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さて、SS『Love Ling』vol.1です。
ついに始まりました。一大長編・・・ラブストーリー。

序章となる今回は、アテネの想いから始まりハヤテとの再会まで。
小ボリュームで、全7部構成でこの話はお送りしたいと思います。

まあ、主要キャラは多く出ますが・・・ここでは、アテネが半分を占めるかな?
とにかく、序章をお読みください。

それでは、序章vol.1どうぞ!
『Love Ling』

~PROLOGUE 写真という序章~

 どこかに潜む・・・暗い宮殿。
 その宮殿にある一つの部屋に・・・天王州アテネはろうそくの火の下で、一つの写真を眺めていた。
 「ハヤテ・・・今、あなたはここにいるのね・・・」
 その言葉を発する意味とは・・・アテネの持っている写真だったとしたら、10年前の写真かハヤテの映っていない写真ばかりだろう。しかし、今・・・アテネが持っているのは、そんな写真ではなかった。
 「なぜ・・・ハヤテ。ハヤテ、どうして・・・あなたはこの女に仕えているの?」
 アテネの見ている写真・・・それは、三千院ナギと綾崎ハヤテが共に写っている写真。しかも、ナギがハヤテの頬にキスをした瞬間だった。
 「女性に対する甲斐性・・・それは、執事になっても・・・分かっていないようですわね。それに・・・」
 アテネは別の写真を何枚もそのろうそくが置いてある机に、無造作に散らかした。
 「桂ヒナギク・・・西沢歩。鷺ノ宮伊澄、愛沢咲夜、瀬川泉・・・そして、あの天球の鏡で見えたマリア。なぜ、彼のそばに・・・そして、彼を想う人が集うの・・・?」
 その時のアテネの服装は、豪華な寝間着・・・とでも言っておけばいいのだろうか。振り振りが付いている寝間着を身にまといながら、写真を見て・・・そして、窓から外を眺める。
 「10年前・・・ハヤテ、あなたにもう一度名前を呼んでほしい・・・そう言ったけど、それももうすぐ実現しそうだわ。」
 アテネはイスからゆっくりと立ち上がって・・・窓の外に立った。
 「・・・明日、全てを私の物にする・・・そして、三千院家を何とかしなければ・・・あの、ロイヤル・ガーデンは収まらない・・・」
 ロイヤル・ガーデン。それは、10年前にハヤテとアテネが初めて出会った場所だった。そこの2ヶ月間が、現実世界の5日にしかならないという。そう、時間の流れは一般世界と10倍の速さなのだ。
 「春・・・ね。日本では、桜が今・・・見ごろになっているようね。」
 アテネは口だけだが、少しにやりとした感じになっていた。それは、窓にしっかりと映っていた。
 「ハヤテ・・・今、私が迎えに行くから・・・どんなに、ひどいことを使っても。あなたと一緒にいたいの。だから・・・マリア、桂ヒナギク、西沢歩、愛沢咲夜、鷺ノ宮伊澄、瀬川泉。そして、三千院家の令嬢・・・三千院ナギを、私の手で・・・つぶす!」
 写真を持っていたアテネの手は、気持ちと共に拳と変わり・・・持っていた写真を握りつぶした。
 「三千院家・・・?世界に誇るのは三千院家ではない・・・今からは、天王州家・・・私たちが握るの。」
 そして、アテネの手から落とされた写真には・・・くしゃくしゃになったナギの姿が見える。
 「・・・」
 アテネは何も言わず・・・ただ泣き始める。
 「ハヤテ・・・あの時の私の気持ち、分かってくれたかしら。・・・早く会いたい。日本に行き・・・ハヤテに会いたい。」
 ただ、その言葉を言っているとき・・・目は動揺しているかのように、目玉の動きが激しかった。
 「・・・それに、彼にも会わなきゃいけないわね・・・日本の世に羽振りをきかせている、美青年さんに。」
 くすくすと笑い始める・・・それは、何もかもが自分の手に入ったかのように。
 「アテネお嬢様。失礼します。」
 「ええ、どうぞ。」
 広い部屋だったため、アテネは扉まで行くのが面倒だったので「自分で入ってきなさい」と言い、訪問者を中に入れた。
 「アテネお嬢様。さっきの件ですが・・・」
 部屋に入った人物・・・背はそれなりに高く、どうやらアテネの執事のようだ。あまり長髪ではない。
