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My Smile, Your Smile

『My Smile, Your Smile』


 ――私には素敵な笑顔がある。それが一番の魅力。
 プロデューサーさんからも。そして、皆さんからもそう言われました。
 その言葉に勇気をいただきました。
 元気を、いただきました。

 それでも、不安になってしまうときがあります。

 笑顔がなくなってしまったら、私はどうなってしまうのかと。アイドルとして。島村卯月という一人の女の子として。
「はあっ……」
 公園の端のベンチにぽつんと座って、小さなため息をつきます。
 我が儘であることは分かっていますが、笑顔の他にも何か魅力的に思ってくれそうなこと、ないのでしょうか。
「……こんなところで、どうかしたの、卯月」
「凛ちゃん……」
 気付けば、凛ちゃんが私のすぐ目の前に立っていました。
「悩み事、がありそうな顔してる。私で良ければ相談に乗るけれど」
 凛ちゃんは優しい笑顔を見せると、私のすぐ側に座りました。その時に良い匂いがしたからなのか、ちょっとどきっ、としました。
 そして、私は凛ちゃんに悩んでいることを包み隠さずに言いました。私の説明、あまり上手ではありませんが、凛ちゃんは真剣に聞いてくれました。
「……なるほどね、笑顔がなくなったらどうするか……」
「笑顔が魅力だと皆さんが言ってくださったのに、何故か――」
「卯月がどうなっても、私は卯月の側にいる」
 私の目の前にあったのは、私のことを真っ直ぐに見つめる凛ちゃんの真剣な顔だけでした。普段からクールな凛ちゃんなので、今の凛ちゃんが王子様のように見えてしまいます。
 凛ちゃんは私の両肩に手を添えて、
 
「私は卯月の笑顔が大好き。ずっと、ずっと……好きなんだ」

 私にそんなことを言ってきました。
 凛ちゃんの放った好き、という言葉は私を励ますためだけではないのだと思いました。だって、凛ちゃんの頬がほんのりと赤くなっていましたから。
「凛ちゃん、えっと、その……」
「……私は卯月のことが好きだよ。その……こ、恋してるって意味で。卯月が笑顔でいられないときは、笑顔を取り戻せるように頑張る。だから、私に……ついてきてほしい」
 凛ちゃんの言葉は告白を通り越して、プロポーズのように思えました。
 例え、笑顔がなくなっても、側にいたいと言ってくれている人がいる。それはとても幸せなことなのだと思いました。

「……凛ちゃんに、ついていきますね」

 私の方が年上なのに。凛ちゃんについていくなんて、ちょっと情けないです。でも、王子様のようにかっこいい凛ちゃんのシンデレラになりたいです。
「卯月」
 凛ちゃんは私のことを優しく抱きしめてきました。凛ちゃんの優しさに包まれて、とても幸せな気持ちです。
「……好きです、凛ちゃん」
「……うん。私も好きだよ、卯月」
 そして、凛ちゃんは私に口づけをしてきました。ほんの二、三秒でしたけれど、それはとても長くて柔らかくて、温かい時間でした。
「私の笑顔は凛ちゃんのものです。あっ、でもアイドルとしてそれは――」
「卯月らしいな」
「えっ……」
「卯月は卯月の笑顔をすればいいんだよ。嬉しいこととか、楽しいこととか……わ、私と一緒にいることとか。色々なときに見せてくれる卯月の自然な笑顔がとっても魅力的だと思うんだ」
 凛ちゃんのその言葉がとても心強いです。
「……凛ちゃんがそう言うのなら、間違いないですね」
「わ、私は思ったことを口にしただけ」
「凛ちゃんの笑顔も素敵ですから、もっと普段から見せていければ、よりアイドルとして輝けるのではないのでしょうか」
「ふえっ?」
 と、凛ちゃんは可愛らしい声を漏らしました。
「……ま、まずは……う、卯月には見せられるように頑張ってみる」
 視線をちらつかせながら、恥ずかしそうに言ってくる凛ちゃんがとても可愛いです。きっと、ギャップ萌えしちゃいますよ。
「じゃあ、約束ですよ」
 そして、今度は私の方から凛ちゃんへ口づけをしました。さっきよりも長く。
 きっと、凛ちゃんと一緒にいれば、何があっても大丈夫だと思います。笑顔を失うことはない、と。
 島村卯月、恋人の凛ちゃんと一緒にこれから頑張ります!


『My Smile, Your Smile』 終わり
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