答えはあいまいな感じに終わっていた。やはり、歩の存在が大きいのか、ハヤテはヒナギクの気持ちに対してはっきりとは返すことはできない。
 「ねえ、どうして・・・あの時はちゃんと守ってくれるって約束してくれたじゃない!なのに、どうして・・・今ははっきりと言ってくれないの・・・」
 ヒナギクの声は次第に涙声になっていく。
 「約束してくれたじゃない・・・私と出会ったときに。どんなコトがあっても、私が助けを求めたら・・・僕は喜んで、私をすぐに助けに来てくれるって!」
 その言葉を聞いたとき・・・歩はハヤテに上げるチョコが入った紙袋を、ほろりと・・・地面に落とした。しかし、その音はハヤテとヒナギクには聞こえていない。
 (そ、そんな・・・ハヤテくん、あの人に・・・そんな約束を・・・)
 一気に遠くなった感じがした。自分が一番・・・ナギの存在は承知しているが、それでも・・・ひたむきに、ハヤテを純情に想っているのは・・・自分だと思っていた。でも、ヒナギクのあの一言により・・・自分は、ヒナギクよりも後ろに・・・そして、手の届かないところに一気に離されてしまった。ハヤテは、どんなに頑張っても・・・もう、ふる向いてくれない。そうも思った。
 「う、うううっ・・・」
 こらえていた涙も、一気にぽろりと出る。それは、下のアスファルトの地面に染み込んで、しかしそれはやはり・・・ハヤテもヒナギクも気づかない。
 「やだよ・・・ハヤテくんが、離れるなんて・・・やだよ・・・」
 そんなコトを知らないハヤテとヒナギク。ヒナギクは、ハヤテに向かって思いがけない行動を始めた。
 「ハヤテくん。だったら、私に気を向かせられるまで・・・ハヤテくんに、キスでもなんでもする。ハヤテくんが私を好きになってくれるまで、私はハヤテくんのそばにずっといる。ハヤテくん、悪く思わないで。本当にハヤテくんが好きなんだから。」
 「僕、ヒナギクさんのこと・・・嫌いじゃないです。でも、僕は・・・ヒナギクさん、あなたを今は好きになれません!」
 と、ハヤテはようやく意を決した答えを出した。しかし、歩は“優しさ”であえてふっているんだと思っていた。あの時の自分に対してのように。ハヤテはヒナギクのことが好きなんだ。歩は、そんな風に思ってしまう。
 「えっ・・・」
 「ごめんなさい。でも、僕は・・・ヒナギクさんの、そ・・・」
 しかし、ヒナギクは・・・ハヤテにキスを仕掛けようとしていた。それも、唇と唇の・・・熱いモノをヒナギクは求めようとしていた。
 歩は、ついに言葉を発した。
 「やだっ!!ハヤテくんに・・・キスなんてしないでよ!!」
 自分の今までの悔しさを・・・この言葉に込めて。全力で大きな声を・・・誰もいなそうな道に大きく響かせた。
 「に、西沢さん・・・」
 「だ、誰?あの人・・・」
 ハヤテもヒナギクも・・・歩の姿に驚いている。泣き続けたような赤い頬に・・・今だ涙を流している歩の表情に。
 「やだよ・・・ハヤテくん、その人なんかとキスしないでよ!私・・・私・・・うわあああん!!」
 歩は落ちていた紙袋を拾わないまま、無心に走り去っていった。
 「に、西沢さん!」
 ハヤテは歩の後をすぐさまに追いかけようと思った。しかし、
 『がっ!!』
 ヒナギクがハヤテの腕を、自分の両腕でしっかりとつかんでいた。それは、自分から離れないように。
 「ヒ、ヒナギクさん・・・」
 「やっぱり・・・ハヤテくんが口ごもった理由、そういうコトだったのね。あの西沢って言う人が、ハヤテくんの頭の中にいたから。」
 「は、早く・・・追いかけなきゃ。あの紙袋、西沢さんに・・・」
 しかし、ヒナギクは腕を放そうとしない。
 「ヒナギクさん。あなたの気持ちも嬉しいですけど・・・西沢さんの気持ちだって、今は無駄にしたくないんです!」
 「あの女性なんて関係ないわ!今は、私だけを見て・・・そして、私だけを愛してほしい!」
 その言葉が・・・ハヤテの頭のどこかに、怒らせる機能を働かせた。
 「関係ない・・・?それって・・・」
 「あの西沢という女性は、ハヤテくんの前に付き合っていた女性なんでしょ!今は、ナギの執事で・・・普通の高校生でもあるの!ねえ、私と一緒にいれば・・・毎日会えるんだから!あの人、制服だって違ったし・・・」
 「あの人、西沢歩さんって言って・・・僕の元の高校の友人なんです。」
 「元の高校の友人・・・」
 そして、同時にさっき歩が味わったような感覚を、ヒナギクは味わうことになる。
 「でも、あの人なんて関係ない。ハヤテくん、今を見たほうがいいのよ。だから、私と付き合って・・・」
 「・・・ヒナギクさん!!」
 ハヤテは、今までにない怒りに満ちた声をヒナギクに発し・・・ヒナギクの腕を勢いよく振り払った。
 「えっ・・・」
 「ヒナギクさんがそんな言葉を言うとは思っていませんでしたよ。ヒナギクさんにとっては、西沢さんは邪魔な存在かもしれない・・・でも、僕にとっては大切な人の一人なんです!」
 「で、でも・・・」
 「今日のヒナギクさんは、僕は好きじゃありません。いつものヒナギクさんだったら、おつき合いしても良かったですけどね。」
 「わ、私・・・」
 「僕は、今のヒナギクさんより・・・西沢さんの方が好きです!なので、これを・・・まずは彼女のトコロに届けなきゃいけないんです!それなのに、関係ない・・・邪魔者扱い。いつものヒナギクさんだったら、絶対に考えられないですよ!そんなコトを言うなんて。」
 ヒナギクは、それに対して・・・何も言うコトはできなかった。
 「で、でも・・・私、あなたのことが・・・ハヤテくんのコトが好きなの。それだけは分かってほしい・・・」
 「・・・それは嬉しいですが、僕は・・・西沢さんのトコロに行きます。それに、西沢さんの気持ちだって・・・聞かなきゃいけないと思ったので。」
 ハヤテはそう言うと、紙袋を持って歩の後を追いかけた。
 (西沢さん・・・僕は、僕は・・・)
 歩に対する想いを秘めて・・・ハヤテは、ただそれだけを思って・・・歩の後を必死に追いかけた。
 「ハヤテくん・・・私は、私は・・・」
 ヒナギクはハヤテに対する態度に・・・後悔をし始めていた。それは、涙となって形づくられて、その場で泣き続けていた。

最終vol.4に続く。歩を追いかけるハヤテ。果たして、歩の想いは実るのだろうか。
そして、普通だからできる感動の最終章に。vol.4をお楽しみに。

☆バレンに思ったコト~vol.3~☆
2月14日は、バレンタインという人が亡くなった日なんだって。初めて知った。
高校に行ったら、友達が・・・
「今日はあいつが死んだ日だから、手を合わせて拝まなきゃいけないなぁ~」
その時は拝むって良いことだと思ったけど、拝むって仏教だよね。でも、バレンタインっていう人は最低限、仏教というイメージじゃない気がする。拝むって性に合ってるのか?
そのコトに疑問を抱き、しかしそのコトを一生懸命言う友達に笑ってしまった私でした。
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