 「さっきの件・・・?ああ、私の頼んだコト。どうだったかしら?」
 「ええ。全て上手くいきました。三千院家・・・鷺ノ宮家、愛沢家、瀬川家。そこまででしょうか・・・?」
 「あなたは本当にバカなのね・・・まだあるって言っていたでしょ?」
 「バ、バカと言うな・・・!!」
 少し小馬鹿にされるのが、天王州家の執事のようだ。少し悔しさも残しながらだったが、その後も敬語で話し続ける。
 「桂家に・・・西沢家は?」
 「・・・ああ、アテネお嬢様はそんなコトもおっしゃっていましたね。・・・大丈夫です。我々天王州家が全て買い占めました。」
 「ごくろうさま・・・」
 しかし、アテネは「下がって良いですよ」と言わないので、この男は一歩も動かない。少し沈黙が続いたが、その執事はアテネに聞いた。
 「なぜ、今・・・綾崎ハヤテという少年に出会いたいと思ったのですか?」
 「・・・ハヤテが、誰かに捕られそうだから・・・」
 「ふうん・・・アテネお嬢様も、女の子っぽい感情で行動するときもあるんですね。少し、かわいらしく見えました。」
 アテネは少し頬を赤くして言った・・・それが、この執事にとっては珍しいことだったらしい。なぜなら、不意にバカなことをやらかしてしまうコトがあるからだ。
 「う、うるさいわね!それに・・・言ったことがあるかもしれないけど、三千院家をどうにかしないといけないのよ。それにちょうどいいから・・・あなたに言ったコトを、今・・・タイミング良くやりたかっただけなの。」
 「そうなんですか・・・でも、それが本当なら・・・この綾崎ハヤテという少年も、浮気性なんですね・・・」
 「う、浮気性・・・!?」
 と、ハヤテのコトに対して否定をしたアテネだが、完全に否定はできなかった。『天球の鏡』に映ったマリアを見たときは、アテネのいるそばで可愛い女の子だとすごく喜んでおり、そしてロイヤル・ガーデンから出たときは、泉を助けて・・・キスをして、それを何ともないと一度言った男だから。
 「だって、6人か7人・・・もしかしたら、それ以上の女性が彼に大きく関わっているってコトですよね。それなら、アテネお嬢様。あの時に綾崎ハヤテと決着をつけておけば良かったんじゃないんですか?」
 「・・・うるさいうるさいうるさい!別に、私が頼んだコトが成功したから・・・もう、綾崎ハヤテと私が必然的に一緒になるって決められたの。」
 「・・・それに、アテネお嬢様。綾崎ハヤテの前に出会った青年の方が・・・私的には良い人だと思えるのですが。」
 「・・・彼のコト?でも、彼は日本で人気を集めているヒト。それに、私はハヤテより前の男のコトなんて眼中にない。」
 「でも、彼は女性には幾多に告白され続けましたが・・・未だに、彼女っぽい人も存在しておりません。もし、三千院家のコトがなければ・・・彼の方をアテネお嬢様は、一緒にいたかったのでは?」
 執事が放った言葉は、アテネの頭の中をぐるぐると回った。たしかに、それは・・・間違っていなかったからだ。
 「と、とにかく!明日・・・日が開けたら、三千院家に行くわよ・・・わかってますよね!」
 「はいはい・・・分かりました。」
 「まったく・・・バカなんだかどうだか分からないわね。あなたは・・・」
 「・・・そう言っていただけるだけ嬉しいです。」
 「・・・やっぱりバカなんじゃない。」
 「だから、バカって言うなあああっ!!」
 まあ、こんな男が執事なアテネは・・・綾崎ハヤテが三千院家の執事であることを知ってからは、ずっと・・・執事にしてみたい気持ちも少なくはなかった。
 「じゃあ、下がっていいから!早く、部屋を出て行きなさい!」
 「なんか、いつものアテネお嬢様じゃない・・・」
 と、そういう風に言うが、明らかに表情はにやけていたのでその言葉に深い意味は込められていなかったのであった。
 「では、失礼致します。アテネお嬢様。」
 最後は執事っぽく見せて戻ったアテネの執事。そして、ようやく一人になれたアテネは、執事からの報告を受けて一人、笑っていた。
 「ふ、ふふふっ・・・」
 それは、喜び・・・だが、どこかに・・・悲しみも入っていた。

 だが、これは・・・序章にしか過ぎないのであった。

~SELL 1 壊された日~

 日本・・・三千院家。
 「おーい、ハヤテ・・・早くこっち来て私の相手をしろ!」
 「は、はい。ただいまそちらに向かいます!」
 と、命令口調の女性声・・・三千院ナギの声と、少し声の高い執事声の綾崎ハヤテがお互いに大声で返事をしていた。
 ハヤテはナギのトコロへ走る。それは、ハヤテのごとく。
 「お嬢様。ただいま戻りました。・・・はあっ。」
 「どうした。そんなに疲れたか?」
 「だって、お嬢様のいる部屋・・・僕のいた場所から一番遠い部屋なんですもん。だから、はあっ・・・いくら僕でも、ため息一つ吐いても・・・おかしくないですって。・・・はあっ。」
 「そ、それはごくろうだったな・・・まあ、そこまで一生懸命に走らなくてもいいんだぞ。」
 「で、でも・・・僕に早く会いたいって・・・思ったから。」
 ハヤテはまだ息が少し荒いが、ナギにそんなコトをぽろりと出した。
 「べ、別に・・・そんなコトはないんだぞ。わ、私は・・・」
 ハヤテの不意に放たれた言葉に動揺する・・・一途に思うナギにとっては、こんなさりげない言葉でも過剰反応をしてしまうのだ。
 「まあ、いいですよ。じゃあ、やりましょうか。お嬢様。」
 「あ、ああ・・・」
 ハヤテはナギのやりたがっているゲームを取り出し、対戦モードに突入。普段は互角かナギが勝つパターンが多いのだが、この日はやけにハヤテが勝つときが多い。やはり、さっきの言葉で動揺してしまったせいだろうか。
 「お嬢様。今日・・・随分と弱いんですね。」
 「う、うるさい!ハヤテのせいだ!」
 ナギの気持ちをあまり考えずに・・・ぽろりと言葉に出てしまうのが、ハヤテの天然の象徴である。
 「えええっ、僕のせいなんですか!?」
 「だって、おまえが・・・おまえが。」
 その言葉の先が言えない・・・ナギは強がりな部分も多ければ、こういう風に純情な女の子っぽい雰囲気もあった。
 「僕が・・・なんですか?」
 「・・・ええい、なんでもない!ゲームはおしまいだ!」
 「そ、そうですか・・・」
 ハヤテはTVの電源を消して、部屋を出て行こうとした・・・しかし、その時だった。
 「うわっ!マ、マリアさん・・・」
 「なにかナギの大きな声が気になると思ったら・・・こういうコトだったんですね。ふっ、いつも通りですわね。ふふふっ。」
 マリアはナギがハヤテのコトが好きであるコトを知っている・・・と同時に、マリアもハヤテに少しは気があるかもしれない。
 「その様子だと・・・ハヤテくんが勝っちゃったんですね。理由はともかく。」
 「ええ。お嬢様は筋金入りの負けず嫌いですからね・・・最近は、少しは緩和されてきたと思ったのですが、やはり変わっていないようです。」
 しかし、マリアは何かに気づいていた。ただごとじゃない・・・そのコトについて。単純なことではすまないことが。
 「まあ、ナギも気むずかしい子ですから・・・あまり、ナギに刺激的な言葉を言ってはいけませんよ。」
 「す、すみません。また、お嬢様を怒らせてしまったみたいですね・・・」
 だが・・・だが、本当の始まりはここからだった。
 「は、放してえな!」
 この声に張りのある声・・・そして、関西弁の女性の声は。
 「さ、咲夜さんですか・・・?今の叫び声は・・・」
 「たぶんそうだと思いますが・・・」
 しかし、その咲夜の声に対する声もあった。男性の声・・・それも、一人じゃなかった。二人・・・いや、三人。もっといるかもしれない。
 「い、いたたっ!ほんとに、あんたら・・・ウチになにすんねん!」
 「咲夜さん!」
 ハヤテは咲夜のそばに行った。咲夜の態勢を起こす。
 「これで・・・一人完了。あっ、もう一人来たみたいだな。」
 咲夜を連れてきた男たちだろうか。黒いスーツを身にまとった男たちが言っている。そして、男たちの言うもう一人。
 「ここは・・・?おや、咲夜とナギがいたのね。」
 伊澄だった。
 「おっと・・・こっちのお嬢さんの方を運びたかった。こちらのお嬢さんは、家を連れ出すまでに時間がかかったからな・・・」
 「悪かったな!」
 その会話を聞くハヤテ、ナギ、マリアは何かに異変があると気づいていた。
 「咲夜、伊澄・・・おまえら、どうしたんだ!」
 「ナギ、ひどいんやで!けさ目え覚ましたら、いきなりこいつらが入って来てな。着替えてこの家から出て行けって言うんやで!」
 「別に・・・まさか、親の命令か?」
 「ウチ、そんなにお父ちゃんに悪いことせえへん。」
 相変わらず、伊澄はマイペースな感じだった。いまいち、自分がどんな状況であるかもいまいち分かっていなかった。あえて、ナギは伊澄に問いかけることはしなかった。
 「でも・・・おまえらはなんなんだ?」
 「今は、私に仕えている人が来るまでは・・・それは言うことはできない。特に、あなた・・・三千院ナギには。」
 「な、なんだって?私には・・・?」
 黒いスーツを着た男の一人が、ナギにそう言った。
 「仕えている・・・?誰に仕えているのだ!」
 「だから、それは・・・まだ言えない。もうすぐ・・・分かることだ。」
 「・・・ふっ、お楽しみはとっておけ・・・ってコトなんだな。私は、そういう面に関しては嫌いではないぞ。」
 しかし、その黒いスーツの男たちは・・・あきらかに、ナギの顔を見たときの表情だけ少しばかりか怖い感じがあった。
 「あなたたち!伊澄さんと咲夜さんに・・・なんてひどいコトをするんですか!」
 「・・・綾崎ハヤテくんか。」
 「・・・そうですが。そんなコトは問題ではありません!今すぐに、伊澄さんと咲夜さんに謝ってください!」
 「・・・謝る?はははっ、私には謝る権限はない。全ては、あの人に仕えて・・・あの人の言ったことをやっているだけだ。謝るのは、その仕えるヒトに言ってほしい。」
 「・・・じれったいですね。誰なんですか!」
 ハヤテは完全に怒っていた。普段は見せない・・・怒るという感情をあらわにしていた。
 「落ち着け・・・ハヤテ。まだ、その主のポジションのヤツが出てきていない・・・ハヤテ。気持ちは分かるが・・・普段の落ち着いた雰囲気を保て。こいつら、何かがおかしいからな。」
 「お嬢様・・・」
 「気持ちを乱したら・・・相手の思うつぼだ。」
 「・・・」
 ハヤテは無言だった。しかし、咲夜もフォローに入る。
 「そ、そうやで。借金執事。別に、なんもケガとかもしてへんから・・・そこまで怒らんでも。な?」
 「・・・」
 「な?伊澄さんもそうやろ?」
 「ええ・・・迷いなくナギやハヤテさまのトコロまで来ることができたので・・・とても、感謝しています。」
 完全に本題からはずれるコトを言う伊澄。しかし、そんな言葉にハヤテの気は落ち着いた。
 「そ、そう・・・ですよね。もう少し、落ち着かなければいけませんね。その、主という人が来るまでは。」
 「ああ。」
 それから、少しの時間は平穏な空気だった。しかし、その後である。
 「放して!放しなさいって言っているでしょ!!」
 この凛とした声・・・まぎれもない。あの人の声だ。
 「きゃあっ!」
 「ヒナギクさん!」
 ハヤテはヒナギクのそばにより・・・
 「だ、大丈夫ですか!」
 「え、ええ・・・この人たち、強引に私を家から追い出すんだもん・・・もう、なんでこうなっちゃったのか説明してもらおうかしら!」
 「ちょ、ちょっと待ってください。」
 ヒナギクの顔の前に手を出し、ヒナギクの言葉を必死に止める。
 「これには、何か・・・とあるところの主が関わっているみたいです。なので、それまではここでその主が来ると思うので、静かに待っていましょう・・・」
 「で、でも・・・!」
 「僕もさっき・・・ヒナギクさんのようになりましたが、落ち着いて・・・大丈夫です。ここにいれば。」
 「ハ、ハヤテくん・・・」
 ハヤテはコクリと頷いた。ヒナギクはその意味が分かると、ナギたちのトコロに行った。
 「でも、どうして・・・ヒナギクさんまで、ここに連れてこられるのでしょうか。それに、もしかしたら・・・」
 と、また一つ。女性の悲鳴が。
 「なんで放してくれないのかな?」
 「お、おい!こんなヤツ・・・本当に、あの方がおしゃっていた女性だったのか!あんなマンションに住んでいたんだぞ!」
 「だって、あの人直々に上がった言葉なんだ!それは・・・たしかなコトなんだろうな。とにかく、俺たちは三千院ナギたちのいるところに・・・」
 「あ、あんなマンションで悪かったわね!」
 明らかに普通な叫びと、普通な会話を繰り広げていた女性の声。明らかにあの人しか考えられない。
 「ほら、こっちに入っていろ!」
 「ひえええっ!!」
 歩。歩が黒スーツの男2人に投げ飛ばされ・・・ちょうど運良いときに、ハヤテの胸に飛び込んだ。
 「に、西沢さん・・・」
 「ハ、ハヤテくん・・・」
 その場の空気を少し読んでいなかった歩は、ハヤテの胸にさらに頭を埋めた。
 (こ、これって・・・好きなハヤテくんとのラブラブサプライズだったのかな!?)
 明らかに違う妄想が歩の頭の中に飛び回る。しかし、それを静止させたのはナギの一声だった。
 「こらっ!!ハムスター!!ハヤテに顔を埋めるな!!」
 「えっ。・・・ハ、ハヤテくん!」
 ハヤテを突き飛ばすかのように、歩はハヤテから素早く離れた。
 「あ、いや・・・なんでもないよ。深い意味ないよ・・・あれ、何言っているんだろ。って、こらあああっ!!何、私をここにむりやり連れて来てんのよ!」
 「ちょ、ちょっと・・・西沢さん。何度も言うのは面倒なのですが、とあるところの主がこんなコトをさせているみたいです。なので、その人が来るまで・・・じっと待っていましょう。」
 「え、まあ、ハヤテくんが言うならそうしようかな・・・って、ヒナさんもいるのかな。もう、何がなんだか分からないよ。いきなり、『おまえ、家を出ろ』なんて言われちゃって。」
 「普通なモノマネはいらないから、早くヒナギクの横にでもいろ。」
 「むかっ。まあ、いいかな。ハヤテくんとのサプライズがあったからね。」
 そう言うと、歩は少し勝ちきった表情でヒナギクの横に座った。
 「ちょっとうらやましかったな。歩。」
 「へへへっ。」
 ヒナギクと歩は互いにハヤテが好きなことを知っている。そして、お互いに親友のような関係であり、同時にライバルのような感じも時たまにある。
 「でも、ひどいよね・・・私、起きてすぐに・・・」
 「分かっているわよ。『おまえ、家を出ろ』なんて言われたんでしょ?」
 「そうそう。ひどいよね。ヒナさん・・・」
 そして・・・その後に、泉も三千院家に放り込まれたのであった。
 「にゃあああっ!!私だけ一行で収めないでよ・・・!」
 だが、その後は三千院家に放り込まれるヒトは出てこなかった。どうやら、黒スーツの男たちが仕える“主”を待つだけとなったようだ。
 「でも・・・その主って誰なんでしょうね。お嬢様。心当たりはありますか?」
 「いや・・・それなりの財閥の主は、大抵は私の耳に入っている。でも、それ関係は白皇学院に通っている生徒にほとんどは入っているから・・・でも、心当たりはないな。少なくとも、日本にいる財閥は、な。」
 「そうですか・・・」
 その“主”の正体は、出会うまで分からなかった。
 「でも、どうして三千院家に集めたのでしょうか・・・財閥関係ならば、ヒナギクさんや西沢さんは無関係なのでは?」
 「そうだな。ヒナギクはともかく、ハムスターは全くの無関係であると断言できるほど普通だからな。」
 「わ、悪かったわね!これでも、十分良いんだよ。」
 歩がここまで落ち着いていられるのは、やはりさっきのサプライズがあったからだ。
 「来たぞおおおっ!!」
 黒スーツがドアの向こうから叫ぶ。たしかに、かたかたと高い何かを履いている音は部屋の中にいる全員に聞こえた。
 「ごくろうさま。みなさん・・・」
 それは、きちんとした女性の声だった。
 「・・・これで全員ね。」
 女性は、部屋の中に入った。
 「・・・久しぶりね。ハヤテ。」
 「ハヤテ・・・?誰だっ!!ハヤテをそんな風に呼ぶヤツは・・・」
 「おだまり。三千院ナギ・・・」
 その女性は、ハヤテのことをはっきりと“ハヤテ”と呼んだ。
 「覚えているでしょ・・・?10年前、ロイヤル・ガーデンであなたを助けて・・・それで、別れてしまった。ずっと会いたかったわ・・・ハヤテ。」
 「ろいやる・がーでん・・・も、もしかして!」
 ハヤテはその女性の姿を見た。
 「あ・・・アーたん・・・」
 「ハヤテ。ずっと・・・会いたかったわ。」
 「あ、アーたん・・・」
 こうして、10年越しのハヤテとアテネの再会だった。しかし、それは・・・大きな話の序章にしか過ぎない。

 そして、三千院家の正門前。
 「・・・ここに、アテネが入っていったか。ようやく見つけた・・・天王州アテネ。そして、三千院家はここだったんだな。」
 一人の若い男性が・・・三千院家の屋敷を眺めながら、つぶやいていたのであった。まるで、その男性はその後の悲劇の始まりを知っているかのように。
 そう、青空の下で・・・悲劇は始まろうとしていたのであった。
 既に、三千院家の物ではない・・・この、練馬区のほとんどを敷地とする屋敷で。ナギたちには耐え難い、悲劇が。

vol.2に続く。果たして、アテネは何を想い三千院家に人を集めたのか。
そして、三千院家を外から見る男の正体は?次回vol.2をお楽しみに。

この話は、SS情報サイトさんに登録する予定です。

あと、OVA、ドラマCD、ヒナギクアルバム、カバーCDを予約しました!
初回限定版のある物は全て初回限定版を予約できました!よかったです。
PSPは予約自体を、私の行くアニメイトではその時はやっていなかったので、予約してません。
とにかく、まずは安心しました。・・・ほっ。
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